【新シリーズ|選びとる人、そのカタチ。vol.01】第1話:『いまの基準の全てが、迷走から生まれたもの』当店バイヤー加藤
編集スタッフ 齋藤
(聞き手・文:スタッフ齋藤)
だれでも日々、選びとっている。
今日着ていく服を選ぶ。子どものアイテムを選ぶ。通勤電車で読む本を選ぶ。夕飯の材料を選ぶ。
選ぶということを仕事としている人はもちろん、実はだれでも日々、選びとっているんだと思います。
その選ぶ基準やこだわりは人それぞれ。その様々なカタチをのぞいてみたい!という思いから、この特集が生まれました。
この特集では、そんなさまざまな場面や立場で選びとっている人の、選ぶカタチをお届けしていきます。
誰かの選ぶカタチが、自分の基準と違っていたらそれはとても面白い。そもそも自分の基準って?仕事で選びとっている人が自分のために選ぶものって何だろう。
そんな、選ぶことに関する素朴な疑問が、この特集で見ることができたらとワクワクしています。
せっかくなので、、vol.01は当店バイヤーの2人を。
今後はお店の外へ飛び出していきます!
今回登場するのは、当店バイヤーの加藤、そして松田の2人です。
日々お客さまにご紹介させていただく商品を選んでいる2人が、日常で自分のために選んでいるものってどんなものなのか。その選ぶ基準は、仕事でバイヤーとして選んでいる時のそれとは違うのでしょうか。
また、今後は当店を飛び出し、さまざまな場面や立場で選びとっている人を取材し、お届けしていく予定です。どうぞお楽しみに!
それでは全2話でお届けするvol.01のはじまりです。
迷走から生まれた、もの選びの基準。
当店で、たくさんのモノに囲まれながら、日々お客さまへご紹介する商品を選び、どんなふうにご紹介するか悩みながらも仕事に邁進する加藤。
加藤のモノへの愛情は社内でもキラリ!と光っています。同時に、加藤自身が身につけるものや自宅で愛用するモノは、それはもうじっくり選びとっているということもよく耳にすること。
そしてどうやら、その慎重さはすべて過去の迷走時代に繋がっているそう。
そうしたもの選びの基準は、仕事での商品セレクトに影響しているのか、それとも全く別物なのか。加藤が選びとっているものたちを通して何が見えてくるのでしょうか。
(※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)
何度も失敗したから
器選びはとことん慎重になりました。
(ベージュ色の鉢/作家不明、青色の器/倉敷の作家さんのもの、硝子の平皿/アンティーク)
加藤:
「どれも毎日本当によく使っているお皿ばかり!わたし、選ぶときはかなり、かなーり慎重で、お店で長い時間お皿を持ってウロウロしながら対話しています。
“これが毎日あり続けるのってどう?”といった対話時間の長さは一緒にいる人がちょっと引くほどです(苦笑)」
器を選ぶときには、もともと家で使っているものとの相性や、盛りつける料理、今ある器との組合わせなどをたっぷりと時間をかけて考えているそう。
加藤:
「この選びかたって、昔からという訳ではないんです。実は、一人暮らしをしていた時代の器は雰囲気重視でもっと軽いノリで購入していました。
恥ずかしながら、あまり考えずに手に入れていたからか、せっかく買ったのに使わないままの器も沢山あったんですよね」
その時の苦い思い出から、とことん器と対話をして選ぶ加藤なりの基準が生まれていったそう。
対話を繰り返し加藤の家にやってきた器(上記写真)には、それぞれにこんなやり取りがあったようです。
加藤:
「副菜に毎日活躍するベージュの鉢は何をのせても美しく見せてくれます。青い器は、この青ならお料理を盛りつけても美味しそう!と感じて。すこし滲んだような釉薬の具合が大好きです。
アンティークの硝子の平皿は、家にこういったお皿が無かったのと、お刺身を盛りつけたい!と選びました」
革のバッグから自由になったら、ワンパターンを脱することに成功!
(愛用エコバッグの一部。まだまだあります!)
加藤の通勤スタイルといえばエコバッグ!と皆が口を揃えるほどの、エコバッグ持ち。そこでエコバッグに惹かれる理由を聞いてみました。
加藤:
「器や洋服の買い物に関してはかなりの慎重派なんですが、エコバッグだけは好みのものを見つけたら買い!という暗黙のルールが自分のなかにあります。
作家さんの絵やお店のオリジナルイラストが入っているものが大好きで、雑貨屋さんや作家さんの展示に訪れた記念で手に取ることが多いです。
好きなイラストレーターさんの展示では、絵にももちろん憧れてしまうのですが、バッグは気軽に買えるお値段で、さらに持ち歩ける!絵への愛着もひとしおです」
そんなエコバッグラブ!な加藤ですが、なぜ通勤にエコバッグを選ぶのでしょう。
加藤:
「以前は毎日同じ出勤用の革のバッグを持ち歩いている時期もあったのですが、私の場合、バッグに釣られて洋服もワンパターンになっているかも、、という感覚があったんです。だから気軽に日々変えられるエコバッグを持つという意識改革をはじめました。
そうするといつの間にかそれがトレードマークに(笑)。何種類かあるエコバッグからその日の洋服との組合せや気分で選ぶせいか、案外出発前によしっと気分が上がって良いんです」
エコバッグへのこだわりはまだまだ続きます。
加藤:
「地味に確認するのは肩にかけられるかどうか。それから、しっかりした素材よりも、実は持ち手の紐がくしゅくしゅになりそうなやわらかいのも結構選びがちです。使い続けてくったり自分にフィットしてきた感じに、愛着が沸くんだと思います」
たくさん迷走したファッションは、黒髪ショートをきっかけに選ぶカタチが決まってきました。
洋服を買うとき、その日に着る1着を決めるとき。だれもが選ぶ、洋服という存在。でもだからこそ、選ぶカタチはそれぞれで、年齢やライフステージによって迷走してしまうのは、誰にでもあることだと思います。
加藤もその1人だったようなのですが、どうやら最近は選ぶカタチに芯が見えてきたんだとか。
加藤:
「迷走具合に定評のあるわたし。服に関しては特に変遷がありました。昔は色がきつめのものを着ていたり、ザ・シンプル!な服を選ぶこともあったんです。
それを経て、今はちょっとディテールに乙女っぽい要素があるものを選ぶようになりました。
それはたぶん、黒髪ショートが定着してきたことで、すこーし女子な要素を入れることを意識しているのかもしれません」
ピンクのチークは似合わないことが分かって。
(チーク/MiMC)
メイクアイテムも、迷走カテゴリーの一つかもしれません。みなさんにも、これは!という一つがありますか?
加藤:
「メイクに関しては、チーク命!です(笑)そして色はオレンジ一択。ピンクはどうにも似合わないことが経験上わかってから、買い替えるたびにオレンジを選んでいます。チークをつけて、ヨシ!と一日が始まる感じです」
選びとる人、その弱点。
「大事にしすぎて、なかなか使わないんです」
加藤:
「わたし、、ものすごーく気に入って買ったものを、持ち帰ってすぐに使うことが出来ないんです。対話を重ねてじっくり選んだからこそ、ここぞ!という時におろしたい。
こちらの伊藤まさこさんの著書で紹介されていた木のへらは、雑貨屋さんで購入してから数ヶ月経った先日、気合いの入ったハンバーグ作りをした際にようやく日の目をみました。でもこれ、どうにもならない弱点かもしれませんね〜」
わたしの、選ぶカタチ。
「仕事で商品を選ぶときにはミーハーさがプラスされた自分が登場します」
加藤:
「仕事で商品を選ぶときには、慎重すぎる自分ではなく、もっと気持ちをオープンにしたもう1人の自分がいるかもしれないと最近感じています。実際の自分よりも色味やトーンといった好みの幅がすこし広くて、ミーハーで明るいわたし。笑
今の自分の物差しだけじゃなくて、これまで迷走を繰り返してきた道のりも、全部含まれているんだと思います。失敗して苦い思い出があるからこそ、ものと対話する選ぶカタチが生まれて。その対話は商品に対しても同じです。
ものがやってきて、暮らしのなかで使うときのシーンを意識するというのは、実生活にも商品選びにも共通しています。
選ぶことに悩む気持ちが無くなることはないかもしれない。でも、たくさん迷走してきて、良かったなーと今なら思えます」
明日は、当店バイヤー松田に登場してもらいます。
どうぞお楽しみに!
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