【特集|子どもと食しごと】第5話:料理家 江口恵子さんとお話する、食しごとのこと。
編集スタッフ 齋藤
聞き手・文 スタッフ齋藤、写真 クラシコム
料理家の江口恵子さんに、子どもといっしょに楽しむ食しごとを教わる特集を全5話でお届けしています。
第5話では、3人のお子さんを育てる江口さんに、食しごとにおすすめのアイテムや江口家の食しごとヒストリー、食しごとを考えるときに大事なことなどについてお聞きしてみました。
江口家でつかう、子どものキッチンアイテム
恒例になった包丁のプレゼント
江口家では、包丁以外は子ども用の台所道具は用意していないそう。上の写真は江口家の子ども3人のマイ包丁。
長女のはなちゃんが、3歳になる少し前に「包丁が欲しい!」と言ったことをきっかけに、下の2人のお子さんも3歳になるとマイ包丁を用意するようになったそうです。
子ども専用ではなくて、子どもも使える小さい&大きいもの。
(ボウル/柳宗理、ホイッパー/silit、木のボード/IKEA、テーブルナイフ/雑貨屋さんのもの)
江口さんに、子どもの食しごとで頻繁に使う道具をお聞きすると、深さのあるボウルや少し小さめのホイッパー、テーブルナイフが出てきました。
江口さん:
「 子ども専用の台所道具は包丁以外はないんです。ドレッシング用に使うような小さいサイズのホイッパーや、深めで安定感のある小さなボウル、中身がこぼれにくい大きめのボウル、小さいカッティングボードといった道具を子どもに使ってもらっています。
専用のものを買っても、一時期しか使えないことを考えるとこの方が台所の中も物が増えずにスッキリ!」
専用のものを用意しないといけないのかな…と思っていたわたしは目から鱗。ここで少し、子どもとの食しごとへのハードルが下がりました。
江口さんに、子どもと食しごとについてお話をうかがいました。
料理をする姿を見ているだけでも、食しごと。
食しごとって、どうしても難しそうと思ってしまう。何からしてもらうのが正解なんだろう。そんなことをぽろっと漏らすわたしに、江口さんがこう答えてくれました。
江口さん:
「 食しごとって言ってもね、お母さんが料理をする姿を見ているだけでも、食しごとに参加していることになるんですよ〜。
何ができるか、何に興味を持つかは本当に、子ども次第!ちょこっと盛り付けをしたり、お皿やお箸を並べてもらう。これも立派な食しごとなんですよね」
いつか一緒に台所に立てる日が来たらいいな。そう漠然と思っていたけれど、まずはその前に、「子どもが興味を持ってくれたタイミングで、ほんの小さなことでもいいからチャンスが来たらやってみよう」そんな風に考えられるようになりました。
お母さんのニコニコが何よりも大事
江口家の3人のお子さんは、食しごとへの取り組み方もそれぞれだそう。
江口さん:
「料理がとにかく好きな長女、こだわり派で芸術肌の長男、とにかくダイナミックな次女…。笑っちゃうくらい、それぞれですよね」
もともと料理が好きだったという江口さんは、「子どもと一緒にできたら楽しいな」。そんな気持ちからお子さんを料理に誘ったところ、目をキラキラさせて取り組んでくれたのが始まりだったそう。
それからは季節がめぐるたびに食しごとを一緒に楽しみ、今ではスーパーに梅が並んでいるとお子さんの方から教えてくれるようになったのだとか。
江口さん:
「生活の延長で、季節に沿った旬の食べ物を使って食しごとをすることで、お母さんも無理をしないことはとっても大事です。
子どもは本当に気まぐれ。途中で投げ出されちゃっても『ま、いっか〜』くらいに思えることも実は大事かもしれません。お母さんがニコニコしていられるのが、何よりも大事ですからね」
料理家 江口恵子さんに教えていただき、特集「子どもとたのしむ食しごと」全5話をお届けしました。
お子さんが夏休みに入るこの時期、いつもよりも親子で一緒に過ごす時間が増えるかもしれません。
「あれやりたい!これ作ってみたい!」そんな元気な声に、大人も一緒になってたのしみ、こたえることができたら。この特集がそんなきっかけになりましたら嬉しいです。
お家に来客があるときにワイワイ作ってみたり、夏のおやつ時間にこの特集のレシピを楽しんでくださいね。
みなさんの夏が、おいしく楽しいものになりますように。
子どもといっしょに季節の食しごと&保存食 江口 恵子 マイナビ 2015-04-14 |
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