【みんなのコーヒー物語】コーヒーショップでまごまごしない?!覚えておきたい基本の豆知識。
編集スタッフ 田中
文・写真 スタッフ田中
みんなのコーヒー物語、第二回はコーヒー豆のことについてお届けします。
店頭で、コーヒーを頼むときや豆を購入するとき、自分の好みを理解して注文することってなかなか難しいような気がします。
つい「こないだ頼んだのと同じものにしよう」とか「すごく苦くなければ平気だけど、それはどの豆だろう?」とまごまごしてしまうこと、わたしはよくあるんです。
すこしだけ豆に詳しくなりたいな、そんな気持ちで+coffeeの宮谷大輔さんに聞いてみました。
+coffee・宮谷さんに聞いた、覚えておきたいコーヒー豆の話。
おいしいアイスコーヒーの淹れ方を教わった宮谷さんに、あらためてご自分が好きなコーヒー豆に出会ったときのこと、そしてちょっと知っておくといい「豆のこと」を教えてもらいました。
宮谷さん:
「実はブラックでは飲めなくて、コーヒーが苦手だったんです。それがあるイベントで飲んだコーヒーが苦くなくて、とてもおいしかった。そこで使われていたのがエチオピア産の豆でした。
それから、お店で飲むときもエチオピアばかり選んでいたんですが、焙煎や淹れ方、果てはコーヒー豆の農園の違いで少しずつ味わいが変わることに気づいて。だんだんとコーヒーにのめり込んでいきました。
コーヒー豆のことは勉強すればするほど奥深いんですが、僕が思う”ちょっと覚えておくといいな”という部分をお伝えできればと思います」
エチオピアはアフリカの国名ですが、そういえば喫茶店でケニアとブラジルとコロンビアで、さんざん悩んだことを思い出しました。
その国別の味わいのこと、ちょっぴり覚えておきたいと思いませんか。
まず覚えておきたい、エリアごとの豆のこと。
「国というよりは、”エリア”でざっくり覚えておくといいかもしれません」という宮谷さんがおっしゃる、以下の三つくらいのエリアを挙げてみました。
アフリカ(ケニア、エチオピアなど)
花のような香りをもつ。酸味が複雑で、果実を思わせる味。
中南米(ブラジル、コロンビア、グアテマラなど)
フルーツのような香りをもつ。コクが深い。酸味と苦味のバランスがよい。
アジア(インドネシアやスマトラ島のマンデリンなど)
独特の香りをもち、スパイシーさがある味わい。コクが深く、酸味は控えめ。
缶コーヒーのテレビCMなどでは、農園で赤い実を収穫している光景が流れませんか。あの果実のなかにある種がコーヒー豆です。だから香りに、フルーティとか花のようなという表現がつくのですね。
宮谷さん:
「コーヒーの木の品種や、豆を栽培する農園ごとにも味わいはこまかく違ってきますが、僕が考えるざっくりとしたコーヒー豆の印象として頭にいれてもらえたら」
まずはどんなところで生産されて、大まかにどんな印象の豆なのかわかったところで、次に悩むのが「焙煎」の度合いではないでしょうか?
酸味、苦味、香りなどコーヒの味をきめる焙煎のことを聞いてみました。
その豆を焙煎したら、どんなふうに変わるの?
浅煎りなら軽め、深煎りなら苦いと失礼なくらい簡単に考えていましたが、もう少しだけ豆知識があれば自分の好きな味わいを探せるかもしれません。
「一般的には次のように言われています」と宮谷さん。浅煎り、深煎り、、など大まかな基本を教わりました。
浅煎り
豆の特徴が出やすい。色も薄い。酸味が出やすく、苦味は少ない、軽やかな味わい。
中煎り
酸味と苦味のバランスがよく、日本人は飲みやすい焙煎の度合い。豆の色は茶色。
中深煎り
すこし苦味を感じ、カフェ・オ・レやアイスコーヒーに適したコクをもつ。豆の色はこげ茶。
深煎り
強い苦味と濃厚な味わい。カフェ・オ・レやアイスコーヒーに適したコク。またどんどん焙煎がすすめば、エスプレッソ向きに。豆の色は黒に近くなっていく。
そうか〜飲み方次第で豆の選びかたも変わるんですね。
わたしが家で飲むコーヒー豆を買うときの基準は、酸味と苦味のバランスがいい中煎りくらいを選んでいることが多いんです。それはブラックでもカフェ・オ・レにして飲むことも両方あるからでした。
でも、夏のアイスコーヒーを、豆の種類が選べるようなショップでオーダーするときには、苦味はあるけど口のさっぱりする中深煎りまたは深煎りで注文していることが多かったと気付きました。
宮谷さん:
「苦い、酸っぱい、甘い、香りがいいなど、自分の舌がどう感じたかをすこしずつ覚えていくと好みの味が見つかりやすいでしょう。
一般的なことをお話しましたが、コーヒーの飲み方に決まりはありません。実際、いま+coffeeでお出ししているのは、ホットやアイス、カフェオレも、浅煎りの豆で作っているんです。だから自由に好きな味わいのものでオーダするのがいいと思います」
前述したように深煎りの豆がエスプレッソに合うと言われていますが、宮谷さんは浅煎りの豆でエスプレッソにしても美味しいと感じたそうです。
自分好みの味探しをするのも、お店でのひとときが毎回たのしくなりそうですね!
ショップでまごまごしてもいい、店員さんに聞いてみるのもコツ。
宮谷さんにいろいろと豆のことを聞いてみましたが、 いちばんのアドバイスが「店員さんにどんどん話をきく」ことだとおっしゃっていました。
宮谷さん:
「そのお店ごとに、豆の選びかたから焙煎の仕方まで、細かな違いがたくさんあります。だから、好みの美味しいコーヒーを見つけたかったら、恥ずかしがらずどんどんお店の方に聞いてみてください。
たくさん豆を用意していらっしゃるということは、きっと愛情もって焙煎したり、コーヒーを淹れていらっしゃるだろうから、お客様に合うようにセレクトしてくれると思いますよ」
お店でオーダーするときに、
「外出先で飲むコーヒー、今日はどんなコーヒーが飲みたいのかな?」
「家で飲むコーヒーはミルク多めなのか、ブラックなのか?」
「飲むのは朝?夜?どっちが多いかな?」
と、ちょっとだけ思い起こしてみよう!という気になりました。それに一種類の豆しか買っちゃだめということはありませんよね。どんどん試してみたらいいのだと思います。
宮谷さんにお話を伺って、コーヒーの奥深い世界の入り口をのぞいてみれた気分になりました。基本のざっくりとしたお話でしたが、わたしのようなコーヒー入門したての方にすこしでも参考にしていただけれたら嬉しいです。
それでは、また次のコーヒー物語で。次回は、エンジニア・オリバーの「こだわりのエスプレッソマシン」について聞いてみました!
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