【はたらきかたシリーズ】篠田真貴子さん(ほぼ日刊イトイ新聞)第1話:ずっと意識している「不機嫌にならない」ための工夫
編集スタッフ 長谷川
聞き手・文 スタッフ長谷川、写真 田所瑞穂
子育て×仕事の話を、篠田真貴子さんに聞きました。
さかのぼること、半年ほど前。「ほぼ日」ことほぼ日刊イトイ新聞を運営する東京糸井重里事務所のみなさんと、私たちクラシコムで交流会をしました。
お越しくださった乗組員(ほぼ日スタッフのこと)の中には、当店の店長佐藤が「尊敬する女性のひとり」と挙げる、篠田真貴子さんの姿も。
篠田真貴子さんは、外資系企業でのキャリアを経て、東京糸井重里事務所に入社。小学6年生の息子さんと小学2年生の娘さんを育てるお母さんでありながら、取締役CFO(財務や経理の最高責任者)を務めます。
お会いするまで「キャリアウーマン!」なイメージを抱いて緊張していたのですが、お話してみると、その気さくさにびっくり。
同じく子どもを育てながら働く店長佐藤やスタッフ齋藤は、「篠田さんも、子どもを追いかけまわしながらも日々を過ごすお母さんなんだ」と共感できることが多く、嬉しくなったそう。
そして、「忙しいはずの篠田さんは、どんな働き方や暮らし方をしているのだろう?」と興味津々。交流会だけでは足りず、いつかもっとお話を……そんな風に思っていた「その日」が、今回やってきたのです!
▲写真左から、篠田真貴子さん、スタッフ齋藤、スタッフ長谷川
記事を担当することになった僕は、店長佐藤やスタッフ齋藤からの熱い想い(と、プレッシャー)を預かって、篠田さんにお話を伺いました。
ちょうど僕も、先日の田中千絵さんインタビューを経て、「子育てと働き方の良い関係には自分なりのモノサシが必要なのかも」という考えを深めていたところ。
篠田さんはどんなモノサシをお持ちなのかが知りたくなって、緊張半分ワクワク半分で、インタビュー当日を迎えました。
いろいろなカタチを知っておくと、安心できる。
「これまでの篠田さんの体験を伺いつつ、働くお母さんの応援歌になるような、いいアイデアを紹介できればと思っているんです」と僕が伝えると、篠田さんは頷いて、答えてくれました。
篠田真貴子さん:
「子どもが生まれる前に勤めていた外資系企業で、ちいさい子どもがいながら、しっかり働く女性の先輩に何人も出会えました。それが本当に良かったんです。
働くお母さんのモデルが、自分の中にまったくないとツライですよね。モデルがひとりだけだと『あの人と私は違うから……』と受け入れにくいこともあります。でも、“いろいろなカタチがある”といくつか知れば、それだけでずいぶん安心できる。その気持ちはよくわかります。私も今日はモデルのひとつとして、お話できればと思います」
そんな篠田さんのお話に、インタビューに同席していたスタッフ齋藤が「それ、わかります!」と何度もうなずいて盛り上がるシーンも。
子育ての先輩として、ビジネスパーソンのひとりとして、多くのヒントをいただいた時間となりました。今回を含めた3回の連載でお届けします。
もくじ
「不機嫌にならない」ように考えます。
篠田さんは、自分にとってより良い時間の使い方を常に考えているそう。そのためにお金がかかるとしても、使うべきところにしっかり使います。
その基本は、シンプルな一言にまとまった、篠田さんのポリシーにありました。
篠田真貴子さん:
「ずっと意識してきているのは、不機嫌にならないようにすること。
親が、自分の時間と体力を削ってギリギリまでがんばり、心のゆとりがなくなって、子どもに『あなたのためにやってるのに!』って怒るのは、いちばんよくない状況だと思っています。
それって子どもにとっては知ったこっちゃないですよね。親が機嫌よく、仲良くいるのがいちばんよいはずですから。
たとえば、ベビーシッターや家事代行などを積極的に利用しましたが、その費用は、子どもが生まれる前は旅行やネイルに使っていたものを切り替えたんだ、と考えました。ベビーシッター代も旅行代も、どちらも自分の心を穏やかに保つための費用。自分の状況が変わったから、心をざわつかせないようにする方法も変わったのです。
このように、自分が不機嫌にならないことを最優先に、使うお金は使う、休む時は休む、遊べるときは遊ぶという判断をしています。
『働く』ということも、生活の糧を得るためでもあるのですけど、私は働いていないと精神的に健康になれないタイプなんですよね。その中で、どうやればうまくいくかをずっと探してきています」
切れ間なく進む、基本のスケジュール。
篠田さんは現在、旦那さん、2人のお子さんと共に、職場、小学校、自宅がおよそ30分ほどの圏内で収まるところにお住まいです。
朝型の旦那さんは7時前に出社し、夜は子どもたちと食卓を囲める時間に帰宅。長男の勉強をフォローしたり、遊び相手になってくれたりするそう。夜の時間には夫婦で「やること」を分担しています。
篠田真貴子さん:
「家事の中でも、洗濯物をたたむのは夫と子どもたちの仕事です。子どもには『家庭というのは、まずみんなで助けあうもの。“お手伝い”とか“手伝っている”ではなくて、自分のことは自分でできるようにならないとだめです!』と話して、洗濯物をたたむことを『あなたがやること』にしましたね」
「60mlの軽量カップ」を愛用するワケ。
食事の買い物は、ネットスーパーで牛乳や卵、豆腐、野菜などの必要なものを定期的に届けてもらい、週末や昼休みを利用して、近くのスーパーで足りないものを買い足しているのだとか。
「日々のエピソードがわかる物があれば、ぜひ見せてください」とお願いした僕に、篠田さんが持ってきてくれたのが、よく使い込まれた60mlの軽量カップ。
▲アメリカのキッチンウェアブランド「OXO(オクソー)」の計量カップ
篠田真貴子さん:
「調味料をまとめて計れる時短アイテムなんです。大さじを1杯、2杯とやっている時間がもったいないし、こぼさないですしね。上から目盛りを読めるのもおりこうでしょう?
私のこと、仕事も家事もバッチリやっているかのような印象を持つ方がたまにいるんですけど、たいへんな誤解です。毎日、ぼろぼろです(笑)。
家の中は、乾燥機や食洗機とかの機械をフル稼働。乾燥機があれば、お天気を気にせず夜でも洗濯できますよね。お金は借りられても、時間は借りられませんから」
第2話では、篠田さんが参考にした子育てのアドバイスや、うまくいくためにしていることを、さらに伺っていきます。
もくじ
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