【BRAND NOTE】第1話:インドで1日9食?「無印良品」のレトルトカレーが生まれる裏側。
編集スタッフ 二本柳
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
BRAND NOTE「無印良品」編、第3章はあの「レトルトカレー」に迫ります!
みなさんは「無印良品」のレトルトカレーを食べたこと、ありますか?ひょっとすると、ずっと前からリピーター!という方も多いかもしれません。
レトルトというものに対する後ろめたさを感じさせない、ジューシーでおいしい具材。後味に違和感を残さないすっきりとした味わい。
そんな大人気のレトルトカレーはなんと14種類ものラインナップが並び(2015年9月現在)、「カレーなる『無印良品』」という試食イベントも定期的に開催されるなど、「無印良品」としてもかなり力を入れている様子です。
なぜ「無印良品」がそこまでレトルトカレーにこだわるのか?そして、なぜあれほど美味しいのか。
その秘密が知りたくて、代表青木と店長佐藤、スタッフ齋藤、わたし二本柳の4名で「良品計画」本社を訪問してきました!
左からスタッフ齋藤、代表青木、店長佐藤、スタッフ二本柳
おいしいレトルトカレーの秘密が知りたくて、「良品計画」本社へやって来ました!<前編>
今回わたしたちを出迎えてくれたのは、前(まえ)さんと橋本さん、そして見市(みいち)さんの3名です。
食品部内の課長として、調味・飲料の開発を担当する前さん。そして、以前所属していた菓子部門ではフランスまでお菓子調査へ出かけていたという橋本さんも、現在は同じ調味・飲料の担当としてレトルト食品の開発に従事されています。
さらにそんな開発チームを販売計画や在庫管理などの部分で支えているのが、課長の見市さんです。
(左から見市さん、前さん、橋本さん)
みなさんの胸元で揺れるのは、イチオシカレーの名前が書かれたネームカード。
今回の座談会も、ものづくりに込めた「無印良品」のあつい開発熱が伝わる会となりました!
クラシコム(二本柳):
実は今回の座談会にあたって、事前にわたしたち4人のなかでも「無印良品」のレトルトカレー大試食会を実施したんです。
みなさんにお話を聞く前に、しっかりと味を記憶しておきたくて。
これまでももちろん自宅で食べたことはあったのですが、改めてじっくりと味わいました。「無印良品」のレトルトカレー、本当においしいですよね。
良品計画(橋本さん):
そう言っていただけると嬉しいです!
わたしたち、レトルトカレーを開発するときに、まずレトルトとしてでなく “料理” として入るんです。レストランで料理として提供されても違和感なく「おいしい」と思えるもの。
レトルトというジャンルであることや、予算といった制限は一旦ゼロにして、わたしたちが目指したい理想をとことん追求するところから始めます。
“料理” としておいしいカレーを目指す。そのための調査対象は、海を越えてインドまで。
良品計画(前さん):
わたしたちが外で調査をするのも、やはり “料理” として提供されているレストランが対象。
たとえば最近ですと定番人気のバターチキンカレーをさらにおいしく改良しようという取り組みがはじまっていて。
そこでまず取りかかったのが、週2回のペースでバターチキンカレーの美味しい都内のお店10軒をめぐることでした。ナンはそこそこに、ひたすらカレーを食べ続けます。
クラシコム(二本柳):
週2回でカレーですか。好きでないとできない仕事ですね…。
良品計画(橋本さん):
そうかもしれないですね。わたしたちも元々カレー大好き!というわけではなかったのですが、担当になってからどんどんカレーが好きになってしまいました。
バターチキンカレーといってもお店によって味はまちまちで、それらを分析するのも楽しいんですよ。
そう言いながら橋本さんが出してくれたのは、自分たちが食べ歩いたバターチキンカレーの分析資料。
食べ歩いたカレー店を「辛い・甘い・こってり・さっぱり」の観点で評価し、そのなかで「無印良品」がどこにいるのかを分析したマップや、それぞれの味に対する感想が綿密に書かれた資料が並びます。
クラシコム(青木):
うわ〜… 緻密に分析していますね。僕、こういう分析マップは大好物なんですよ。
良品計画(橋本さん):
こうしてまずは都内のカレー屋巡りで舌と知識を鍛えるのですが、これはまだ準備段階。次は本場インドに向かいます…!
クラシコム(青木):
え、リニューアルひとつのためにインドにまで行くのですか!?
良品計画(橋本さん):
はい!インドではもちろん朝・昼・晩カレー三昧です。
ちなみに1日3食というわけにはいきません。毎食3軒まわるので、多い時は1日9食カレーを食べる日もあるんです。1~2軒は前菜としてのカレー、3軒目がメインとしてのカレー…といった具合に。
クラシコム(青木):
締めのカレーに迎えカレーですね(笑)
インドで食べ歩いたときの写真(写真提供:「良品計画」)
良品計画(前さん):
カレーって食べれば食べるほど好きになっていくんです。奥が深くて。
だからお腹の強い私たちは毎回たのしんでいますが、帰国した部長が誰よりもつかれきっているということも多いですね(笑)
クラシコム(佐藤):
1回の食事で3軒まわるんですものね。わたしたちだったらついていけるかどうか…。そんな食べ歩きの話を聞いているだけでも、みなさんのカレー愛が伝わってきます。
現地のバターチキンカレーを食べ歩いた末に行きついた、「無印良品」らしいカレー。
インドで食べ歩いたときの写真(写真提供:「良品計画」)
クラシコム(佐藤):
実際にインドへ行ってみて得られた気付きもありましたか?
良品計画(橋本さん):
1番は、日本人である私たちが思っている甘くてこってりしたバターチキンカレーがインドにはなかなか無いということでした。
ルーがとてもサラサラしていたり、想像以上に辛かったり。「これがバターチキンカレーっていうんだ?」というものが多かった。
さらには同じインドでも北と南ではカレーの種類がまったく違っていたり、ひとことに “バターチキンカレー” というのにはなかなか無理があるということが分かったんです。
日本でも地域によって味噌汁に使う味噌がちがっていたりしますよね。インドのカレーもそんなイメージです。
クラシコム(齋藤):
バターチキンカレーの調査のためにインドへ向かったのに、そうたくさん種類があると途方にくれてしまいますね…。
良品計画(前さん):
そうなんですよ。でも、そんな多種多様なバターチキンカレーを知ったからこそ「じゃあ、無印良品としてはどんなカレーを目指すのか?」を再確認する機会にもなりました。
出来る限り本場の味に近づけることがゴールなのではなくて、わたしたちが現地で感じた「おいしい!」という感動をどうやったらお客さまに伝えることができるのか?そんな率直なおいしさを実現することが、「無印良品」として目指すところだと。
だからスパイスはとても複雑に配合していたり、素材にもこだわっている一方で、 “本場感” ということは全面的に打ち出していなくて。
それよりも単純に「このカレー、なんだかすごくおいしいな」と思っていただけたらいいなと考えているんです。
さらなる美味しさを目指してリニューアルしたバターチキンカレーは、来年2016年の春頃に発売予定とのこと。
都内のレストラン巡りやインドでの怒濤な食べ比べ…。その先にある「無印良品」としての味とは、いったいどんなものなのか?発売が今からたのしみですね!
イチ生活者としての目線を忘れないからこそ、お客さまと一緒の立場で「これ、おいしいね」と言い合える。
クラシコム(二本柳):
ここまでの話を聞いていると忘れてしまいそうになりますが、「無印良品」は食品メーカーではないんですよね。
世に出回っているレトルトカレーの多くが食品メーカーによって作られている一方で、「無印良品」がオリジナルのレトルトカレーをつくる価値はどんなところにあると思いますか?
良品計画(見市さん):
そうですね。わたしたちが食を専門としていないところに「無印良品」としての価値があると思います。
食品をあくまでイチ生活者の目線でとらえているからこそ、たとえば「カレーには○○というスパイスを入れないと」という先入観がない。お客さまとフラットな立場で「これ、おいしいね」と言い合えるものづくりができると信じてます。
だからわたしたちの中では「素人であれ」という会話がよく生まれているくらいなんです。
クラシコム(青木):
「素人であれ」ですか。逆転の発想ですね。
良品計画(見市さん):
再現したい味のイメージは、わたしたち「無印良品」の担当者がお客さまと同じ立場になって決めていきます。
でもたとえばインドで食べたときに感動した味や素材の正体。それが一体どうやったら実現できるのか?それは食のプロでないと分からない部分ですよね。だからその段階になると、プロの食品メーカーさんに力を借りているんです。
わたしたちが率直に感動したおいしさを実現するためのノウハウをプロに導いてもらうというようなイメージですね。
自分が「作りたいな、食べたいな」と思ったものを手軽に実現できないか?そこから生まれる商品開発。
クラシコム(佐藤):
ところで、「無印良品」の食品ラインナップがものすごく豊富なことにも改めて驚いているのですが、どうやってメニューを決めていくのでしょう?
どれも「ああ!これ欲しかった〜!」というツボをおさえている商品ばかりなんです。
良品計画(橋本さん):
それも私たちがイチ生活者として暮らしているなかで「こんなものを家で作りたい」と思ったものがベースになっています。
たとえば、炒めご飯の「ナシゴレン」という商品があって。
クラシコム(齋藤):
あ、それ作ったことあります。おいしいですよね!
良品計画(橋本さん):
ナシゴレンはインドネシアを代表するメニューで、外食でもよく見かけますよね。わたし自身もよく外で食べていて、いつも「おいしいな」と思っていたんです。
でも、家で作ろうと思ってもレシピがわからない。さらに材料を買ったところで、きっと余ってしまうだろうな…という考えがよぎると、なかなか作るハードルが上がりますよね。
そんな風に自分たちが「作りたいな、食べたいな」と思ったものを手軽に実現できないか…というところからメニューの選定がはじまることもあります。
クラシコム(佐藤):
自分だったらこんなものを食べたい、という個人の感想に対してとても素直なんですね。そんなところも「無印良品」らしいお話だなと思います。
実は、前回の座談会で「壁に付けられる家具」のお話を伺ったときも、開発者の方が実際に生活をしているなかで感じている課題や感想を素直にものづくりに活かしていることが印象的だったんです。
クラシコム(二本柳):
自分たちが本当にほしいと思うものをつくる。
そういう当たり前のようで、でもものづくりの当事者でいるとついつい見失いがちな部分を、開発者であるみなさんがしっかりと持っていますよね。
だからこそ「無印良品」のつくる食品がまっすぐに私たちへ届くのかもしれないです。
(つづく)
本日の座談会で登場した商品。
1. 素材を生かしたカレー バターチキン 350円(税込)
2. 素材を生かしたカレー グリーン 300円(税込)
▼「無印良品」のレトルトカレー全14種類(2015年9月現在)は、こちらからご覧いただけます。
(聞き手・文:スタッフ二本柳、撮影:平本泰淳)
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