【BRAND NOTE・minne編】第1話:大人だって「夢」を持ちたい。そこから生まれたハンドメイドの魅力。
Webで体験できるハンドメイドマーケット、minne( ミンネ)は自分でつくったこだわりのアイテムを、通販で販売することができるサービスです。前回に引き続きminneのBRAND NOTE第二弾では、ミンネで夢を追う作家さんたちを支える場に迫ります。第1話ではハンドメイド大賞で出会った人気作家さんたちにインタビューしました。
編集スタッフ 二本柳
本日お届けする「ハンドメイド大賞」ゲスト審査員の篠原ともえさん。
『minne』の連載、第2弾。
ハンドメイドの現場に密着しました。
「今は子育ての合間に作っている程度。でも子供がもっと大きくなったら、作品作りを本業にしてみたいんです」
「好きを仕事にできたら… それって最高ですよね」
「サラリーマンを卒業した後に自分の店を開く。それが今の僕の夢です」
これは、アプリとウェブで体験できるハンドメイドマーケット『minne(ミンネ)』に作品を出展している、全国の作家さんたちからお聞きした言葉の一部です。
前回2月にお届けしたBRAND NOTE『minne』編。
思いがけずたくさんの嬉しい反響を頂くことができ、今後も視点を変えながら連載をお送りできることになりました。
そんなわけで、本日から突入する連載・第2弾。今回の取材では『minne』で活躍するたくさんの作家さんたちと直接お話をする機会にめぐまれました。
私たちがそこで出会ったのは、冒頭のコメントからも想像できるように、皆、気持ちの良いエネルギーに溢れている人ばかり。
“これから” に向けた意気込みや夢を語ってくれたのでした。
良いエネルギーに溢れているのは何故?その理由は “リアルの交流” にあった。
それにしても『minne』に集まる作家さんたちが、これほど気持ちの良いエネルギーを感じさせるのは何故だったのでしょう?
その理由のひとつに、どうやら “リアルの交流” があるようでした。
『minne』は株式会社GMOペパボが運営する、インターネット上のサービス。でもその一方で、作家さん本人が出展をして買い手と交流できる屋外マーケットや、新しい技術を習得するワークショップ、値段のつけ方や写真の撮り方を学ぶ勉強会など、とても沢山のリアルの場が用意されているのです。
そういった数々の “リアルの交流” が、普段はひとり黙々と作品に向かう作家さんたちの考え方を広げたり、人と出会う機会になったり。
モチベーションを維持しながら、生き生きと制作を続けるための後押しとなっていました。
連載第2弾となるこの3日間では、そんなリアルの場にわたしたちクラシコムが潜入し、作家さんの目線から『minne』を追いかけてみることにしました。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
作家人生を変えるかも?
ハンドメイド大賞の授賞式に潜入!
第1話でレポートする “リアルの交流” は、今年で第2回を迎える「ハンドメイド大賞」です。
『minne』にとって1年の集大成となる「ハンドメイド大賞」は、なんと2万点を超える応募作品のなかから大賞やその他4つの賞が選ばれるという一大イベント。
たとえば昨年2015年の大賞を受賞したtrikotriさんは、その後手芸本を出版をするなど、作家さんたちの次なるステップアップを後押しする場にもなっています。
そんな受賞作品を選ぶのは、『minne』スタッフをはじめ、ゲスト審査員の5名。
98点にまで絞られたエントリー作品をひとつひとつ手に取りながら、真剣に審査は進み、各賞が選ばれていきました。
左から、長崎県波佐見焼のブランド「HASAMI」ブランドマネージャーの馬場匡平さん、「日本百貨店」で知られる株式会社コンタン代表取締役の鈴木正晴さん、タレントの篠原ともえさん、株式会社スマイルズ代表の遠山正道さん。また、『装苑』編集長の児島幹規さんもゲスト審査員のひとりです。
厳正な審査を経て選ばれた受賞作品が発表されたのは、その約1ヶ月後。
授賞式会場となった東京・表参道の「スパイラルホール」には、北は北海道から南は鹿児島まで……全国の作家さんたちが続々と集まっていました。
これまでイベントを裏側でサポートしてきた『minne』の皆さんもドレスアップをして、作家さんたちを出迎えます。
そしてこの日、大賞の発表を待ちわびていた人たちは、作り手や『minne』の関係者だけではありませんでした。その中には、ハンドメイドの枠にとらわれない各界から招かれた審査員や、テレビ局などを含めたメディア陣の姿も。
この事実は、ハンドメイドというジャンルがこれまで以上に幅広い人たちから注目を集め、価値を高めていることを物語っているかのようでした。
『minne』を立ち上げた阿部雅幸さん(阿部さんとハンドメイドのつながりはコチラからご覧頂けます)も、その様子を嬉しそうに見守ります。
イベント開始前、最終ミーティング中の阿部さん(中央)と事業部の皆さん。ハンドメイド大賞の企画から運営まで一貫して担っている。
授賞式の前、「こうしたイベントが作家さんたちのモチベーションを上げ、良い作品を生むための背中を押す機会になればうれしいです」と話していた阿部さん。
その想いはきっと、この場に集まっていた全ての作家さんに伝わっていたはずです。
その証拠に、これからご紹介する受賞作家さんをはじめ、この日わたしたちが話を伺った方々は100%、「ハンドメイドをやってきて良かった!」という喜びを語ってくれたのでした。
(授賞式当日の詳しいレポートは、『minne』の公式ホームページからもご覧いただけます)
2児の母からサラリーマンまで…
4人の受賞作家さんに話を伺いました。
授賞式のあとに開催されたのは、懇親会をかねたレセプションパーティー。
そこでは大勢の作家さんたちが、同じハンドメイドを愛する者どうし、驚くほどあっという間に打ち解けていました。
そんななか私たちはというと、気になっていた受賞作家さんをインタビューすることに。2児のママ作家さんから、普段はサラリーマンという男性作家さんまで… 様々な立場にある皆さんのお話がとても面白かったので、こちらでご紹介したいと思います。
特別賞
「小窓でつながる木製おままごとキッチン」
通常はキッチンで遊ぶだけのおままごとに、小窓をつけることでお店屋さんとして遊ぶことができる、双方向につながるアイディアが評価された。
幼少期、無性にドキドキした「小窓」の存在。その記憶は「母」になった今も忘れられなかった。
数ある受賞作品のなか、特に私たちが気になったのがこちらのおままごとキッチンです。
あたたかみのある木の風合いはもちろん、キッチンに “小窓” をつけることで、その裏側ではお店屋さんとして遊ぶことができる仕組みとなっています。
作ったのは4歳の息子と6歳の娘を育てる2児の母、KaPさん。作業療法士という仕事をするKaPさんは、これまでもリハビリの一環として木工や革細工の授業を担当したこともあり、木工作業についての基礎知識を身につけていました。
そしてご自身の娘が生まれたときに思い立ったのが、「おままごとキッチンを作ってあげたい」ということ。
KaPさん:
「昔、祖父の家に小さな部屋と部屋をつなぐ小窓があったんです。
子供の頃のわたしは、それが無性に気になって気になって、仕方ありませんでした。ヒミツの窓、みたいなものに惹かれていたんですね。
だから大人になって初めて作った木工作品も、やっぱり小窓。そしたら子供がパタパタと開けたり閉めたり。私とまったく同じように遊んでいるから可笑しくなってしまいました。
今回のおままごとキッチンは、そんな自分が子供だった頃のワクワクがアイデアの源となっています」
ご自身の子供時代の記憶をもとにアイデアを広げるKaPさんのものづくり。今後は、子供が一生ずっと使えて、もしかしたら孫にまで伝わるような世代を超える作品を作りたいと話してくれました。
審査員特別賞
「オールパッチワーク革靴」
ソールやインソールまで、よい意味の“しつこさ”がある作品。手間をかけることを楽しむという、ハンドメイド本来のものづくりが評価された。
リーマンショックを機に大好きだった靴の世界へ。定年後にお店を持つことが今の夢。
ファッション雑誌『装苑』の編集長に選ばれた革靴がこちら。90年代に大ブームとなった『NIKE エアマックス』をはじめ、スニーカーブームの波が到来した時代に思春期を送った、ガロチャさんの作品です。
昔からファッション、特に「靴」が大好き。「定年後は靴屋を開くのが夢です」と語ってくれました。
この日もグリーンのシャツに蝶ネクタイという、おしゃれな服装で登場したガロチャさんですが、ハンドメイドを始めた頃の職業は意外にもトラックの長距離運転手だったそうです。
ガロチャさん:
「初めて革小物を作ったのは14、5年前。欲しい財布があって、それを真似て作ってみたのがきっかけでした。材料屋の店主が気のいい人で、色々と教えてくれたんですよ。
でも元々はやっぱり靴が好きなので、いつか靴が作れたら…という想いはありました。
そこで奇しくも直面したのがリーマンショック。当時はトラックの長距離運転手をしていたのですが、仕事は激減しましたね」
結果的に暇な時間ができたガロチャさんは、なんとその状況を生かして「いよいよ靴を作ってみよう」と週1回で靴作りを学ぶことに。その2〜3年後、思い切って運転手を辞め、修行がてら靴の修理屋に就職しました。
「修理屋では3年ほど働きました。どっぷり靴の世界に浸かることができて充実していましたが、固定給ではなかったので、家族のためにも食品メーカーの営業に転職しました。今は仕事の合間を使いながらの靴作りです。
だから今回こうして賞をいただき、『装苑』のページに自分の作った靴を掲載していただけるなんて… にわかに信じがたいんです。
定年まではこれまで通りサラリーマンをやりながらコツコツと靴を作り続けて、定年後に自分の店を持てたらいいな、と。今はそれが人生の目標になりました」
審査員特別賞
「mola刺繍 家族の樹」
運針の運びひとつひとつに愛情が集まっている作品。自身も祖母がお針子だったという篠原ともえさんによって審査員特別賞に選ばれた。
60年ずっと続けてきた趣味の世界。まさか世に出すことになるなんて・・・
篠原ともえさんに選ばれたのは、娘の結婚祝いにと作られた刺繍のタペストリー。1年ほどかけて、ひと針ひと針すべて手縫いで作られたそうです。
そして、なんとこちらを作ったのは今年で72歳を迎えるというMOLA yasuyoさん。
いかにもこれから羽ばたいていくといった鳥の姿や、春らしい絵柄はハレの日にぴったり。MOLA yasuyoさんも「今自分で見ても『すてきだな』って思うのよ」と嬉しそうでした。
右側に写っているのが娘さん。とっても仲の良い親子でした。
MOLA yasuyoさん:
「手縫いはかれこれ50、60年くらいずっと続けているんじゃないかしら。糸と針を持つことが大好きなものだから、これまでもお雛様やサンタクロース… 季節にちなんだものを娘に手作りしてプレゼントしてきました。
そうしたら娘が『これは世に出さないともったいない!』と言って。彼女がもともと利用していた『minne』に応募してくれたんです。
まさかこうして世に出す日がくるなんて、驚いていますよ」
そんな『minne』とのつながりを作ってくれた娘さんと仲良く寄り添って、MOLA yasuyoさんはこの日のパーティーを楽しんでおられました。
大賞
「Panty Minaj《L》feat…JAPANESE」
革のカッティングの質の高さ、細部の仕上げや素材選びのこだわりなど、独自の制作方法を編み出していると部分が高く評価された。
夜中の教室でひたすら絵を描く小学時代。ある恩師との出会いが、ものづくりの転機となった。
最後にご紹介したいのは、今年の大賞作品です。作り手は、幼少の頃から『つくってあそぼ』のワクワクさんを楽しみにしていたという、生粋の工作好き440(ヨシオ)さん27歳。
「子供の頃はあまり勉強は好きでなかったけれど、絵には自信があったんです」と話す440さんの “得意” にいちはやく目をつけたのは小学校の担任の先生でした。
そしてその恩師の存在が、その後の440さんの生き方を決めるひとつのターニングポイントとなります。
440さん:
「今でも忘れられないのが、ある日その恩師からこんなことを言われたんです。
『県展に出すから、お前はずっと絵を描いていろ』と。
放課後、サッカーの練習が終わった後なのでもう学校は真っ暗。そんな中、夜な夜な絵を描かされたんですね。
1番端の教室だったから廊下を見ると奥まで長〜く続いて。シンと静まり返ってるわけです。その頃、『学校の怪談』なんかが流行っていた時だったので、水道まで筆を洗いに行くのだってドキドキ。それはそれは怖かったですよ(笑) キョロキョロ周りを心配しながら教室の隅っこで描いてましたね」
今の時代ではちょっと考えられないような、大人ですら背筋が凍りそうな子供時代の経験。でもそれは、その後の440さんに、ある決意を抱かせました。
「その頃から、自分は何かを作って生きていこう!という想いを持つようになったんです。今は革を扱う仕事をはじめて3、4年。革に慣れるのに時間がかかったので、これからもっと精力的に作品を作っていきたいですね」
440さんの作品は、ユニークなデザインはもちろん、非常に精巧な技術面が高く評価されたのだそうです。そんな、目に見えにくい部分までしっかりと作られた今回の受賞作品の背景には、少年時代から培われてきたものづくりへの情熱がありました。
リアルの場がもたらしたのは、大人が「夢」を持つための自信。
ハンドメイドという共通項で集まった全国の作家さんたちや、審査員の方々、そして『minne』事業部の皆さんを見ていて印象的だったこと。
それは、作り手としての誇りをもった人たちの目がとてもキラキラとして、会場全体に気持ちのいい空気が流れていたことでした。
ある人は周囲の志の高さに刺激を受け、ある人は同じ “母業との両立” という課題を持つ人から勇気づけられ…。
『minne』の提供する “リアルの交流” が、ここに集まる人たちの自信や支えとなり、胸の内の「夢」をはっきりと言葉に表現できている。そんな清々しさがありました。
『minne』に並ぶ作品が、いつ訪れても私たちのお買い物欲を掻き立てるのは、こうして作家さんたちがやり甲斐や夢を持って制作活動をつづけているからなのかもしれない。と、納得の取材となりました。
次回は、1児の母であり作家さんにとっての良き理解者、和田真歩さんのいるアトリエへお邪魔します。
パーティーが続くなか、作家さんたちがこぞって声をかけにいく一人の女性の姿がありました。
『minne』スタッフのひとり、和田真歩(わだ まお)さんです。
明日公開の第2話では、もうひとつ “リアルの交流” の場として注目したい、東京都世田谷に佇む「アトリエ」と、その運営者である真歩さんを取材します。
インターネット上のサービスでありながら、何故『minne』はアトリエという場を作ったのでしょう。そして、そこで働く和田さんがハンドメイドを好きになったルーツやきっかけをお聞きしました。
(つづく)
▼『minne』がピックアップする注目作品はこちらからご覧いただけます。
(撮影:鍵岡龍門)
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