【44歳のじゆう帖】40代の「女らしさ」について考えてみる
大人の女性がふと持ってしまう罪悪感や疑問について。ビューティライターのAYANAさんが綴るエッセイです。
ビューティライターAYANA
「女の子らしさ」から遠く離れて生きてきた
これまでの人生、女の子らしさみたいなものとは割と無関係に生きてきたような気がします。
フリル、ヒール、ドレス、ゆるふわニット、パールピンクに光った携帯電話(ガラケー)、ラインストーンのハート型アクセサリー、可愛いカクテル。合コンとか。モテとか。
嫌いとかじゃなく、縁のないものと思っていました。可愛くもない私には、それらを纏う資格が到底ないと。
幼い頃から、物語の主人公のアイドルっぽい女の子より、クールなライバル的女子に憧れる傾向にありました。
中学生のときにバンドブームが起きて「女の子もカッコよくていいんだ」と思ってからというもの、みるみる音楽やファッション、カルチャーにのめり込み、ひたすら自分のアイデンティティ形成(いわゆる「自分モテ」)に忙しかったのです。
自分の外見が可愛くないということに割と早くからコンプレックスを持っていましたが、自分モテを追求することをその免罪符にしていた気がします。
そんな感じで斜に構え、誰からも好かれずひとりで生きて30歳には死ぬ、と思っていた若かりし頃の私ですが、なんと2度結婚、のみならず離婚もしつつ、44歳になっても元気に生きております。
そして歳を重ねるほどに、生への執着は強まり、可愛いは自分次第でどうにでもなるという事実を噛み締めるのです。
ああ、タイムマシンがあったなら、若い頃の私に言いたいなぁ。あなたは可愛いよ、もしあなたが望むのならって。
40代だからできる可愛い表情
一般常識に傷つくことってありますよね。
私で言うと、33で離婚したときや35で会社員を辞めたとき、その歳でイチからやり直すの?みたいな辛辣なご意見を頂戴した記憶があります。まあ普通に傷つきましたよそのときは。
でも今思うとやっぱり、全然気にすることなかったなぁと思います。
たとえば「もう若くない」って言葉。それ、20代のころから言ってません?という話で、年齢の概念って自分次第なんですよね正味な話。
自分のアイデンティティばかり追求してきた私ですが、むしろこれからは、これまであまり通っていない「女らしさ」にフォーカスして生きていこうかなと思っています、逆に。
女らしさとはすなわち「かわいげ」であるのかな、と思います。
グレーゾーンを受け入れる包容力であったり、自分を出して甘えられる素直さであったり、1日1日を大切に愛おしく生きる感覚であったり。一通り生きて傷ついて笑って泣いて積み上げてきた40代の今だから、作れる笑顔もあるというか。
自分で正解を決められるのが、大人の女性のおもしろさ
今の時代、女性ってすごく自由だなと思うんです。
私の母(60代後半)世代においては、女性は専業主婦がほとんどで、女とはかくあるべき、みたいな風潮が今よりも多々あったでしょうし、さらにその前の世代はもっと大変だったのではと想像します。
今は仕事をしてもしなくても、結婚してもしなくても、子どもを産んでも産まなくても、どの道を選んでもひとしくその人の価値が発揮できる良い時代だなぁ、と思います。男女とも(いい意味で)にこれまでの生き方では通用しなくなっている。
ただ、自由っていうのも意外としんどい。好きにしていい、というのは全部自分で決めなければいけないという意味なので、ルールを守って安全運転してれば安泰という世界ではないんですよね。
正解がない、というよりも自分の正解を自分で決めていい。これは地味に大変なことだと思います。
前時代の偏見だってまだまだあるかもしれない。とはいえ、可能性が広がっていて、それは先人たちが努力してくれたおかげなんですよね。
私も、これからを生きる女性たちに「大人の女性、悪くないよ」って胸を張って言えるような、しなやかな生き方をしていきたいなぁ、と思うのです。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
▼44歳のじゆう帖
▼AYANAさんがスタッフの悩み相談に応える連載「メイク迷子のための往復書簡」
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