【あの人が着るデニム】インディゴ編: 徳田民子さんに聞く、デニムを「自分らしく」着こなすコツ
編集スタッフ 奥村
デニムは永遠の定番アイテム。
そう思っていましたが、年齢が上がるにつれ、昔と同じように履いていると違和感を抱くようになってきました。
ラフになりすぎず、ほどよく上品に。気の抜けた印象ではなく、ちゃんと「おしゃれ」に、大好きなデニムをいつまでも自分らしく楽しみたい。
お話を聞きに行ったのは、徳田民子(とくだ たみこ)さん。雑誌『装苑』などの編集長を経て、現在は長野・安曇野暮らし。
フリーのファッションコーディネーターとして活躍し、これまで当店のインタビューや動画記事でも、カジュアルでありつつ垢抜けた着こなしを見せてくださっています。
▲今回着用して頂いた「オリジナルワイドデニム」インディゴ(左)とブルー(右)
そんな彼女に着てみていただいたのは、当店オリジナルの「ワイドデニム」。上質な素材と絶妙なシルエットにこだわり、365日頼れる大人の定番服として、発売以来長く愛されているロングセラーアイテムです。
今回はこのデニム使って、徳田さんが私服でコーディネート。歳を重ねてもデニムを素敵に着こなすコツを教えていただきました。
(この記事は2022年2月に制作し、以降公開しております。改めてこのタイミングで多くの方にお読みいただければ嬉しいです。)
今の自分に似合う、デニムの着こなし方は?
昔から、カジュアルな着こなしが好みだという徳田さん。デニムもずっと変わらず着続けているアイテムです。
徳田さん:
「昔はデニムといえば、動きやすさ重視の服でした。でも、今ではすっかりおしゃれ着のひとつになりましたよね。
このワイドデニムも、インタックのデザインやウォッシュ加工で気が利いていて、日常着ではありつつも、カジュアルからきちんとした装いまで色々な着回しができそうです。
けれど若い頃に比べると、体型や見た目の変化から “ただ着るだけ” でおしゃれに見せるのは難しくなるもの。いくつかのポイントを意識することが、ナチュラルに着こなす秘訣だと思っています」
徳田さんの言う「着こなしのポイント」とは? 実際の私服コーディネートを拝見しながら伺っていきます。
徳田さんが着こなす
当店のオリジナルデニム(インディゴ編)
ラフなニットには、小物で上品さをプラス
差し色のブルーで印象を明るく
徳田さん:
「私は(2色のうち)インディゴが特に好みでした。落ち着いた配色だからカジュアルな印象になりすぎないですし、引き締め色なので、ゆったりしたシルエットながら、すっきり見えるところもお気に入りです。
今回合わせたのはグレーのニットで、着丈はあえて短めにしたのがポイント。身長155cmと小柄な私には、この方がワイドシルエットのデニムもきれいに着こなせます。
ニット+デニムだけではラフになりがちなので、レザーのポシェットやグレーの帽子など、落ち着いた色の小物で上品さをプラスしました」
▲レザーポシェットは『agnes b』
▲ブルーのフラットシューズは『Clarks』
徳田さん:
「コーディネートに使う色は、3色までにするのがマイルールです。そうすると、自然とまとまった印象になります。
今回はグレーとインディゴをベースにしつつ、それだけでは地味になってしまうので、足元に爽やかなブルーの靴下とフラットシューズをプラスしました。
帽子につけた缶バッヂも、スニーカーと同じブルーに。差し色が加わるだけでメリハリが生まれて、シンプルなコーディネートもぐっと印象的になります」
▲フェルト素材のハットは『mature ha.』
ワントーンコーデに、柄物で楽しさをプラス
アウターはシルエット選びがポイント
徳田さん:
「シックな印象のインディゴデニムは、ネイビーのトップスや小物でまとめたワントーンコーデも素敵です。
落ち着いた印象になりがちなので、ストライプのシャツ+水玉のスカーフで柄を足して、パッと目を引く楽しい装いを意識しました」
▲ネイビーのダウンは10年以上前に購入した『ユニクロ × Jil Sander』コラボ
徳田さん:
「冬物のアウターは、ワイドデニムに合わせるならできるだけすっきりしたシルエットを選ぶのがポイント。
このダウンはウエスト周りがキュッとすぼまったデザイン。ウエストマークされるので上半身がすっきりして、重たく見えません」
徳田さん:
「トップスは襟付きのシャツを選んで、ラフになりすぎないように。落ち着いた印象のインディゴデニムは、きちんとしたデザインの服も合わせやすいので着回しが広がります」
春は明るい色を合わせて。
カーディガンは “中間留め” で、こなれ感アップ
徳田さん:
「赤やピンクなど、気分を上げてくれる春らしい色合いも、インディゴデニムとなら、甘い印象にならず着られます」
▲ベレー帽は『BEAMS』
徳田さん:
「デニムと色味を合わせたネイビーのベレー帽は、一度水洗いして頭の形になじませました。こうすることで、よりナチュラルな雰囲気で被れるようになりました」
▲ピンクのカーディガンは『無印良品』、ギンガムチェックのブラウスは『NATURAL RAUNDRY』
徳田さん:
「カーディガンは一番下のボタンを開けて着ると、こなれた印象になります。ブラウスのギンガムチェックを見せたくて、今回は上部のボタンも開けました。
真ん中だけを留めると、上半身がコンパクトに見え、ゆったりしたワイドデニムとのバランスもよくなります」
大人のデニムコーデに大切なのは「メリハリ」
ボトムスがワイドシルエットなら、上半身はコンパクトにまとめたり。全体の色味のトーンを合わせつつ、パッと目を引く差し色や柄ものを取り入れたり。
カジュアルなアイテムは、それ単体ではどうしてもシンプルになりがち。だからこそ徳田さんがコーディネートで意識されているのは、そんな「メリハリ」作りだといいます。
中でも、メリハリを手軽にプラスするアイテムとして、徳田さんが定番にしているのは「ボーダートップス」。デニムと同じく、昔から愛用し続けているアイテムです。
▲左上から時計回りに『agnes b」『ORCIVAL』『無印良品』『Saint James』
徳田さん:
「ボーダーを選ぶ時は、デニムと色のトーンを合わせるようにしています。今回のインディゴデニムなら、左上のブルー×青や、左下のネイビー×白を選ぶとまとまりが良いです。
反対に明るいブルーのデニムを履く時は、右上のベージュ×ネイビーや、右下のベージュ×白。柔らかい配色の方が相性が良いですよ」
▲左上から時計回りに『Champion』『converse』『agnes b』『VANS』
徳田さん:
「足元にメリハリを持ってくるのも、このワイドデニムにはおすすめ。
身長155cmの私はMサイズを履いていますが、ちょうど靴がデニムの裾からちらりと覗く丈感。なので足元に目がいく要素を取り入れると、素敵なアクセントになるんです。
華やかな色や柄もの、ちょっと無骨なシルエットなど、見た目に存在感のある靴を選んでみてはいかがでしょうか」
歳を重ねた今だからこそ “メリハリのある、歯切れのいい着こなしをしていたい ”と話す徳田さん。
その工夫が、彼女の装いをおしゃれに見せる秘訣なのだと知りました。
続く後編では、当店ワイドデニムのもう1色「ブルー」を使った私服コーディネートを拝見しながら、徳田さんの考えるカジュアルなおしゃれの楽しみ方を伺います。
今回徳田さんに着て頂いた
オリジナル「ワイドデニム」はこちらから
【写真】神ノ川智早
もくじ
1945年生まれ。『装苑』(文化出版局)などの雑誌編集長を務め、退職後は長野県安曇野市に住まいを移し、フリーのファッションコーディネーターに。著書に『安曇野便りの心地いい家しごと』(主婦の友社)、『徳田民子さんのファッションルール』(宝島社)がある。
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