【時間を味方に】第2話:締め切りぎりぎりまで動けません。優先順位を上手につけるコツって?
編集スタッフ 岡本
仕事に家事にあれこれ動いて、ふと時計を見るともう夕方。あっという間に過ぎていく毎日のなかで、時間に振り回されているのでは……と感じることがたびたびあります。
もう少し時間に寛容になれたなら、必要以上に焦ったり小さな罪悪感を覚えたりしないでいられるのかもしれません。
そんな時間のもやもやについて、全3話でお届けしているこの特集。時間を自分らしく使いこなすためのヒントについてご紹介した第1話に続いて、第2話ではスタッフアンケートで集まったお悩みを、ライフオーガナイザーの鈴木尚子さんに相談してみました。
スタッフに聞きました。
時間にまつわる、もやもや相談室
Q.やるべきこと、やりたいことの
優先順位のつけ方に悩みます……
スタッフ 中居
「やりたいことも、やらなきゃいけないこともあるなかで、優先順位のつけ方に迷います。締め切りぎりぎりまで腰が重くて動けないこともあるので、取捨選択の心がけ方も知りたいです」
A.一日の自分を4つの時間に分けてみて。大切にしたいこと、見直すべきことが見えてくるはずです。
鈴木さん:
「限られた時間のなかで、家事などのやらなきゃいけないことも進めたい、でもやりたいこともあるのに、という気持ちすごく分かります。
まずは普段どんなことに時間を使っているか、整理してみるといいかもしれません。一日の自分の動きをざっと書き出して、それぞれの時間を1)投資や貯蓄 2)消費 3)経費 4)浪費の4つに分けてみるんです。
投資や貯蓄は、趣味や習い事、体のケアなど、自分の成長やリラックスに繋がっている時間ですね。自ら『やりたい』と感じて行動していることがここに当てはまるので、家族とのコミュニケーションなどもここに含められるかなと思います。
消費は、料理や睡眠、入浴など暮らす上で欠かすことができない時間。削ることができないとはいえ、意外と効率よくできる場合もあるので、どれくらいの時間がかかっているのか把握してみてもいいかもしれません」
鈴木さん:
「経費は、必要だと思い込んでいるけれど、やらねばという思いから費やしていることも多い時間です。ママ友とのランチ会や井戸端会議、無理して続けている家事など。例えば、毎日掃除機をかけているけれど、それがすごく大変だと感じているならば、二日に一度にしてもいいかもしれないですよね。当たり前に続けている習慣が今の暮らしには合っていない場合もあるので、どこかのタイミングで見直したい部分です。
浪費は、長電話やネットサーフィン、惰性で見ているテレビ番組など。意識しないと増える一方なのがこの時間です。
ただそれぞれの時間の意味づけは、人によって全く異なります。
ネットサーフィンと一言で言っても、その時間が息抜きだったり情報収集として役に立っているのであれば、それは投資の時間になるからです。自分の場合はどうなのかよく考えて振り分けるのがとっても大事。
一日を整理して振り分けたら、一番見直したいのは浪費の時間ですね。どうしたら減らせるか、そうして生まれた時間をどう使いたいのか、考えるだけでも自分らしい時間の使い方にぐっと近付くと思います」
Q.時間はなくても、気持ちに余裕をつくるには?
スタッフ 高尾
「8歳、7歳、4歳の子どもを育てています。さらに仕事も家事もとなると、物理的な時間の余裕はほぼありません。
時間のゆとりがないのは仕方ないと思いつつも、心のゆとりはもう少しほしいなと思います。気持ちに余裕をうむ方法はありますか?」
A.30秒目を瞑って、情報をシャットアウト。頭に空洞を作ることで、気持ちにもゆとりが生まれます。
鈴木さん:
「子どもが小さいうちは親がサポートする場面が多かったり、目が離せなかったり本当に大変な時期ですよね。私自身も子どもが生まれたことで暮らしが一変し、時間を見直すきっかけになったのを覚えています。
とにかく自分のための時間を作れないなかでできることがあるとしたら、瞑想はどうでしょうか。30秒から1分くらい目を閉じるだけでも大丈夫です。
目からの情報を遮断して頭の中に浮かんでいるゴミを取り払うイメージすることで頭と心に空洞が生まれて、時間がなくて焦ってしまいそうな時も、一旦クールダウンできますよ。
あとは、忙しい時はだいたい交感神経が高ぶっていることが多いので、脳に作用しやすい嗅覚をうまく使うといいかもしれません。私はお気に入りのお香を一本立てて、その煙をただ見つめるというのをたまにやっています。
その時間だけは何も考えずに頭をリセット。時間に飲まれずにいるための小さな工夫ですね」
鈴木さん:
「一度考えたいのは、猫の手も借りたいほど忙しい時期に、担っている役割全て自分がやるべきことなのかということ。もし掃除が苦手なら、一部だけでも訪問サービスの方にお願いしたり、お惣菜に頼る日を決めたりしても全く問題ないと思います。
気持ちの面や金銭面など、人によって状況は異なるので一概には言えませんが、外部サービスに頼るという方法も視野に入れて考えると、時間の使い方に変化が生まれることがありますよ」
スタッフから集まった切実なお悩みを見て、時間について考えることは自分の暮らしについて考えることなのだと、改めて感じました。
第3話でも引き続きスタッフのお悩み相談をお届けします。楽しみな気持ちをキープしたまま計画を立てるには? 食材の買い出しの効率アップ術など、お楽しみに。
(つづく)
【写真】鍵岡龍門
もくじ
鈴木 尚子
出産後、苦手だった片付けを克服したのち、2011年ライフオーガナイザー®︎として「SMART STORAGE!」を立ち上げる。整理収納事業と並行してアパレルでの経験を生かしたパーソナルスタイリストとしての活動や、片づけのプロの育成、子育ての失敗からの親子関係メソッド提供など幅広いサービスを展開。2022年には今までの経験を活かし起業をプログラム化した「BeProfessional」と、セルフケア講座「BEYOU」を開発。女性がもっと楽しく美しく暮らすための生き方デザインを伝えるLSCアカデミーの校長として、女性の起業・メンタル・片付けなど数々のスクールを開講。自分自身の半径5Mを幸せにすることができれば日本の幸福度はあがる、が信念。
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