【台所でおつかれさま】第3話:金曜日の夜は『ママ時間』。ひとりのキッチンで晩酌スタート(スタッフ中居)
編集スタッフ 糸井
台所ではどんな時間が流れているでしょうか。料理はもちろん、ちょっとエッセイを読んだりドラマを観たり、台所に椅子を置いて仕事をしたりする人もいるかもしれません。
違いはあれど、そこには、無意識のうちに自分をケアしたりデトックスしたりする習慣が隠れていることも。
その過ごし方は、自分の台所を持った日から紆余曲折を経て育ってきた賜物。そんな台所に立つ自分をちょっと俯瞰して見ると、日々大事にしていることが見えてくる気がしています。
この連載では、不定期でスタッフ宅にお邪魔し、「台所」にまつわるエピソードや、お気に入りのものをきいていきます。
今回訪ねたのは、スタッフ中居宅です。
#03
スタッフ中居の台所
一人暮らしを始めたときに手に入れた、自分だけのキッチン。その頃から台所の配置や道具の開拓を続けているといいます。
中居:
夫と結婚して二人暮らしを始めたときから10年、引っ越しや出産など試行錯誤を経て、やっと理想のかたちを見つけられてきた最近です。
台所は好き。だけど掃除は苦手だし、片付けは疲れます。できるだけ、お酒を飲みながらや、好きな韓国ドラマを観ながら作業を進めるようにしているんです。台所に立つ時間に、リラックスできることを兼ねられると嬉しくて。
『自分の部屋』になりうる場所を探して
中居:
いわゆる『自分の部屋』がない分、キッチンを自分の空間にしています。
ここだけは自分の好きなものを集めておけるから、お気に入りのものだらけ。とりわけ好きで集めているものが、器ですね。料理も好きだけど、できたおかずを器にのせるときが一番、ワクワクするんですよ。
だから既にたくさん持っていても、新しい器に出会うとつい惹かれて……。
▲キッチンの後ろに取り付けた棚は、一昨年新しく増えた収納場所。ここにも、お気に入りの台所道具を並べて。
中居:
器集めには、一人暮らしを始めた頃から夢中でした。実家にあった、母の集める食器はどちらかというと洋風で、自分とは趣味が異なるもの。いつかは自分の好きな器を……と密かに楽しみにしていたんです。
こうして並べてみると、どれも似たような形と色味ですね。形は、盛り付けがしやすい深さと縁があるものを。色は、食材の色が映える渋い色味に惹かれます。
▲器を買うのは、大体中目黒の『SML』というお店。大好きでずっと通い続けているそう。
金曜日の夜は、『ママ時間』だもんね
中居:
自分の空間が欲しくなることにも繋がりますが……ふいに籠もりたくなるときは今もあります。ひとりになることで取り戻せるエネルギーがあるのかな。そういう時間は意識して作るようにしてきたかもしれません。
たとえば、我が家は『金曜の21時からは、ママのお休みタイム 』というシステムがあります。
息子が4歳の頃からですかね、ひとりで寝られるようになったあたりから『ママもずっと動いていると疲れちゃうから、金曜日くらいは休みたいなぁ』と根気強く伝え続けていました。
今では息子も『そうだよね〜、ママも休みたいよね』と素直に思ってくれているからか、『今からはママ時間だよね! 』と、率先して寝室に向かってくれるようになってきました。笑
中居:
そんな金曜日の夜になにをするかというと……いつも決まったコースがあるんです。
季節のフルーツとチーズで作ったサラダを食べながら、ドラマを観ながら晩酌。その後に、じゃがりこを食べて、〆はハーゲンダッツ。他愛もないことですが、このルーティーンがすごく好きで、大体これを繰り返しています。
▲晩酌用のグラスセットも、お気に入りを集めて。
中居:
余裕があるときは、朝早く起きて、ひとりで散歩に出かける時間を作ることもあります。
最近は休日の日中数時間、息子と夫が習い事に出かけるので、その時間はひとりの時間を楽しんでいたり。
特別なことをするわけでもなく、台所に立ちながらお気に入りのポッドキャストを聴いたり、ただボーッとして過ごすだけで、充電できる気がしています。
▲ちょっとひとりになりたいときは、このように。台所の隅の小さな脚立に座り、カウンターに隠れてひとり時間を。
毎日続ける、キッチン習慣
①朝は、ミルクティーを煮出すことから。
中居:
朝起きたらキッチンに立って、ミルクティーを作るのは、長いこと続けている習慣です。結構、決まったことを続けるのが落ち着くんだと思います。
ごはんをしっかり食べると眠くなるので、糖分と牛乳を摂れるのも丁度良くて。鍋で茶葉を煮出している間は、ボーッと待っていたり、前日の器を片付けたり。
牛乳をたっぷりいれて、朝はこの一杯で幸せです。
▲使うのは、『VitaCraft』の片手鍋。牛乳と茶葉、きび砂糖、シナモンスティックを入れてしばし煮出す。ここにカルダモンを加えてチャイにすることも。
②ふきん一つで、整う時間を。
▲煮沸用に愛用している、野田琺瑯のポット
中居:
掃除が大の苦手なのですが……自分の機嫌を保つために、台所のなかで最低限目につくところだけは、ふきんで拭き上げるようにしています。
その時間は、なにも考えずに黙々と。キッチン全体をふきんで拭き上げたら、そのままふきんを煮沸して、排水溝を拭いて終了。最近家族に対して求め過ぎてたなぁとか、今、いっぱいいっぱいになってるなぁと気が付くことも。
家全体のことを整えるのは難しいけれど、家のどこか一箇所が整っていると、癒やしや拠り所になることが多くて。自分の精神も保たれるので、今の自分には最高のデトックス方法です。
▲台所を拭き上げるために欠かせない、長年の相棒。切らさないように必ずストックを。
▲器から鍋、シンクまで掃除をするのに欠かせないのが、ダスキンのスポンジなのだそう。
息子と一緒に台所の時間を楽しめたら
中居:
夫の帰りは遅いので、長らく晩ごはんは、息子とふたりで過ごしてきました。
食卓で息子が宿題をしている様子を、カウンターから眺め、私は音楽を聴きながらご飯をつくって。たまに一緒に歌を歌って過ごす日々です。
そんなごはんの時間を息子も好きになってくれたらいいなと、小さい頃から『今日食べた野菜はどれだったでしょう〜?』と振り返る時間を過ごすことも多かったですね。『今日なにが食べたい? 』とたまにリクエストを聞いてみたり。最近は味がどんどん分かってきているのかハードルが上がってきているのですが……。それも楽しい時間です。
こんな風に、息子との台所時間をつくっていけたらなと思います。
▲食材の話をするときに、一緒に眺めていた思い出の本。
そんな中居と台所の関係。みなさんは、どんな台所の時間を過ごしているのでしょう。
さて次は、どのスタッフの台所を訪れましょうか。次回の更新も、どうぞお楽しみに。
【写真】濱津和貴
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