【ほったらかしおかず】04:少なめルーが飽きないポイント。たっぷり白菜のチキンカレー
ライター 瀬谷薫子
煮込み料理は、秋の楽しみ。材料を入れて火にかけるだけで、手間暇かけずにおいしいおかずが作れたら嬉しいものです。
今回はそんな “ほったらかし” でできるメインのおかず4品を、料理家の今井真実さんに教わりました。
4品目はみんな大好きなカレー。今井さん流のポイントは、通常の半量のルーで仕上げること。重たくなく、野菜の味をしっかり感じる、飽きないカレーができあがります。
白菜の水分がルーの一部に
優しく軽やか、家族が喜ぶチキンカレー
材料(4人分)
鶏もも肉唐揚げ用(なければ鶏もも肉をひと口大に切る)…300g
玉ねぎ…1個
白菜…1/6個(300g)
油(サラダ油や米油など風味の強くないもの)…大さじ1/2
A
米酢…大さじ1/2
醤油…大さじ1
B
にんにくすりおろし…1片分
カレールー(甘口)…100g
水…100ml〜200ml(好みで調整)
山椒、一味唐辛子、練りからし、米酢…適量(好みで食べる時に)
作り方
1.玉ねぎを薄切りにする。
鍋に油を入れ、水気を拭いた鶏肉を、皮目を下にして鍋の中央に並べる。玉ねぎを周りに並べて中火にかける。火にかけている間に、白菜を細切りにする。
今井さん:
「火にかけたら触らずに、このまま置いてください。鶏肉と玉ねぎをほどよく焦がすことで、うまみになります」
2.鶏肉に焦げ目がついてきたら、裏返さずそのまま上に白菜をのせる。
Aをかけ、ふたをして15分中火のまま蒸し煮する。
3.ふたを開けてBを入れ混ぜ合わせ、溶けたら味を見ながら水を加える。5〜10分ほど弱火で煮込み、とろみが出てきたらできあがり。
今井さん:
「白菜から出る水分がまちまちなので、水の量は味を見ながら調整してください。コクのある味にしたければ少なめ、さらりと軽やかにしたければ少し多めに水を加えてください」
少なめのルーで作るカレーとは意外でしたが、食べてみて納得。ルーの味に消されずに、白菜の甘みがしっかりして、それでいてカレー感も味わえる、いいとこどりのカレーです。
ポイントは「甘口」のルーを使うこと。家族みんなが食べやすく、ベースの味が強くない分、山椒や一味唐辛子など、大人は辛味を後足しできて、それぞれの好きな味を作れる楽しさがありました。
今井さんのおすすめは、酢と練りからしを5対1の割合で混ぜた酢がらし。かけてみるとカレーの味が一段爽やかにピリッと引き立ち、新しいカレーの美味しさに出会えました。
ちょい足ししながら食べられるカレー、この楽しさを知ったら、カレーの概念がちょっと変わりそうです。
全4話でお届けしたほったらかし煮込み。鍋に入れてほうっておくだけでいいのに、ほうっておくから奥深い味になる、いいことづくめのおかずでした。忙しい日こそ、ほうっておくだけ。これから師走にかけて、駆け足で過ぎゆく毎日のお供に役立てていただけますように。
【写真】今井裕治
もくじ
今井 真実
料理家。noteに綴るレシピやエッセイ、twitterでの発信が幅広い支持を集め、さまざまなメディアでレシピ制作、執筆を行う。近著に『フライパンファンタジア』(家の光協会)、『今井真実のときめく梅しごと』(左右社)などがある。Instagram:@mamiimai
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