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映画『リサ・ラーソンがいた時間』公開記念トークイベントに、店長の佐藤が登壇しました

映画『リサ・ラーソンがいた時間』公開記念トークイベントに、店長の佐藤が登壇しました


こんにちは、広報の白方です。

2026年9月26日(土)シネスイッチ銀座で開かれた映画『リサ・ラーソンがいた時間』の上映後トークイベントに、店長の佐藤が登壇しました。今日は、当日のトークの様子をお届けします。

映画『リサ・ラーソンがいた時間』

スウェーデン生まれの陶芸家、リサ・ラーソン。世代や国境を越えて愛される作品を数多く生み出し、晩年までアトリエで粘土をこねることが大好きだった人です。2024年、92歳で亡くなりました。

映画『リサ・ラーソンがいた時間』は、そんなリサの晩年を、孫であるエミリア・エクマン・ラーソンさんが2017年から8年間にわたって撮り続けたドキュメンタリーです。仕事と家族、自分と他者。「どちらか一方を選ばなければいけない」と感じてしまう人生の揺れのなかで、どちらも諦めずに手を動かし続けたリサの日々が描かれています。

今回、佐藤は、LiLiCoさんや俳優の小林聡美さんと共に、この映画の劇場パンフレットにコメントを寄せています。

「仕事を愛する一人の女性の人生の時間軸をこんなにもたっぷりと追ったドキュメンタリーに胸打たれました。年老いても、そして最期の日々も、映像に映し出されたリサの目の奥はキラキラしたままでした。『まだまだやりたいことがいっぱい』。人生の幕がおりるその直前までリサのような言葉を私も発していられる生き方をしたいです」

佐藤友子(株式会社クラシコム取締役副社長/「北欧、暮らしの道具店」店長)


コメントを寄稿させていただいたご縁から今回、エミリア監督と佐藤の対談イベントが、開催されることになりました。

▲登壇前、舞台袖でドキドキしながら登壇を待つ佐藤とエミリア監督


上映後、いよいよトークイベントです

9月26日、イベント会場のシネスイッチ銀座。映画の上映が終わり、ステージにふたりが登壇しました。

まずは佐藤から、映画の感想をエミリア監督に伝えます。

佐藤「私自身もすごく憧れを持っていたけれど、リサ・ラーソンというひとりの女性のことを、全然知らなかったなというのが、正直な感想です。仕事に向き合ったり、家族に向き合ったり、人生のいろんな局面を経て、最後までそれをやり切って人生を閉じられたんだなと。いろんな言葉が記憶に残る映画でした」

ここからは、佐藤が進行役となって、エミリア監督にお話をうかがいました。

知っているつもりだった祖母を、知りたくて

▲工房で制作をするリサ・ラーソン

2017年から祖母であるリサ・ラーソンにカメラを向けはじめたエミリア監督。なぜ、自分で撮ってみようと思ったのでしょうか。

エミリア監督「私はアートと手工芸を学んでいました。美術学校に入ると、クラスのみんなが祖母のことを知っていたんです。いろんな質問をされるのに、私は答えられなかった。『私は祖母のことを、あまり知らないのかもしれない』と、だんだん興味がわいてきました。

これからアーティストとしてどうやっていけばいいのか、人生で何が大事なのか、子どもを育てながらアーティストとして生きていけるのか。そういうことを聞いてみたかったんです」


「満足しない」リサと、「今ここにいる」こと

映画のなかのリサは、たくさんの作品を生み出してもなお、満足することがありません。エミリア監督は、そんな祖母の姿に、はじめは疑問を感じていたと話しました。

エミリア監督「私は、好きなことを仕事にできれば、満足して幸せになれるんだと思っていました。でも、あれだけたくさんの素晴らしい作品をつくって、日本でも愛されている祖母でさえ満足していない。だったら私なんて、いつまでたっても満足できないんじゃないか。そう思って、アーティストになるのはやめようかと考え直したこともありました」

佐藤も、このエピソードがとても心に残ったといいます。

佐藤「好きなことを仕事にできたら、もうそれで十分じゃないかと思うけれど、リサさんは作っても作っても満足しない。映画の最後、ベッドの中でも目をキラキラさせて『また作る』とおっしゃっていましたよね。人生の満足とか、達成感みたいなことを、エミリアさんはどんなふうに思われていますか?」

エミリア監督「満足することや、やり終えることが大事なのではないと思います。好きなことをしているなら、その時間こそが楽しい部分なんです。粘土の前に座る、絵を描く、映画を撮る。私はカメラの後ろにいるとき、『これを聞いてもいいかな、祖母はどんな反応をするかな』と少し緊張しながら、彼女の小さな目の動きを見ている。それが私にとっていちばん好きな時間なんだと気づきました。祖母はいつも『あなたも陶芸をやればいいのに』と言っていましたが、それは、今ここにいなさい、ということだったのかもしれません。みんな、あとでこれをやろう、これさえあれば、と考えがちですが、そうしているうちに人生は突然終わってしまう。だから今は、もっと今に、ここにいようと心がけています」

佐藤は、自身の経験と重ねてこう話しました。

佐藤「私も『北欧、暮らしの道具店』を始めた頃、いつかたくさんのお客さまにお店を知っていただけるようになったら......と未来を思い描いていました。でも続けた先にそれが『もう十分』となるかというと、また次に取り組みたいことが見つかって、終わりがないんです」

エミリア監督「今ここにいるのは、とても難しいことです。だからこそ、簡単に達成できる目標は持たないほうがいいと思うんです。達成してしまうと、空っぽな気持ちになってしまうから。たとえば、愛されていると感じられる人ともっと一緒にいる、何か創造的なことをする、自然のなかで過ごす、子どもや動物と一緒にいる。そういう目標なら、ずっと追いかけ続けられて、もっと幸せでいられると思います」

リサが残してくれたもの

最後に佐藤は、この映画のなかで、これからもずっと大切にしていきたいと思う場面や言葉について尋ねました。

エミリア監督「祖母が私を信じてくれたこと。『あなたならやりたいことが何でもできる』と言ってくれたこと。それはいつも私の中にあります。それから、彼女はたくさんのアイデアを持っていて、とても好奇心旺盛でした。

人生にも、自分自身にも、ほかの人にも、好奇心を持つことをやめない。自分のことも、ほかの人のことも、いつだってもっと理解できることがあるから。話すことも、人に問いかけることもやめない。それが、深い関係を築くためにいちばん大事なことだと思っています」

エミリア監督と佐藤、そして観客のみなさん。それぞれがリサの人生から受け取った「大切なもの」に想いを馳せながら、大きな拍手のなかトークイベントは終了しました。

映画『リサ・ラーソンがいた時間』、ぜひ劇場にてご覧ください!

当日の様子は、ミモザフィルムズのYouTubeでもご覧いただけます



映画情報

『リサ・ラーソンがいた時間』

2026年9月18日(金)よりシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開

監督・撮影:エミリア・エクマン・ラーソン
94分
スウェーデン配給:ミモザフィルムズ

公式サイト:https://mimosafilms.com/lisalarson/