【BRAND NOTE】第1話:20代の頃みたいに欲張らなくなった。モデル・KIKIさんが旅に出る理由とは?
今回はCanon EOS M10と旅をつなげるストーリーを見つけに、モデルのKIKIさんにお話を聞きました。仕事でもプライペートでも旅行が多いKIKIさんに、旅に出る理由や、旅先でのエピソードについてインタビュー。旅で出会ったものは、そしてカメラ好きなKIKIさんが写真を撮るときってどんなとき?そんな質問に答えていただきました。
編集スタッフ 二本柳
写真 平本泰淳
わたしが旅に出る理由。
そろそろ旅に出なくっちゃ。
日常を過ごしている中でやって来る、あのジリジリと落ち着かない “旅ゴコロ” は何なのでしょう。いつもと違う非日常に身を置くことで、私たちは何を求めているのでしょう。
夏の旅シーズン差し迫る今だから、誰もがきっと一度は考えた事があるであろうこの疑問に立ち返ってみることにしました。
そして本日、その疑問に答えていただいたのはモデルのKIKIさん。「旅に出る理由とは?」の質問をぶつけ、話をお聞きしました。
左から私・二本柳、KIKIさん、店長佐藤。
雑誌や広告、TV出演など幅広く活躍する傍ら、山に関する著書も出すKIKIさんには「旅」のイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。
そこで実際に話を伺ってみると、仕事はもちろんプライベートで世界中あらゆる所を訪れて来たという、いわば生粋の旅人でした。
でも気になるのが、一体KIKIさんが外へと足を踏み出し続けるのは何故なのか、ということ。旅に魅了される理由はどこにあるのでしょう。
そして、自身で撮った写真で個展を開くほどカメラ好きなKIKIさんにとって “旅写真” とはどんなものかという観点も含めて、インタビューを実施しました。
昨年12月、「いい写真」を「自分らしく」撮れるカメラとしてご紹介したBRAND NOTE(ブランドノート)Canon EOS M10編。新たに “旅” をテーマに掲げて第2弾がスタートです。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
劇的なものでなくていい。
何でもないところに、旅の感動は待っている。
20代とは違ってきた。年齢とともに変わる、旅に求めること。
旅に出たい、という思いは常にあると語るKIKIさん。昔から旅をするのが大好きで、今でも仕事の合間をぬっては夫や両親と遠出をしたり、海外にいる友人を訪ねることも多いそう。
でも旅は旅でも最近変わったのは、「欲張らない」というスタンス。
KIKIさん:
「20代の若い頃は、『ここに行きたい、あれがしたい』とプランを詰め込むことが多かったのですが、最近は1〜2週間の旅程でもメインの行き先は1個か2個まで絞ってしまうようになったんです。
最初からすべてを決めておくのではなくて、旅先で訪れた1つの場所から派生して『あそこも行ってみよう』と興味の矛先がつながっていったり、訪ねた友人やそこで出会った人との間で『何したい?』が決められたり。そういうゆとりが欲しいなって思うようになりました」
歳を重ねるにしたがって、旅先での偶然性を大切にするようになったKIKIさんの旅スタイル。
それはたとえば、パリを拠点にした旅先でモン・サン=ミシェルまで足をのばす時間を諦めてでも、市街に暮らす友人と待ち合わせをし、カフェで他愛ないおしゃべりを楽しむ、といった具合でしょうか。
そんな旅の仕方を選ぶのは、生まれ育った東京や湘南での「日常」と敢えて同じように暮らしてみることで、むしろ、より多くの「非日常」を感じられるからだと言います。
満員バスで大泣きする赤ちゃん。
そこで触れたミャンマーの「普通」とは?
昨年2015年の暮れに夫婦でミャンマーを旅したときのこと。
乾期とはいえ日中は30度を超える蒸し暑いミャンマーで、KIKIさんたちは「エアコン完備」を謳った長距離バスに乗車しました。ところがそれはエアコンの故障した、しかも補助席まで満席というぎゅうぎゅう詰めの車内。
そこにちょうど乗り合わせていたのが、もう我慢の限界に達していた赤ちゃんでした。ついに大きな声で泣き始めてしまったそうです。
すると周囲の人たちはそれを迷惑がるどころか、乗客皆で一緒に赤ちゃんをあやし始めたのだとか。
それまでお菓子を食べたりふざけ合ったりと大騒ぎだった学生グループは、とっさに窓を開け、「こっちへよこして!」と一言。赤ちゃんは大勢の手を借りながら、前から後ろの席へとわたり、ついに他人である彼らの腕の中で泣き止みました。
KIKIさん提供。ミャンマーで撮影。
KIKIさん:
「このエピソードは、現地では劇的なことでもなんでもない。あくまで日常のワンシーンなんですよね。
でもこういう些細なことだからこそ、彼らが普段から持っている優しさだったり、思いやりだったりが滲み出ると思う。
だから自分が暮らしている場所と比べて、『日本には今こういう優しさが減ってきてるのかも』というような、ずっと同じところに暮らしていると見落としがちな大切なことに気付けたように感じたんです」
「当たり前にあること」に注目してみる。
ミャンマーのエピソードのように、旅先でいつもKIKIさんは「当たり前にあること」の中にこそ新しい気づきを得てきました。
それは人との関わり以外でも言えることのようで、「つい足を運んでしまう場所は?」と聞くと、「教会です」という答えが返ってきました。
KIKIさん:
「教会やお寺、神社といった建築って、当然のように昔からそこにあったもの。
だからその土地の文化がよく表れる場所でもあります。
たとえばアラスカへ行ったとき、街の中に小さな教会があって。それはロシア正教がかつてアメリカのインディアン文化に馴染んで出来上がったカタチなのですが、そういうものを見ていると、その土地で流れてきた時間とか、人々の営みを知ることができるんですよね。
名所と言われる立派な大聖堂でなくても、小さな教会で良いんです。そこでは昔、日本でいう銭湯や井戸端に近いような人の集まりがあって、そういう『時の流れ』を感じられる場所が好きです」
時を経たものを大切にする習慣はご家族の影響も。この日つけていた腕時計は祖父から受け継いだものだそう。
当たり前のようにそこにあるから大して特別視をされない、町の教会のような古い建築物。そういったものの中に、自分たちの日常とは異なる時間軸をKIKIさんは見つけてきたようです。
KIKIさん:
「私は山を登るのがとても好きなのですが、山も教会と同じで、道が始めからそこにあったわけじゃない。誰かが何かのために作ったものですよね。猟師だったり、修行僧だったり…。
そういう『時』を経て出来上がったものの中に自分も加われる、ということがとても嬉しいんです」
なんか気持ちがいい。
その瞬間を残すためにシャッターを押す。
なんか良いな、の理由を考える前に。
たとえば花火大会に足を運んで、どうにか綺麗に花火を写そうと頑張るあまり、その美しくダイナミックな景色が記憶にはあまり残らなかったということがあります。
だからKIKIさんは、「自分の目のかわり」のカメラではなく、「気持ちを映し出すもの」として写真と付き合っているそう。
ここからは旅先で撮影した写真で展示を開いたり、書籍にまとめることもあるほどカメラに親しんできたKIKIさんに、「旅×写真」の観点で話をお聞きします。
KIKIさんは、どういった瞬間にシャッターを押すのでしょうか?
KIKIさん:
「うーん。違和感を感じたとき、だと思います。
誰もが写真におさめたくなる撮影スポット、とかじゃなくて、旅をしている間で、ふと『あ、何だかとっても気持ちがいいな』と思うものってありますよね。写真を見返したときに、その時の気持ちが甦ってくるような。
具体的に言うと、そこの机に映る木漏れ日だったり、道がまっすぐ抜けていく感じだったりということなのかもしれない」
そうした「なんか良いな」と感じたものに出合った時、KIKIさんは理由を考える前にまずシャッターを押します。
すると、その場では見つけられなかった理由が、後で写真を見返したときに「なるほど!」と分かることも多いそう。
しおりにしていた飛行機の半券を見つけてキューンとする。その感じに近いかも。
鎌倉の古本屋で購入したという、辻まことさんの『山からの絵本』。
KIKIさん:
「移動中はいつも本を読むのですが、飛行機の中ではあえて半券をしおり代わりにするんです。そうすると、忘れた頃に本の隙間から半券がヒラリと落ちてくることがあって。ああ、あの時の……って、なんだかキュンと切ないような気持ちになるんですよね」
もしかしたらKIKIさんにとっての写真とは、とつぜん本の隙間から落ちてくる飛行機の半券のような存在なのかもしれません。
だから一生懸命に花火そのものを写さなくても、足元の砂利の間にひっそり咲いた花の姿にドキッとしたら、その瞬間をシャッターにおさめておく。
すると旅から帰宅して写真を観たときに、そこで感じた生温い夜風や屋台の匂い、なんだか気持ちが良かったそのシーンをまるごと噛み締めることができるのでしょうね。
私たちはどうして旅に出るのか。何を求めているのか。
KIKIさんに話をお聞きするなかで思ったことは、きっと誰もが一種の “変化” を求めているのではないかということです。
ただ、それを何処で、どうやって、何を通じて、感じられるのかという「手段」の部分は百人いれば百通り。
古代の遺跡に触れることでものの考え方が変わる人もいるかもしれない。あるいは人との出会いによって価値観がガラリと変わる人もいるかもしれない。
そしてKIKIさんの場合はというと、旅先で出合う「何でもない日常のこと(もの)」に、その手段があるようでした。
自分のいつもの暮らしを、環境を変えて再現してみる。
すると日常に戻った自分自身や、周りを見つめる眼に、ちょっとした “変化” が生まれたりする。そしてそれは、その後の私たちにとってひとつの糧となります。
明日の第2話は、私・スタッフ二本柳が、KIKIさんの言うような旅先での気づきを感じるために、レンズという目を借りて長野県・松本市を旅してきました。
*撮影協力:Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン)芝公園店
〒105-8560 東京都港区芝公園3-3-1
(つづく)
▼EOS M10のスペシャルサイトはこちらからご覧いただけます
▼モデルの香菜子さんにインスタグラムをはじめた理由ついて聞きました
KIKI(モデル)
東京生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。雑誌やTVCMの広告、連載執筆など多方面で活躍しながら時間を見つけては夫や両親と旅へ出かける。著書に「山が大好きになる練習帖」(雷鳥社)「美しい山を旅して」(平凡社)スタイルブック「KIKI LOVE FASHION」(宝島社)など多数。
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