【ない暮らし、はじめました】第3話:炊飯器なくしました。スタッフ濱崎「面倒でも続けられる、3 つの理由」
編集スタッフ 岡本
全3話でお届けしている、特集「ない暮らし、始めました」。
この特集では、ベッドやテレビなど、「ある」のが当たり前だったものを手放して、自分らしい暮らしのあり方を模索中のスタッフ3名に話を聞いています。
第3話では、あるキッチン家電をなくした、エンジニアチームのスタッフ濱崎が登場です。
とりあえず、から早2年
▲DIYで棚を設置し、使いやすく工夫された濱崎家のキッチン。
スタッフ濱崎は、夫婦二人暮らし。共働きのため、家事は分担制で、濱崎自身も週に2回ほど、夕飯づくりをするそうです。
そんな濱崎家がなくしたのは「炊飯器」でした。
米を研いだらスイッチひとつ。毎日使う、便利な道具を手放した理由が気になります。
スタッフ 濱崎:
「わが家の炊飯器は学生時代から約8年使っていたもので、保温ができないなど少しガタがきていました。
買い換えようかと迷っていたとき、試しに土鍋で米を炊いてみたんです。そしたらすごく美味しくて」
▲土鍋で米を炊く隣りで、手際よくおかず作り。
想像以上の出来に驚き、炊飯器を買い換える必要がないと判断。それから土鍋ごはん生活に切り替わりました。
料理は妻で、自分は炊飯担当、と話す濱崎ですが、じっさい毎日となると面倒なことも多いのでは?
スタッフ 濱崎:
「土鍋は火加減を誤ると、焦げ付くことがあります。その焦げが取れにくいんです。
あと炊飯器のときは、ちょっと横着して炊飯釜でお米を研いでいたのですが、土鍋だと重くてそれができない。だからボウルとざるを使うのですが、そうなると洗い物が増えますね」
ぽんぽんと出てくる土鍋ごはんの難点。けれど、2年も続いているのはなぜでしょうか。
焦げ付くし、重い。それでも使い続けるメリットって?
スタッフ 濱崎:
「なによりも美味しいんです。蓋を開けたときのふわっと広がる香りと湯気は、わくわくしますよ。
それに、炊飯器よりも早く炊けます。3合だったらだいたい20分程度。手順もかんたんで、想像よりもメリットが多かったですね」
月に一度は来客があるという濱崎家では、食卓にどんと置かれた土鍋から、炊きたてのご飯をよそう光景も続けられている理由のひとつだそう。
招かれた人たちの「わぁっ」という顔が目に浮かびます。
そして白米を美味しく食べるためにと、故郷の山口県からあるものを送ってもらっているのだとか。
スタッフ 濱崎:
「地元ではごはんのおともとして、あぶった青のりに醤油をかけて食べるんです。
東京でも買えるけれど、我が家にとっては山口県産の青のりが一番。米を美味しく炊けるようになったからこそ、地元の味を思いきり楽しめています」
想像しただけでお腹が鳴りそうな組み合わせ!思わず、土鍋炊飯の手順とおすすめの青のりを教えてもらいました。
美味しいごはんがあれば、それを引き立てる少しのおかずがあるだけで、大満足の食卓になる。土鍋炊飯の魅力に、ぐっと惹かれはじめました。
さらにメリットがもうひとつ。
スタッフ 濱崎:
「炊飯器があった場所にはパスタや乾物などを、ファイルボックスに入れて収納しています。
土鍋は買い足さず持っていたものを使っているので、新たなスペースが生まれたのは嬉しいおまけでした」
「ちょうどいい」を目指す、いる・いらないの選択
とりあえずのつもりで炊飯器をなくした濱崎ですが、他にもいろいろとなくしているものがありました。
水切りかごやキッチンマット、PCデスク&椅子まで。
シンプルライフや断捨離をするつもりはないと話しますが、少しずつない暮らしをしているのには理由がありました。
スタッフ 濱崎:
「これはいる?いらない?と部屋を見直して、ごちゃごちゃを改善していくことが楽しくて。
新しいものを迎えるときも、まずはどこに置くか、どう収納するかを考えてから。家のどこに、なにがあるかを把握していられる状態が一番心地いいんです」
なくすのが得意な濱崎に、なくてはならないものを聞いたところ意外な答えが返ってきました。
スタッフ 濱崎:
「畳の部屋はぜったいになくせません。独特の香りや、ふかふかした感触は、代わりのきかない癒しの空間です」
▲濱崎「妻が書道の先生をしているので夫婦揃って、畳は暮らしに欠かせません」
むりのない範囲で「なくしてもいい」ものを手放し、今の暮らしを「ちょうどいい」に近づける。
そうすることで自分にとってのゆずれない、大切なものが見えてくることが分かりました。
毎日使っているものでも、なくしてみたら今の暮らしにフィットすることもある。
滅多に使わないものでも、心の支えになっているものもあるでしょう。
大切なのはきっと、だれかと比べて判断するのではなく、自分にとっての「ちょうどよさ」を見つけること。
今のインテリアや習慣に、すこし違和感を感じたとき。「ない暮らし」を始める第一歩になるかもしれません。
(おわり)
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