編集スタッフ　松浦

日照時間が短く、夜が長い北欧の冬。そんな夜時間を少しでも心地よく過ごすため、北欧では優れた照明器具がたくさん生まれました。

本を読んだり、おしゃべりをしたり、音楽を聴いたり…… 家族みんなの心地いい時間にそっと寄り添うように、灯りは北欧の人々の暮らしになくてはいけない存在です。

前編では、照明選びの3つのポイントを紐解きました。後編では、ルイスポールセン社の現地社員のお宅を参考に、心地いい灯りの取り入れ方を教えていただきます。案内役は引き続き、ジャパンオフィスの中村さんです。

 

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北欧の住まいに学ぶ
心地よい灯りの取り入れ方って？

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まずは、部屋の「かど」と「かべ」に置いてみよう。

Photo: Gregers Mansfeldt

間接照明を買ったはいいものの、一番の悩みは、その置き場所。空間を心地よく演出できる、効果的な取り入れ方はあるのでしょうか？

中村さん：
「部屋の全体を明るくしてくれるアンビエントライトは、部屋の中心ではなく、角や壁に置くのがベターです。灯りの反射で、空間を広く演出できるんですよ」

 

空間を分けたり、繋いだり。「間仕切り」としての活用も

中村さん：
「家具で部屋を仕切るように、照明でも部屋を分けることができるんです。

例えば、上の写真のように、家具の配置に合わせてペンダントライトを低めに吊るすと、明かりによって2つのコーナーが作られます。

奥にあるダイニングで食事をした後は、手前のソファでまったり。スペースの使い方に合わせて、灯りを調整できるのも、一室多灯の楽しいところです。

人が集まる空間を明るめに調光し、人の視線の先にある空間を暗めにすれば、落ち着きのあるくつろぎの雰囲気が生まれます。

また、2つの空間の間にある棚には、ガラスのランプとキャンドルを灯しています。完全に空間を分けるのではなく、ほのかな灯りを間に灯すことで、空間を結び、広く見せています」

 

椅子とライトで「ヒュッゲ」なコーナーをつくる

Photo: Jacob Termansen

日々の生活に欠かせない照明が整えば、あとは暮らしをさらに心地いいもの、「ヒュッゲ」なものにしてくれる小さなコーナーをつくってみるのもいいかもしれません。

お気に入りの雑貨やキャンドル、家族の写真などを合わせれば、なんとなく眺めていたくなるヒュッゲコーナーの完成です。

中村さん：
「例えば、フロアランプ。部屋の角にそのまま置くのもいいですが、ソファや一人がけの椅子と合わせれば、ヒュッゲなコーナーが簡単にできます。読書にもいいですし、何より部屋の一角が華やかになります」

 

窓辺やポスターとともに。雑貨のように灯りを楽しむ

Photo: Gregers Mansfeldt

中村さん：
「北欧の窓にはカーテンがない……という話がありますが、あれは本当。

窓辺には、ランプやキャンドルを灯して、お気に入りの雑貨を飾ります。北欧の人々にとって、窓はまるで絵画のフレームのような存在なんです。それぞれの暮らしが窓から垣間みえて、夕暮れの街を歩くのも楽しいんですよ」

Photo: Gregers Mansfeldt

中村さん：
「お気に入りのポスターや写真のとなりにテーブルランプを置くのもおすすめです。スポットライトでなくても、優しい灯りに照らされて、いつもの姿よりぐんと素敵に見えますよ」

 

この冬は、灯りを見直して心地いい夜時間を

北欧の冬を支えていたのは、家族の集う食卓やリビングはもちろん、窓辺や部屋のコーナー、お気に入りの雑貨など、何かに寄り添う灯りの姿でした。

ただ、灯りの使い方にノウハウはあっても、正解はひとつではありません。どれも、それぞれの暮らしの中の試行錯誤から生まれた工夫です。

食卓はどんな灯りにしよう… ここにはお気に入りを置くコーナーを作ろう…

灯り選びをすることは、同時に「どう暮らしたいのか」を考えることなのかもしれません。

「何かが足りない……」そう思ったら、小さな灯りを部屋に足してみませんか？ 照明器具を全て替えるのは大変でも、小さなキャンドルや灯りひとつで、冬の夜時間がぐんと温かで、心地よいものになるはずです。

（おわり）

【写真提供】ルイスポールセン社

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もくじ

中村麻紀子（なかむら・まきこ）

ルイスポールセン ジャパン株式会社、セールス/マーケティング部。ルイスポールセンのものづくりの精神に共感し入社。ショールームでは、照明の選び方についてのセミナーなどを開催している。

 

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