【クローゼットと私】着回しのコツは「ストック作り」⁉︎ デザイナー波々伯部(ほほかべ)の「今日のコーデ」

商品プランナー 斉木

わたしたちの暮らしに欠かすことのできない、「洋服」。当店のなかでもとりわけ「洋服好き」なスタッフのクローゼットを中心に、その洋服愛をひもとく不定期の連載、「クローゼットとわたし」。

第2弾に登場するのは、当店の読みもの「着用レビュー」に “小さいさん” として度々登場する、身長148cmのデザイナー波々伯部(ほほかべ)。前回は幼少期から今に至るまで、波々伯部の「洋服偏愛」ヒストリーをご紹介しました。

今回は、波々伯部が日々のコーディネートをどのように考えているのかを、レシピのように手順を追って紹介していきたいと思います。

※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです。

 

3シーズン分の「ストック作り」がお買いもの習慣

▲オールシーズン着るという白シャツを、春、夏、冬と3シーズン着回してくれました

波々伯部には洋服を購入したその日、必ず行うことがあるそうです。

デザイナー波々伯部:
「買った洋服を持ち帰って、まずするのが、『コーディネートのストック』を作ること。

洋服を買うときは、3シーズン着られるかどうかをポイントにしています。だから、春ならこれを合わせて、夏なら、秋なら……と何度も鏡の前で着替えて、しっくりくる組み合わせを覚えておくんです。

何回も脱いだり着たりするのは面倒では?と言われるんですが、『これにも合う!』『こっちにも!』って次から次に試す時間が、楽しくて仕方ないんですよね。

コーディネートで気にするのは、全体のバランス。背が低いことが気にならないよう、トップスをインして、ウエスト位置を高く見せることが多いです」

 

「今日のコーディネート」はこんな感じ。

この日の波々伯部は、レザーの切り替えが印象的なコートに、最近買ったばかりだという、お気に入りのウールのパンツを主役にしたコーディネート。

コーディネートを考えるときは、お買い物後の「ストック」をもとに、明日はどの組み合わせにしようかな?と考え始めるという波々伯部。実際に、どのようにその日のコーディネートができあがるのか、順を追って見せてくれました。

 



 

1.  翌日の洋服は、夜のうちに準備する

コーディネートは「前の日の夜」に決める派。ソファにまとめて置いておきます。

 

2.  着替えたら、姿見をチェック

決めた洋服に、着替えてみます。この日は、「なんだかシンプルすぎて部屋着っぽいかも?」としっくりこない様子。

買ったばかりのウールのパンツを主役にすると決めていたので、トップスを変えることに。

 

3.  再度着替えて、もう一度姿見をチェック

トップスをタートルネック+シャツという組み合わせに変え、この日のコーディネートは完成。

アイボリーカラーのパンツの色が映えるよう、ブラックのシャツを選びました。上下ともにボリュームのある洋服ですが、すっきりと見えるようトップスには「シャツ」タイプを選んだんだとか。

 

4.  アクセサリーを選ぶ

気に入ったアクセサリーはfog linen workのトレーの上に並べて。シンプルだけど、どこか個性のひかるピアスが好き。

 

5.  バッグとコートを選ぶ

バッグは黒のスタンダードなものを。コートには、肩部分からレザーの切り替えが入ったキャメルのコートをチョイス。

 

6.  玄関で靴を履いたら、行ってきます!

(シャツ:URBAN RESEARCH×D&DEPARTMENT、インナーに着たタートルネック:NOLLY’S、ボトムス:tsumugu、コート:LONDON TRADITION、ストール:n100、スニーカー:CONVERSE、バッグ:ARTS&SCIENCE、時計:OMEGA(ヴィンテージ)、ピアス:AOM)

ウールのパンツからちらりと覗いたら可愛いかも、と選んだのはマスタードカラーのコンバースオールスター。難しそうな色物も、ワイドパンツなど出る分量を調整できるといいポイントになるんだとか。

波々伯部は小柄なため、パンツは購入後丈直しをするのが基本。その際、「このパンツの時はあの靴かな〜」と、よく合わせそうな靴を想定して丈直しをするんだそう。

トップスも袖をくるっとまくってみたり、ワンピースをブラウジングしてみたり、鏡を見て「しっくりくる」長さに調整する。そんな一手間で、「似合う」と感じたりするのかも?と話してくれました。

 

「洋服好き」が広げた輪、ふくらんだ夢

取材を通して、幼少期から10代、そして社会人と、いつの時代も波々伯部にとってファッションは「暮らしの中心」だったのかもしれないと思いました。

洋服が大好きだから、大切な友人に「こんなのどう?」と勧めずにはいられない。たとえ買えなくても、「こんなふうに着たい」と想像をふくらませる。

自分はもちろん、相手にも洋服を楽しんでほしい。会話の節々からそんな気持ちが伝わってくるから、ファッションアイテムの着用レビューを、つい波々伯部にお願いしたくなるのかもしれません。

今後も不定期でスタッフ宅のクローゼットに突撃したいと思います。どうぞお楽しみに。

(おわり)

 

【写真】平本泰淳


もくじ

 


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