【ケーキが一台焼けたなら】ワンボウルで混ぜるだけ♪ バターを使わない「チョコレートケーキ」
編集スタッフ 奥村
平日の夜でも焼けるくらいに簡単なケーキ作りの方法を、菓子研究家の吉川文子(よしかわ ふみこ)さんに伺っています。
めんどうな工程を解消するポイントを教わった第1話に続き、第2話では、技術いらずでできる「チョコレートケーキ」のレシピを教わります。
日頃からケーキを焼いている吉川さんが考える、平日でも作りやすいレシピとは? 今回は実際に作ってみながら、レシピを見ただけではわからない工程の「コツ」も伺ってきましたよ。
ワンボウルで「混ぜるだけ」♪
基本のチョコレートパウンドケーキ
材料
(縦18×横8×高さ6cmのパウンド型1台分)
ココアパウダー(純ココア)…20g
グラニュー糖…60g
牛乳…40g(40ml)
プレーンヨーグルト(無糖)…50g
植物油…60g
卵…1個
薄力粉…70g
ベーキングパウダー…5g(小さじ1)
※シナモンやバニラオイルがあれば少量、香りづけに加えても
吉川さん:
「砂糖は家にあるものでOKです。もしも買うなら、すっきりした甘さに仕上がるグラニュー糖がおすすめ。三温糖や上白糖だとよりしっとりした生地になり、甘みが強く感じられます」
下準備
・オーブンを180度(電気オーブンの場合は190度)に予熱する
・ケーキ型にオーブンシートを敷く
1.粉類を合わせてふるう
吉川さん:
「薄力粉とベーキングパウダーを合わせてボウルに入れて計量し、ふるいます。ふるった粉は、オーブンシートや紙の上に落としておきましょう」
2.ココアと砂糖、牛乳を混ぜる
▲1つの材料を計り終えたらリセットボタンで0gに戻し、新しい材料を加えます
吉川さん:
「ボウルにココアパウダーと砂糖を計り入れ、牛乳も加えて混ぜます。ココアのダマが消え、なめらかなクリーム状になるまで混ぜましょう」
3.ヨーグルト、油、卵の順に加えて混ぜる
吉川さん:
「続いて2にヨーグルトを計り入れて混ぜ、オイルを合計60gになるよう、2~3回に分けて計り入れ、その都度よく混ぜます」
吉川さん:
「オイルは生地に混ざりにくいので、数回に分けて加えるのがおすすめです。
上の写真は表面に油が浮いていて、混ぜ足りない状態です。下の写真のように油浮きが消え、表面が滑らかになるまで混ぜましょう。
しっかり混ざったら、卵を割り入れ、好みでシナモンやバニラオイルを少量入れて混ぜます」
4.粉を加える
吉川さん:
「最後にふるっておいた粉類を一度に加えて、同様に混ぜます」
吉川さん:
「写真のように白い粉が見えなくなったところでストップ。ボウルの側面や底にくっついた生地をゴムヘラやスプーンでなじませて、生地の完成です」
オーブンに入れるまでの作業時間はわずか20分ほど。計量しながら作れたので、あっという間です!
5.型に流し入れて焼く
吉川さん:
「生地を型に流し入れたら、型を持ち上げ、トントンと軽く落として空気を抜きましょう。
オーブンの下段に入れて、180度(電気オーブンの場合は190度)で25分焼きます」
吉川さん:
「焼きあがったら、ケーキの中心に竹串を刺して焼け具合をチェックします。ドロッとした生地がついてこなければできあがり。焼き足りない場合は、もう5分焼き時間を追加しましょう」
吉川さん:
「ひと晩寝かせた翌朝の方が、味がなじみ、よりしっとりとおいしくなります。冷蔵庫で1週間、冷凍なら1ヶ月間保存できるので、多めに作っても安心ですよ」
「焼き上がりの見極めが難しくて……」
スタッフ奥村:
「わたしがいつも迷うのは、焼き上がりの見極め方です。
わが家の電気オーブンは火力が弱いのか、レシピ通りの焼き時間では足りないことが多くて。
また焼きムラも出やすいから、一部だけが焦げついてしまうこともあります。焼き方にコツはありますか?」
吉川さん:
「ガスオーブンに比べて、電気オーブンは火力が弱めです。レシピの温度よりプラス10度を目安に設定してみるといいですよ。
また、残り10分のところで一旦オーブンの扉を開け、ケーキの向きを180度反転させて焼いてみてください。火のあたる向きが変わることで、均一に火が通るようになります」
具材を足して、かんたんアレンジ♪
吉川さん:
「基本のレシピが作れたら、好みの具材を生地に足すだけでアレンジが楽しめます。
板チョコ一枚の約半分を細かく砕いて生地に混ぜ込み、残りの半分を大きめに砕いて上にのせて焼けば、より濃厚なチョコレートケーキが出来上がり」
吉川さん:
「バナナ1本を一口大に切り、生地に挿して焼けばチョコバナナケーキになります。そのほか、オレンジなど好みのフルーツを入れるのもおすすめです」
ケーキも、気負わない「ふだんの料理」になる?
今までなかなか変えられなかった「ケーキ作りはめんどう」のイメージ。
けれど今回教わってみて、「計量もワンボウルでOK」や、「道具は家にあるもので代用できる」など、がんばりすぎなくてもいいポイントに気づくことができました。
自分に無理のないやり方で、ケーキが一台焼けたなら。手作りのケーキはもう憧れじゃなく、ごはんを炊くように、気負わないふだんの料理にできるような気がしました。
(おわり)
【写真】木村文平
吉川文子
菓子研究家。1995年より自宅で洋菓子教室を主宰。伝統的なフランス菓子をベースにしながら、新しい風味や作りやすさを追求したレシピで人気を集める。“バターを使わないお菓子”を提案し、著書も多数、そのおいしさに多数のファンを持つ。http://kougloflove.blog120.fc2.com/
▽吉川文子さんの著書はこちら
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