【間取り図鑑】第4話:間取りを「活かした」リノベーションで、フィットする暮らしをつくる

編集スタッフ 塩川

見ているだけでついワクワクと、新たな暮らしへの妄想が広がる「間取り図」。

そんな不思議な力を持つ「間取り図」と実際のインテリアを重ねて、暮らしを紐解いていきましょう。

3話目に引き続き、toolbox(ツールボックス)で商品企画を担当する竹沢愛美さんと、cowcamo(カウカモ)でリノベーション物件を仲介しているご主人の森勇貴さんにお話を伺っています。

職業柄まさに「家づくりのプロ」と呼べるご夫婦は、築40年・69平米の中古マンションをリノベーション!

家族3人が心地よく暮らす、ご自宅の間取りはこちらです。最終回は、寝室と書斎にフォーカスを当てました。

※登場するアイテムは、全て竹沢さん・森さんの私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです。

 


間取りを活かした
「寝室と書斎」のリノベーション


もともとの間取りを生かしながら、書斎の一部をチェンジ。

収納を寝室側に作り変え、左側の壁は家事室側に移設し、柱が出るようになりました。

これにはどんな理由があるのでしょう? まずは寝室側から伺っていきます。

 

夫婦それぞれのクローゼット収納で、家事の時短を叶える

寝室に1つしかなかったクローゼットは、リノベーションで倍の容量に!

夫婦それぞれのクローゼットを完備することで、1話目に登場した「家事室」で干した洗濯物を、そのまま運んで収納することができます。

吊り下げ式がメインなので、畳まなくても大丈夫。家事の時短が叶いますね。

通気性の良さそうなクローゼットの木製ドアは、toolboxでお取り扱いしています

 

壁一面のみDIY! こだわりのディテールで特別感をプラス

6帖の寝室は、ダブルベッドとベビーベッドのみのシンプルな空間です。

プライベートな部屋に特別感を出すため、ここの床だけは、正方形のスクールパーケットフローリングをチョイス。

目を引くニュアンスカラーの壁は、どこか一か所くらいは自分たちで手を加えたいと、リノベーションの工事終了後に夫婦ふたりで塗りました。

その当時、竹沢さんが妊娠中だったためDIYはここだけですが、思い出が詰まった部屋になったと話します。

壁はガラスの粒子が入ったペンキをハケで塗り、ざらっとした質感に

▲寝室の照明のスイッチは、竹沢さんが担当した商品。愛着のあるアイテムです。

 

今は書斎。みらいの子供部屋は「余白」を残して

モノが少なく “今は” 収納のない書斎は、そのうち子供部屋になる予定なのだとか。

これから先のライフスタイルに合わせて、クローゼットなどを設置できるように、壁を移動し空間を広げています。

後で自由に手を加えられるよう、「余白」を残した空間になっていました。

▲梁(はり)に合わせて移動した奥の壁。今後どんな風に変わっていくのか楽しみです。

 

間取りを「活かし」て、フィットする暮らしをつくる

住み心地もデザインもパーフェクト。収まるべきところにものが収まり、全ての空間に無駄がありません。

リノベーションなら自由に間取りを変えることができますが、お二人は元の間取りを活かしてコストを抑え、内装や家具選びに工夫を凝らしています。

「こんな間取りに出会って、理想の暮らしをおくりたい!」そんな思いが高まりますが、実はこちらは販売から4ヶ月も売れ残っていた物件だそう。

多くの人がスルーしてしまった物件に価値を見いだし、暮らしに合ったリノベーションで問題を解決。

予算も時間も限りのある中で、自分たちにとって何が大切か優先順位を決め、満足度100パーセントの住まいを作り上げました。

▲クリックすると、間取り図を拡大できます。

キッチンや家事室、寝室のクローゼットなど、日々の暮らしに欠かせない「家事の動線」に予算をかける。

反対に玄関やトイレは優先順位を下げ、塗装などの少しの工夫で空間を整えています。

そのバランスがなんとも絶妙で、お手本にしたいことばかりです!

▲玄関脇の収納はそのまま。コンパクトなスペースに、きちんと収まるベビーカーを購入したそう。

▲こちらは天板をオーク材にチェンジ、取っ手に「アイアン塗料」を塗り雰囲気を変えています。

▲壁の塗装をツートーンにし、トイレをスタイリッシュに。

家づくりの基準は人それぞれ。

まずは自分にとって何が大切なのか、どんな暮らしをしたいのか、「軸」を見つめ直すことが理想の暮らしに近づく第一歩なのかもしれません。

間取り図を眺めながら、フィットする暮らしを想像する旅は、まだまだ続きそうです。

(おわり)

【写真】木村文平


もくじ


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森 勇貴・竹沢 愛美
(cowcamo・toolbox)

共にインテリアや不動産の仕事に関わる、まさに「家づくりのプロ」と呼べるご夫婦。生後7ヶ月の長男・珀登くんとの3人暮らし。時間と予算がない中でもノウハウを生かし、築40年・69平米の中古マンションを、自分たちらしくリノベーションした。
https://www.r-toolbox.jp/ https://cowcamo.jp/

▼toolbox・cowcamoの関連書籍は、こちらからご覧いただけます。

 


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