商品プランナー　斉木

見ていると、不思議とワクワクしてくるポーチの中身。不定期連載「ポーチと、仕事。」では、ポーチを覗くことで、「その人らしさ」と「職業柄」を紐といてみたいと思います。

第6回に登場するのは、ジュエリーブランド「SIRI SIRI（シリシリ）」の代表・デザイナーの岡本 菜穂（おかもと なほ）さん。

耐熱ガラスなど意外性のある素材と、日本の美意識を感じさせる伝統的な職人技術を掛けあわせてつくられるジュエリーは、私たちもいつかは……と憧れの視線を送るブランドです。

そんなSIRI SIRIのデザイナーである岡本さんは、現在イギリスに留学中。異国の地で会社の経営とデザイナー、そして学生の二足ならぬ三足？のわらじを履く彼女のポーチにはどんなアイテムが入っているのでしょうか？

 

ポーチの中身、見せてもらいました。

岡本さんのポーチに入っているのは、こちらの6アイテム。

（左から時計回りに）
・CHANEL/ トラベル メイクアップ パレット “デスティネーション”
・アンフォラ アロマティクス/ピュア エッセンシャル オイル ローズ ゼラニウム
・ニールズヤード レメディーズ/ベチバー・オーガニック（エッセンシャルオイル）
・ユニリーバ/ヴァセリン リップセラピー ペトロリュームジェリー
・SIRI SIRI/KIRIKO Ring
・コレットマルーフ/キャストメタル　Uヘアピン

 

住む場所が変わって、メイクも変わった？

岡本さん：
「昨年のはじめからイギリスに留学していて、いまは早朝に日本のスタッフとビデオチャットで打ち合わせをしてから、9時から18時まで語学を勉強する毎日です。

ゆくゆくはヨーロッパの大学で彫刻を学んで、自分のジュエリーデザインに活かしていきたいと思っています。

不思議なのですが、日本にいた頃はほぼノーメイクだったのに、イギリスでは周りがしっかりメイクをしているからか、影響されて毎日化粧をするようになりました。とはいえ、ささっとつけられて、もちが良いアイテムを選ぶことが多いですね」

▲SIRI SIRIのKIRIKO Ring。「そのままポーチに入れていると驚かれることもありますが、耐熱ガラスなので丈夫なんです。扱いやすさもデザインの大切なポイントです」（岡本さん）

 

ポーチの定番アイテムは？

岡本さん：
「特に気に入っているのが、大ファンの『ルイーザ チェベーゼ』のポーチです。

デザイナーのルイーザは、廃棄される予定だったいろいろな生地をビニールに挟み込んで、新しいデザインに生まれ変わらせるというものづくりをしています。

このピンクの生地は、元々はたしかスカーフだったと思います。そんな想像を膨らませながら使えるのも楽しいですね」

岡本さん：
「このCHANELのパレットも、気に入っているアイテムのひとつです。これひとつにアイシャドウ5色、リップ5色、フェイスパウダー、チークが入っていて、使いやすいんです。

発色の良さなどコスメとしての使いやすさはもちろん、CHANELはケースの素材がどれも高品質で、いくらラフに扱っても傷つかず、ずっと表面が輝いたまま。使うたびに感心します。

ケースひとつに至るまでの細かいこだわりは、SIRI SIRIも見習いたいなと思わせられます」

 

気分転換には、イギリスで出会った精油を。

岡本さん：
「なんだか頭がすっきりしないとき用に、精油も持ち歩いています。

イギリスはハーブの文化が盛んなので、精油のバリエーションも多いんです。写真左は、日本ではあまり見たことのない、ローズとゼラニウムを混ぜた香り。こちらでは一般的なのか、よく見かけます。

ローズの深みのある甘い香りに、ゼラニウムの独特の爽やかさがミックスされて、どんな気分の時にもしっくり馴染んでくれるんです。

ローズウォーターに精油を数滴混ぜたものを、香水がわりに肌やストールにつけたりもしてますね」

▲岡本さんの生活する、イギリスの街並み

 

毎日使うものだから、手ざわりや香りも吟味して。

「もっといいジュエリーを作りたい」という想いから、海を越え、異国の地でひとりものづくりと向き合う岡本さん。

毎日触れるひとつひとつのアイテムからも、素材や香り、肌触りから得たインスピレーションを大切にしていることが伝わってくるポーチの中身でした。

（つづく）

 

【写真】岡本菜穂

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もくじ

 

岡本 菜穂（おかもと なほ）

ジュエリーブランド「SIRI SIRI」代表・デザイナー。建築家であり抽象画家でもあった父の元に生まれ、インテリア業界で働きながら、ジュエリー制作を行うようになる。2006年、ジュエリーブランド「SIRI SIRI」を発表。現在イギリスに語学留学中。http://sirisiri.jp/

 

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