【梅しごとビギナー】前編:おっくうだけど気になる!面倒くさがりスタッフと初めての梅しごと

編集スタッフ 岡本

 いつも気になる梅しごと。やらなくたっていいけれど……

ここ最近、スーパーに出かけてはちらりと視界に入るのが、山積みにされた梅。

当店の読みものでもこの時期の恒例になっていて、梅酒作り梅干しなど、さまざまな特集をお送りしてきました。

今年の梅担当となった私・岡本ですが、実をいうと、どうにも腰が重く「梅しごと」を楽しめていないのが正直なところです。

こんなに毎年お届けしているのに、できていないなんて……。レジ近くの特等席に置かれている梅と目があうたび、少しの負い目すら感じてしまいます。

今年こそ心に芽生えている梅への興味の種を育てるべく、まずは仲間を探そうとクラシコムスタッフに梅しごと調査を行ってみました!

 

梅しごと調査をしてみたら、なんと……

▲意外にも?できていない人が大多数!ちなみに店長佐藤も右側に属するそうです。

3:7の割合で、「できていない」スタッフが多数派を占めたのです!(調査人数:35人)

どうやら私と同じ思いのスタッフが想像以上にたくさんいるよう。

この結果を受け、梅を見て感じていた負い目はどこかへ飛んで行きました。

 

「できていない派」のスタッフ3名が梅しごとにトライ!

▲左から、一度やったきり最近できていないと話すスタッフ青木と上山、まだ一度もチャレンジしていないスタッフ佐藤。

面倒くささから一歩踏み込めないでいた梅しごとと、真正面から向き合ってみる特集を全2話でお届けします。

今回先生としてお招きしたのは、梅干研究家の小川睦子(おがわときこ)さんです。

働きづめだったフリーライター時代、ふと思い立って作った自家製梅干しのおいしさに感動。

それからというもの、全国各地で梅の魅力を伝える活動を続け、現在は梅干研究所の所長を務めています。

生粋の梅好きである小川さんに、まずは梅初心者の私たちがぶつかる、いくつかの悩み事に答えてもらいました。

 


私たち、こんなことでつまずいてます!



「買う時期を逃してしまう」
(スタッフ 青木)

小川さん:
「梅が出回る時期は、5月下旬〜6月中旬と決まっています。

行きつけのスーパーや八百屋さんで、今年の入荷時期を聞いておくと忘れにくくなりますよ。

スーパーで見かけた重い梅を持って帰るのがためらわれる場合は、ネットショップでの予約注文がおすすめです」

スタッフ青木:
「せっかく聞いた入荷日を忘れないように、『6月の土日は梅しごと!』と決意を書いた紙を冷蔵庫に貼ろうかな〜。

入荷日チェック+決意表明の合わせ技ならきっと忘れないはず!」

 

「青いのと黄色いの、色々あって分かりません!」
(スタッフ 佐藤)

小川さん:
「緑色で硬く締まった感じの見た目のものが青梅で、香りはほとんどありません。

一方黄熟した梅は、とってもいい香りがします。見た目も黄色や赤が混ざり、かわいらしい印象です。

梅シロップや梅干しはどんな状態の梅でも作れますが、梅干しは黄熟したもので作るとおいしいです。

なかには青梅で作った硬い歯ごたえの梅干しを仕込む方もいるので、これは好みですね」

スタッフ佐藤:
「『梅干しは黄熟した梅で』を忘れなければいいんですね。これなら覚えておけそうです!」

 

「どうしても、ヘタ取りが面倒で……」
(スタッフ 上山)

小川さん:
ヘタは取らなくても大丈夫。梅干しもシロップもついたままで作れます。

ただヘタは長い時間漬けても柔らかくならないので、口にしたとき舌に残るんです。

家庭で食べる分には気になった時点で取り除けば問題ないのものですが、あらかじめ取っておきたいという方は竹串を使うとポロっと簡単に取れますよ」

スタッフ上山:
「ヘタを漬けると苦味が出たり渋くなったりするのかなと思ったけれど、味に変わりなはないんですね〜。これは知れてうれしい!」

あまりに初歩的すぎて、もしかしたら解決法はないのでは?なんて思っていたけれど、想像以上に心強い答えが返ってきてがぜんやる気が湧いてきました。

この気持ちのままなにか作ってみたい。そこで惹かれたのが、小川さんの著書で紹介されていた自家製梅干しです。

梅酒や梅シロップよりもハードルが高いと思っていたけれど、そのレシピは感動するほどシンプル。さっそく教えてもらいました。

 


10 分で仕込み完了。
ジップロックでつくる「自家製梅干し」


材料

・梅 1kg
・塩 160g(梅の重さに対して16%)
・ジップロック 2枚

小川さん:
「塩の量は、10〜18%の間でお好みで決めてくださいね。ただ16%程度がカビにくく作りやすいので、初めて作る場合は目安にするといいかもしれません。

もし塩分10〜15%くらいでしょっぱさを抑えた梅干しを作りたい場合は、殺菌のためにホワイトリカーを大さじ2程度入れてください」

 

作り方

【1】梅を水洗いする

【2】清潔なタオルで水気をふき取る

【3】ジップロックに梅と塩を入れる

【4】全体に塩が行き渡るように、やさしく裏表をひっくり返す

【5】仕込んでから一週間は、一日に一回袋をひっくり返す。常温で保管する。

 

食べごろは、約半年後!

小川さん:
「ヘタ取りもシソ漬けも土用干しもしない、一番手順が少ない作り方です。簡単ですが、できあがりは十分梅の香りと美味しさが楽しめますよ。

まずは一度作ってみて、自分好みにしたくなったらむりのない範囲で工程を増やして味を深めてみてくださいね」

はじめの一週間は梅酢を全体に行き渡らせるため、ひっくり返す作業が必要ですが、そのあとは自然と梅がおいしくなってくれるなんて。梅干しって不思議な食べ物ですね。

小川さんいわく、あまりしまいこまずに人が通る場所で保管するのがおすすめだとか。

おいしくいただく日を想像して半年間を過ごせば、いっそう愛着が湧きそうですよね。

さて、第2話では重い腰を上げ始めたスタッフ3人が、梅シロップのアレンジレシピに挑戦します!

途中で飽きて飲みきれなかった、最後に残る梅がもったいないなど、作ったあとにぶつかってしまうあるある問題。

これをクリアすれば、自信をもって梅しごとビギナーとして旬の時期を迎えられる気がします。ぜひ、おたのしみに。

(つづく)

【写真】木村文平(2,3枚目以外)


もくじ

小川睦子(おがわときこ)

梅干研究家。編集プロダクション勤務を経て、フリーの編集者・ライターとして活動。旅や食に関する編集・執筆を行うかたわら、梅干研究所の所長を務める。梅干し作りのキャリアは10年以上になり、毎年6月には福岡へ梅の収穫に行くのが恒例。

▽小川睦子さんの著書はこちら

 


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