【梅しごとビギナー】後編:基本の梅シロップが3変化!凍らす・混ぜる・煮る「だけ」のかんたんレシピ
初めての梅しごとはお手軽な梅シロップがおススメ。煮沸して冷蔵保存もでき、残った梅・余った梅は梅ジャムにして美味しく食べることができます。砂糖の種類によっても味が変わるので、お好みのレシピを見つけるのも楽しいですよ。「やってみたいけど、手間がかかりそう……」そう思っている方も少なくないはず。今年こそは挑戦してみたいという方のために、梅シロップの作り方と簡単なレシピをお伝えします。
編集スタッフ 岡本
一年に一度、興味心をくすぐられる梅しごとの時期。
でもつい買い逃してしまったり、面倒くささが頭をよぎったりと、じっさいに自分の暮らしで楽しむことができていませんでした。
そこで身近なクラシコムスタッフにこっそり梅事情を聞いてみると、意外にも同じ気持ちでいる梅しごとビギナーが7割も。
(調査人数:35人)
今年はそんな初心者仲間たちと、梅しごとへのハードルをぐんと下げる特集をお送りしています。
▲左から、一度やったきり最近できていないと話すスタッフ青木と上山、まだ一度もチャレンジしていないスタッフ佐藤。
第1話では、スタッフ3人が抱えている困りごとや、一番かんたんな梅干しの作りかたをお伺いしました。
第2話でご紹介するのは、定番の「梅シロップ作り」と「3つのアレンジレシピ」です。
スタッフに作ってみたい梅レシピを聞いたところ、子どもから大人まで気軽に飲める「梅シロップ」がもっとも人気のよう。
すでに作ったことがあるスタッフから挙がった「せっかく作ったのに飲みきれなかった」「残った実がもったいない」という、あるあるな悩みにも答えていきますよ。
先生としてお招きしたのは、梅干研究家の小川睦子(おがわときこ)さんです。
梅に魅了されて10年以上。梅干研究所の所長を務めながら、初心者でも試しやすいレシピを数多く考案されています。
まずは「基本の梅シロップ」を作ろう!
材料
・梅 1kg
・砂糖 1kg
・ホワイトリカー 大さじ2程度(殺菌用)
・密閉保存瓶(3Lサイズ)
小川さん:
「今回は氷砂糖を使用しますが、もちろんさらさらの白砂糖でも作ることができます。
他にも、黒砂糖だとこっくりと濃厚な甘さに、きび砂糖だとやさしくさらりとした口当たりにと、仕上がりに変化が。
砂糖の種類をブレンドしてもおいしく作れるので、お好みを探していろいろ試してみると面白いですよ」
作りかた
【1】梅を水洗いする(青梅の場合は、数時間水に浸してアク抜きをする)
【2】清潔なタオルで水気をふき取る
【3】ホワイトリカーを保存瓶に入れてまんべんなく行き渡らせたら、キッチンペーパーなどでふき取る。
【4】保存瓶に梅と砂糖を入れる
【5】1日1回ひっくり返して、2週間くらいで飲み頃に
小川さん:
「よく保存瓶に入れるときは、梅と砂糖を交互に入れた方がいいかを聞かれますが、あまり気にしなくて大丈夫です。
砂糖が溶ける2週間のあいだに、ゆっくりと混ざり合っていきますよ。
出来上がったら一度鍋で煮沸し、冷蔵保存すると安心です」
梅シロップは意外と簡単に作れると聞いたことがあったけれど、本当に洗って拭いて入れるだけだったとは。次にスーパーで梅を見かけたら躊躇なくカゴに入れられそうです。
さて、定番の梅シロップなら作ったことがある!という方、お待たせしました。ここからはスタッフを交えてアレンジアイデアをお届けします。
梅シロップを凍らせたら……
爽やかな「梅シャーベット」に!
材料
・梅シロップ 150ml
・水 150ml
作りかた
【1】梅シロップと水を1:1の割合で混ぜる
【2】製氷機に入れ、数時間冷凍庫で凍らせる
【3】固まったら、食感が残る程度にフードプロセッサーで砕いたら完成(フードプロセッサーがない場合は、製氷機を使わずバットに流し、凍ったらスプーンで削り出す)
スタッフ青木:
「わ〜おいしい!さっぱりした梅の甘さがシャーベットにぴったりですね。
少ない材料でできるので、夏のおやつの定番になりそう。
サイダーで割ったり、ミントや梅の実を添えたりさらなるアレンジも楽しめますね」
小川さん:
「凍らせると甘さを感じづらいので、1:1と濃いめにしています。もし出来上がって甘さが足りなかったら、シロップをたらして調節してくださいね」
いつもの調味料と混ぜるだけの
手作り「梅ドレッシング」
材料
・梅シロップ 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
・レモン汁(酢でも可) 大さじ1
・塩 小さじ1
・醤油 小さじ1
作りかた
【1】すべての調味料を混ぜる
【2】お好みで味を微調整して完成
スタッフ佐藤:
「梅シロップがドレッシングになるなんて驚きです。
混ぜたのはふだん使っている調味料だけですが、ふわっと香る梅の爽やかさが新鮮!野菜をおいしく食べられそうです」
小川さん:
「材料はシンプルな味付けにしました。
お好みでおろし生姜や、唐辛子を入れるとピリッと大人な風味に変わっておいしいですよ。
とくに相性がいいのはシーフードサラダ。ぜひ試してみてくださいね」
梅の実は捨てないで!
やさしい甘さの「梅ジャム」
材料
・梅シロップに漬けた梅の実
作りかた
【1】梅の実から種を取り除く
【2】実をフードプロセッサーにかける(ない場合は、包丁で細かく刻む)
【3】火にかけてプツプツと煮立ったら完成
スタッフ 上山:
「長期間、砂糖に漬けていたから甘すぎるかな?と思ったけれど、自然な甘さで食べやすいですね〜。
我が家では梅シロップでなく梅酒を漬けているのですが、その梅でもジャムは作れますか?」
小川さん:
「梅酒に使った実もジャムになりますよ。お酒の香りが少々残ることもありますが、大人が食べる分には問題ありません。
甘さが足りないときは、火にかけるときに砂糖を足してくださいね。アルコールを飛ばすため、梅シロップの実で作るときよりもしっかりに火にかけるのがポイントです。
また梅の実は酸がつよく、焦げつきやすいので、琺瑯やテフロン加工などコーティング加工された鍋をおすすめします」
今回梅しごとに挑んだビギナー3人に感想を聞くと、「手軽にできてあっという間だった!」「思ったよりもいろいろなレシピで使えるね〜」と、嬉しい笑顔を見せてくれました。
これまで抱いていた困りごとが解消し、実際に手を動かして触れ合ったことで、梅しごとへのハードルはぐんと下がったようです。
梅の可能性は無限大!
小川さん:
「仕事が忙しかった頃、しぜんと体が梅干しを欲していることに気付きました。
おいしい梅干しが食べたい一心でいろいろ買ってみたけれど、思い通りの味に出会えない。
『なら自分で作ってみようかな』と本を買って、見よう見まねで自家製梅干しを作ったことが、梅にはまるきっかけでした。
作り始めて10年以上になりますが、毎年梅のおいしさにびっくりさせられています。
今年の梅シーズンが、皆さんにとって自分好みのおいしさを模索する第一歩となればうれしいです」
おっくうだなあと思いつつ、興味の種を捨てきれずにいた梅しごと。
いざやってみると、自家製のおいしさはもちろんのこと、手をかける時間や瓶の佇まいまでもが愛おしく感じられました。
手慣れた様子でひょひょいっとできるわけではないけれど、自分のペースで楽しめる梅しごとに出会えた気がします。
今年こそスーパーで見かけた梅を、手に取るきっかけになれたらうれしいです。
(おわり)
【写真】木村文平
もくじ
小川睦子(おがわときこ)
梅干研究家。編集プロダクション勤務を経て、フリーの編集者・ライターとして活動。旅や食に関する編集・執筆を行うかたわら、梅干研究所の所長を務める。梅干し作りのキャリアは10年以上になり、毎年6月には福岡へ梅の収穫に行くのが恒例。
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