【窓辺ライフ】後編:これならできる、窓辺をもっと愛したくなるしつらえ

ライター 小野民

おうちのインテリアを考えるときに、意外と手付かずになっていたり、有効活用できていなかったりする窓辺。でも、窓辺はもっとすてきに、そして自由に楽しめる。そんなスペースにするための工夫をご紹介しています。

前編では暮らしの装飾家・ミスミノリコさんがお住いの団地にうかがい、お気に入りの布をカーテン代わりにするアイデアなど、窓辺の楽しみ方をお聞きしました。

後編では引き続きミスミさんにご登場いただき、気軽に取り入れられる窓辺のアイデアについてうかがいます。

 


暮らしの装飾家・ミスミノリコさんの
窓辺ライフを楽しむアイデア


カーテンレールを利用して
グリーンは吊って楽しむ

▲上から瓶を覆っているのは、お古のTシャツを割いた布をかぎ針編みで編んだもの。

カーテンレールを利用すれば、好みの位置に花瓶を吊り下げるのも思いの外簡単です。

ここでは、北京の梅ジュースの瓶だった容器の口に麻ひもをぐるり。バランスがいいように左右で結んでいます。しっかり結べば、滑り落ちる心配もありません。

ミスミさん:
「ペットがいたり、小さな子どもがいたりすると、花瓶をテーブルに置いて飾るのが難しい場合もあります。そんなときにも、吊るすのはおすすめ。蔓ものを生けるとバランスがとりやすいです。

S字フックはすごく便利。うちには大小さまざまあって、いろんな場所で吊り下げるのに使っています」

 

風通しがいいから
保存容器の乾燥場所にぴったり

窓辺にすてきなカゴが吊り下がっているなと思ったら、そこは調理道具の乾燥場所。

ミスミさん:
「とくに凹凸が多い保存容器って上手に拭いたり乾かしたりが苦手で。窓際にこうやって干してみたらよく乾くので、ストレスがちょっと減りました」

カゴは、義理の祖母の家からもらってきたもの。カゴ類が好きで、ついつい増えてしまうというミスミさんですが、いつも「なにかに使えないかな?」と目を光らせて、なるべく役割を与えるようにしています。

窓辺は、食材や草花の乾燥スペースとしても優秀。直売所で買ったわらに編み込まれた唐辛子は、窓辺が定位置です。ドライフラワーを作ったり、秋にはベランダで干し柿を作ることもあります。

 

視点が変わると気持ちも変わる
ラグをしいて「ピクニック」

椅子に座って過ごすことの多いわたしたちの生活。ミスミさん夫婦も、仕事柄同じ姿勢で机に向かう時間が多いそう。ダイニングテーブルで向き合って根を詰めて作業しているときにはとくに、床に座ってピクニック気分を味わうことが息抜きになります。

ミスミさん:
「スペインのグラナダで遊びに行ったお宅では、屋上でごはん後のティータイムを過ごしていました。テラコッタのタイルの上にラグを敷いたスペースには、かわいいクッションがいくつもあって、私もこんな暮らしを真似したいなぁと思っていました」

窓際にお気に入りのラグをしいて、床に座って一服すれば、気持ちがリフレッシュ。視線がぐっと下がっただけで、見える景色も全く違います。

▲下にひいているのは、実はポンチョで、20代に旅したボリビアで購入した思い出の品。

ミスミさん:
「カフェで一息するのに似ている気分が味わえます。それに、いつもと違う目線だと、見慣れたはずの家の装いも新鮮に映って、新たな発見があって楽しいんです」

 

窓辺をちょっとドラマチックに!
物干し竿にランタン

ミスミさん:
ベランダからの景色がお気に入りじゃないこともありますよね。我が家の前にもマンションが建って景色がちょっと変わってしまいました。でも、部屋からの眺めを簡単に変える方法があるんです。

それが物干し竿を使う方法。たとえば、夏には白い布をベランダの手すりや物干し竿にかけるだけで、日よけにも目隠しにもなります。

家が囲まれているような安心感もあり、ちょっとだけリゾート感も(笑)  」

S字フックを使って、ランタンを吊り下げるのもミスミさんのおすすめ。手前に視線を持ってくることにより、景色の見え方が変わります。

形違いのランタンを高さを変えて下げ、昼間もその眺めを楽しんでいるそう。物干し竿は部屋から見えない位置に吊り下げることがポイントです。

ティーキャンドル型のLEDライトを灯せば、家の中からの景色がほんのりドラマティックにもなります。

▲ミスミさん撮影

ミスミさん:
「我が家でごはん会を催すこともあり来客が多いので、目印として使うこともあります。窓辺にランタンが灯っていると、うちに向かって来るときに明かりを目指せるし、なんだかワクワクするみたい。お客さんにも喜ばれます」

 

「家が好き」を、もっと進化させたいから。

1日の大半を過ごす部屋の窓を「ふと顔を上げてみたくなるように」手をかけてきたというミスミさん。

視界に入るお気に入りや、曖昧な境界をそよぐ布を見ていると、居心地も風通しも両方いい、この家の魅力の理由が分かったような気がしました。

自分の家もぐるりと見回せば、窓はここにも、あそこにも。小さな工夫を知ったいまは、お気に入りの場所予備軍の窓辺を見つけて、むくむくと装飾欲が出てくるではありませんか。

そうか、ミスミさんの肩書きにある、「暮らしの装飾家」ってこういうことだったのかと納得。教えていただいた工夫は、どれも自分の暮らしに無理なく取り入れられそうです。

自分の家に自らの手で好みにしつらえた場所が増えるのを想像すると、我が家への愛着が増しそうで、手付かずだった窓辺を持つ私も、わくわくしてくるのでした。

(おわり)

【写真】志鎌康平


もくじ

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ミスミノリコ

ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科テキスタイルコース修了後、株式会社サザビーにてウィンドウディスプレイやスタイリングの仕事に携わる。現在はフリーランスとして店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイリングなど幅広く活躍しながら、ふだんの暮らしに取り入れられるデコレーションアイデアや手作りの楽しさを発信。著書に『繕う暮らし』、『小さな暮らしのおすそわけ』(主婦と生活社)など。8月に『繕う愉しみ』が発売予定。インスタグラム(@min_msmi)も人気。http://room504.jp

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ライター 小野民

編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫3匹と山梨県在住。


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