【チームではたらく】「やさしさ」って、なんだろう?
お客様係 石井
特集「チームではたらく」は、お客さま係のスタッフが、自分たち自身でこのチームの「らしさ」をつくるものについて考える全3回の不定期連載。
お客さま係の私・石井が今年1月に入社したときに感じた「このチームって、なんだかおもしろい」という思いをきっかけに生まれた企画です。(詳しい経緯はこちら)
第1回目となる今回は、「やさしさって、なんだろう?」ということについて考えます。
入社前の私のイメージでは、ほっこりほんわかな「やさしい人たち」だったお客さま係ですが、実際に接してみると、意外な強さや率直さに驚く場面もありました。
考えてみれば、「やさしさ」にはいろんな意味があります。すべてを受け入れること、厳しく接すること、甘えられる余地をつくってあげること、相手を尊重すること……さまざまに言い換えることもできます。
あれ? じゃあ、私が思っていたお客さま係の「やさしさ」って具体的にどういうことだったんだろう? そんな疑問が頭のなかをぐるぐるし始めてしまいました。
そんなわけで、まずはこのチームでの「やさしさ」について考えてみたくなりました。
今回私が話を聞いたのは、このふたり。
左:お客さま係 中川(2016年入社) 右:お客さま係 市原(2018年入社)
お客さま係の仕事を教えてくれた先輩の中川と、私と同期入社で1年目の市原。それぞれが「お客さま係らしいやさしさやコミュニケーション」についてどう考えているのか、聞いてみたいと思います。
「やさしさ」って、なんだろう?
実は私、入社したてのころに「自分の思うやさしさと、人が思うやさしさは違うよ」っていうアドバイスをもらったことがあるんです。たしかにそういうものだとは思うものの、「やさしさ」って具体的な言葉にしにくいし、一筋縄ではいかないなぁと……。ふたりは、どんなことだと思いますか。
中川:
私なりの理想は「その時のその人にとってベストなことってなんだろう?」と考えて動くことなんです。
たとえば、電車で服にタグがついたままの人を見かけたときに、「今は恥ずかしい思いをさせてしまうかも」とあえて後で伝えるか、「早く気づかないと困るかな?」とすぐに伝えるか。それはどちらも「やさしさ」だし、正解はないと思います。
でも私、行動力がないので実際には何もできないことも多くて。後から「やっぱりこうすればよかった」って、ひとり反省会をよくしてます。
想像するって難しい。それでも、できる限り。
市原:
相手の状況や気持ちを想像することって、私もすごく大事だと思っています。お客さま係の仕事だったら、お客さまから届いたメールがたとえ数行しかなくても、その行間を読みたいなって。表情とか声の感じも含め、いつも何かヒントを探しています。
やさしさの第一歩って、想像することなのかもしれませんね。
中川:
そうだと思います。でも、想像するときには先入観っていう落とし穴があるんですよね。
市原:
わかります。よかれと思って選択したことが、思いがけず相手を傷つけたり、がっかりさせたりしてしまった経験がありますから。そのたびに毎回反省です。
中川:
経験を積めば全部想像できるようになる、というわけじゃないですからね。逆に、無意識のうちに「このことは知ってるだろう」「きっとこうしたいんだろう」って予測しちゃう怖さもありますから、気をつけています。
一人ひとりと向き合いたい
でも、思い込みを捨てるのって難しいですよね。お客さまとやりとりするときは特に気をつけたいと思うのですが、何か心がけていますか?
市原:
私は、お客さまと自分は「1対1で向き合っているんだ」ってことをいつも意識するようにしています。「お客さま」っていう全体像じゃなくて、その都度「目の前の人」に対して共感したり、想像したりできるように。
中川:
(深くうなづく)私も、同じことをいつも自分に言い聞かせています。
「伝わる」言葉で、伝える
コミュニケーションしていく上での、悩みごとってありますか?
市原:
「伝え方」はすごく悩みます。お客さまとのやりとりに限りませんが、この言い方でちゃんと伝わるかな?って、立ち止まってしまうことも多いです。
中川:
私もです。だから、自分の気持ちとか感情をもっと言葉にできるようになりたいんですよね。今の自分はまだ、表現の幅が足りないような気がして。
市原:
単語の選び方や語尾ひとつで、印象が変わってしまうことってありますもんね。特に、ネガティブなことをお伝えしなければならないときほど、きちんと言葉を尽くさないと、と気をつけています。
中川:
あとは、自分がこう言われたらどう思うだろう?ということは常に考えていますね。自分の親だったらこういう言い方で通じるかな?とか、身近な人に置き換えて気持ちを想像してみたりもします。
市原:
そういうときも、想像力って大事ですね。むずかしいことですけど、ちゃんと相手に伝わってはじめて「コミュニケーション」になるんじゃないかと思います。
私たちらしい、やさしさを。
チームとしての「やさしさ」についてはどうでしょうか?
市原:
チームとして見たときも、基本的には変わらないと思います。入社して以来、日々やってきたことと、今日聞いたり話したりしたことはおんなじだなって。
中川:
でも、チームのメンバーもそれぞれ違う人間なので、やっぱりグラデーションはありますよね。気持ちの熱さや冷静さのバランスがそれぞれ違うので、話しているとそんな見方もあるんだ!って気づかされることも多くて。
市原:
そうですね。それに、何事も相談しやすくて、みんなでやろうという雰囲気があるのがうれしいです。1通のメールに対して3、4人集まってウンウン言いながら考えることもありますし。
中川:
どうしても対応に迷う場面は日々ありますが、そういうとき誰かに相談すると違う見方や感じ方がヒントになってパッと答えが見えたり、ストンと納得できたりしますね。チームってありがたいなぁと思います。個人の想像力を補ってくれる存在だな、って。
市原:
日々の仕事を振り返っても、お客さま係のメンバーでひたすら想像して、必死に伝えて、また想像して、の繰り返しですね。
中川:
すごくむずかしいですけど、それがやる気の元でもありますよね。これからも一緒にがんばりましょう。
市原:
はい!
私のなかの「やさしさって、なんなの?」というモヤモヤが、ふたりのおかげで晴れてきたように感じられます。
私が入社当初に言われた「自分の思うやさしさと、人が思うやさしさは違うよ」は、きっと、ルールに頭でっかちだった私への「相手のことを、もっとじっくり想像してごらん」というアドバイスだったんですね。
そして、お客さま係の「やさしさ」の根っこにあるのは、毎回新たな気持ちでお客さまと向き合い、想像し、ベストな答えにたどり着けるよう全力を尽くす、という姿勢。
その都度「今」のベストを探しているからこそ、迷うんだ。そう考えると、私が日々直面する迷いにも、これからはポジティブに向き合えそうです。
次回のテーマは「変わるって、いいこと?」です。私には、お客さま係は変化をためらわないチームに見えました。変化することは怖くないの? いい変化ってどんなことだろう? お客さま係のメンバーで考えていきます。
(つづく)
【写真】木村文平
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