【チームではたらく】変わるって、いいこと?
お客様係 石井
特集「チームではたらく」は、お客さま係のスタッフが、自分たち自身でこのチームの「らしさ」をつくるものについて考える全3回の不定期連載。
お客さま係の私・石井が今年1月に入社したときに感じた「このチームって、なんだかおもしろい」という思いをきっかけに生まれた企画です。(詳しい経緯はこちら)
第2回目となる今回は、「変わるって、いいこと?」について考えます。
「変化」は、楽しみでもあり、不安でもあり、自分を褒めたくなることもあれば、後悔することもあり、なんだかつかみどころがないもののように感じます。
私がクラシコムへ転職した当初は、まさにこの心境でした。「お客さま」として好きだったお店で、自分がはたらく。もちろん楽しみではありましたが、それと同じくらい、不安がありました。
変化って大変だし、結構苦しいなぁ。そう感じつつ飛び込んだ「お客さま係」というチームでしたが、その仕事は、なんと、変化の連続でした。
入社以降の10ヶ月で、新たにやり始めたこと、やめたことがあり、個々の仕事のやり方もめまぐるしく変わっていきました。そのなかで、どうしてこんなに変えるの?、怖くないの?との疑問がわき始めたのです。
ということで、今回私が話を聞いたのは、このふたり。
左:お客さま係 西野(2015年入社) 右:お客さま係 今野(2017年入社)
入社したときには、お客さま係は4人体制だったという西野。チームには今、その倍の人数がいます。そして、入社してから1年と少しが経った今野は、私にとっていちばん近い先輩です。ふたりにとって、お客さま係の変化はどんなものだったのでしょうか?
変わるって、いいこと?
このテーマが気になったきっかけは、イベントでお客さま係が受付を担当したときのことなんです。本番2日前に、受付のやり方を大きく変えたことに驚いてしまって。正直不安でしたが、結果として当日スムーズにお客さまをご案内することができて、変えてよかったなと思えたんですね。
私は変化を目の前にすると怖さも感じるのですが、ふたりにとって「変化」とは、どんなものでしょうか?
今野:
何かが変わること自体は、よいも悪いもどちらでもないと思うんですよね。とらえ方や状況で、きっとどんなものにもなり得ると思うので。
西野:
私は、自分から変わりたいというより、周りの変化に柔軟でいることを常々心がけているんです。過去に執着しすぎないように、と。でも、正直なところ「このまま変わらないでいたほうが、ラクだよな~」と思うことも多いですよ。
私も、その気持ちはすごくわかります。
西野:
変わることってやっぱりエネルギーが必要ですから。一生懸命、自分で自分のお尻を叩いている感じです(笑)。
変化の連続に向き合って
私が入社してから今まで、お客さま係の仕事はかなり変化しているように感じています。これまでも、こんなにめまぐるしかったのですか?
西野:
私が入社した頃から比べると、ありがたいことにたくさんのお客さまが利用してくださるようになって、オリジナルの商品も増えて、イベントもするようになって、お客さま係のメンバーも増えて……。
振り返ってみると、お店の状況はずっと変化し続けています。それに合わせて、仕事のやり方も自然と変わってきたように思いますね。
今野:
私は入社して1年ちょっとですが、変化は多かった印象ですね。大変なときもありましたが、よい方向に変わっていっている気がしています。
変えたくないから、変わる
お客さま係のメンバーって、基本的にみんな慎重な人たちだと思うんです。アグレッシブに「どんどん変えていくぞ!」というタイプではないような……。それなのに、変わり続けているというのが不思議です。
西野:
私たちが大事にしている「フィットする暮らし、つくろう」というコンセプトを守るために、変化していくことが必要な部分もあると思うんですよね。
極端な話ですが、「私たちはこのやり方しかできません」というような頑なな姿勢では、コンセプトとずれてしまいますから。そういう意味では、ずっと変化を続けていかなくちゃ、という思いもあります。
そうか。「変わること」っていうのは、大事なものを守るための手段でもあるんですね。
ルールに縛られず、臨機応変に
今野:
私たちがいちばん大事にしたいのは、やっぱりお客さまに安心してお店でお買い物を楽しんでいただけることなんですよね。「自分たちが慣れたやり方を続けたい」わけじゃなくて。
お客さまと直接やりとりする仕事だからこそ、その都度変わっていけるような臨機応変さも必要だと思います。
そういえば、お客さまへの対応に迷って相談したら「石井さんは、どうしたい?」って逆に聞かれて驚いたことがありました。「こうしなければ」っていうルールはないんだ!って。
今野:
最低限の決まりごとや、ベースになる部分はもちろん大切です。でも一方で、ルールで頭でっかちになっていると、目の前のお客さまのことが見えなくなってしまいそうなので、そこは気をつけています。
西野:
日々のちょっとしたやりにくさや違和感がある部分も、そのままにしてちゃいけないと思っていますね。そういう敏感さや柔軟性は、持ち続けていたいです。
たしかに「変えてみよう」「今度はこういうふうにやってみよう」というのが、このチームの日常です。それって実は、毎日ひたすらに大事なものを守っている、ってことなのかもしれませんね。……なんだか、日々の仕事に対する見方が変わりそうです。
チームだから、変われる
変えたほうがいいとは思っても、実際に行動するにはもうひと踏ん張りが必要ですよね。どうして、こんなに軽やかに行動に移せるんでしょうか?
西野:
何かを変えることって、たしかにパワーが必要だし、勇気もいります。でも、そういうときこそチームっていいなぁと思うんですよ。
みんな前職やこれまでの経歴もバラバラで、いろんな知識や経験があるんですよね。知恵を出し合ったり、それぞれが得意なことに力を発揮したりと、助け合いが日常茶飯事で。だからこそ、フレキシブルに変わっていけるんじゃないかと思います。
なるほど。自分ひとりより、みんなで「やるぞ!」というほうが、やる気も出ますしね。
今野:
みんなで協力しあいながら、これからもそのときのベストな形のチームへと変わり続けていきたいですね。
ふたりの話を聞きながら、「自分(たち)が変わること」は目的ではなくて手段だったんだ、ということに気づきました。
コントロールできない「周りの変化」と、理想を実現させる手段としての「自ら起こす変化」を、ちゃんと分けてとらえる。
すると、私のなかで「変化」そのものに対して漠然と感じていた不安や恐怖が、すっと消えていきました。
こうありたいという姿が明確だからこそ、お客さま係というチームは、軽やかに自らを変化させていけるのかもしれません。
……などと考えていたら、「とりあえず、やってみる」と数日前に自分が書いたメモを発見しました。私もすでに、お客さま係というチームの空気に影響を受けているようです。
次回のテーマは「チームワークってどういうこと?」です。チームではたらくときに、心がけていることは? チームとして「うまくいく」ってどういうことだろう? お客さま係のメンバーで、考えていきます。
(つづく)
【写真】木村文平
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