【158cmのおしゃれ哲学】前編:日本人の平均身長だからこそ。洋服選びはバランスがカギ

ライター 大野麻里

モデル・女優として活躍している高山都さん。当店で販売する洋服のモデルとしても何度か登場いただき、その笑顔とチャーミングな振る舞いに、社内にもファンが多い女性です。

高山さんの身長は、158cm。実はこの数字は、日本人女性(25〜50歳)の平均身長とほぼ同じ。

モデルとしては決して背が高くない高山さんですが、インスタグラムなどに投稿される私服のコーディネートは、それを感じさせないほどにスラリとバランスがよく、高山さんの魅力が詰まっているものばかり。

自分らしく、スタイルよく。肩肘張らず、カジュアルだけど女性らしい高山さんのコーディネートには、どんな秘密が隠されているのでしょう。その “哲学” を伺いに、高山さんの自宅を訪ねました。

 

158cmでもバランスよく。どうすればスタイルよく見えますか?

高山さん:
「スタイルを少しでもよく見せるよう、肌を見せる分量はすごく意識しています。首まわりがきれいにあいているものを選んだり、襟元が詰まったデザインなら腕まくりをして手首を見せたりして。

あとは縦のラインを意識すること。ワンピースやロングスカートなどは縦長のシルエットになるので、すっきり見えます。トップスとボトムスを白×白や、青×青みたいに同色でそろえるのも好きですね。

重心が下がって見えないようにすることも心がけています。たとえば、ななめがけバッグはストラップを短めにして視線を上に集める。ちょっとしたことですが、なんでも “上がる” ことを意識すると、変化が生まれるかなぁと思います」

現在、35歳の高山さん。年齢を重ねるうちに、大人の女性らしさも意識するようになったと話します。

高山さん:
「服がカジュアルでもきちんと時計をするとか、シンプルなニットを着るときはアクセサリーで華やかにするとか。テロンとした化繊素材の服は、靴やカバンで革の質感を加えて引き締めるとか……。

パーカーやボーダーといった部屋着にもなりうる服の場合は、とくに。大人の女性らしい要素を、なにかプラスするようにしています」

それではここで、高山さんの私服の一部をご紹介。この冬買ったものを中心に、スタイルアップを意識した3つのコーディネートを見せていただきました。

 

やっとたどり着いた縦長服
Aラインシルエットのロングワンピ

▲ワンピース:エトレトウキョウ、ロングカーディガン:ビューティー&ユース、バッグ:イザベルマラン、ブーツ:B’witch

 高山さん:
「体型をカバーして、すらりと縦長に見せてくれる服。それを求めてたどり着いたのが、Aラインシルエットのロングワンピースです。丈の長いワンピースは、いまや私の定番コーディネートのひとつ。自信のない足まですっぽり隠してくれて、スタイルアップして見えるので好きですね。

寒い時期は、この上にロングカーディガンを重ねます。私、ずっとカーディガン難民でした(笑)。組み合わせのバランスが難しく、ベストな丈がなかなか見つからなくて。ようやく自分に似合うかもと思えたのが、くるぶしぐらいまである、潔く長い丈。

中途半端な丈を選ぶよりも、思い切ってロング丈を選んだ方が、縦のラインが強調されて背がすらっと高く見えると思います」

▲バッグはストラップを短めにして視線を上へ。

 

パーカー×ロングスカートは
素材とシルエット選びで “おしゃれ感” を

▲パーカー:ユニクロユー、ロングスカート:ジルキー、バッグ:イザベルマラン、靴:コンバース

高山さん:
「このパーカーは『ユニクロユー』のメンズのXSサイズ。レディースだとウエストあたりが女性らしくシェイプされていて、それにスカートやデニムを合わせると、ご近所スタイルっぽく見えてしまうかな、と思いメンズで探しました。きちんと試着をして自分に合ったサイズを吟味すると、おしゃれ感が出ると思います。

ロングスカートはいつも、やわらかくて薄い、シアーな素材感のものを選びます。張りのあるコットン素材だと、ギャザーが腰まわりでふくらんでスタイル悪く見えるし、野暮ったくなってしまうんですよね。素材選びがポイントです」

 

インナーで縦ラインをつくる
冬のコートコーデ

▲コート:アトリエベトン、ニット:オーラリー、デニム:シンゾーン、バッグ:セリーヌ、靴:ピッピシック

高山さん:
「最後はコートのコーデ。このコートは、肩のラインが落ちて丸みのあるドロップショルダー型。最初からこういうデザインだと、肩の位置が多少合わなくても、 “コートに着られている感じ” がなくなるのでおすすめです。

中にはブルーのニットとデニムを合わせて、同色コーデにしてみました。こうすると目線が縦のラインに集まるので、すっきりと見えるんです。あとは、バッグのストラップをあえて短くして、高めの位置にグレーを差し色にしています」

 

スタイルアップの秘けつは、小さなことの積み重ね

高山さんのコーディネートは、小さなヒントの積み重ね。絶妙な丈や、上品に見える素材選び、着こなし方など、ちょっとした工夫を散りばめて全体のバランスを仕上げているようです。その姿勢は、スニーカーの履き方ひとつにも表れていました。

高山さん:
「『コンバース』でも、昔ながらの『 チャックテイラー』がお気に入り。ステッチが入っていてシュッと見えるんです。履くときは、できるだけ上まで編み上げて、きゅっと紐をしばって。縦のラインが強調されるよう、細長く見えるように履いています」

自分らしく、毎日のおしゃれを楽しむ高山さん。けれどもここまでの道のりは、意外と順風満帆ではなかったようで……。

後編では、人と自分を比べては落ち込んでいた20代から、30代にかけて変わった心境の変化についてお話を伺います。

(つづく)

【写真】ニシウラエイコ
【ヘアメイク】渡嘉敷愛子

 

もくじ

 

高山都

1982年生まれ。大阪府出身。ビューティーモデル、ドラマや舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広く活動。おいしいものと音楽、お酒とこよなく愛し、趣味はランニングと料理。日々の 美・食・姿を綴った著書は、好評につき第2弾『高山 都の 美・食・姿2 「日々のコツコツ」続いてます。』(共に双葉社)が発売中。

 

ライター 大野麻里

編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。

▼高山都さんの著書はこちらから


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