【いつもの服は、名脇役】第1話:普段着にときめかなくなって、どれだけ経ったのだろう
普段着をおしゃれに着こなすコーデのポイントをスタイリストさんが解説!普段着には、「これを着れば間違いない」という安心感を持ちたいですよね。失敗が絶対にない安心感が当たり前にあるのは、すごいことです。
編集スタッフ 糸井
昨年の冬からでしょうか。平日の、クローゼットから服をえらぶ瞬間がどうにもつまらないんです。大体同じコーデを今朝も手に取るだけ、そんなマンネリズムに陥っていました。
服を新調すれば、簡単にときめきを取り戻せるのは知っているけど、いつもお財布に頼る訳にもいかないし……。
そこで思いました。「なんとか手持ちの普段着に、ときめきなおすことはできないものか? 」と。
そんな想いで企画したのが、特集『いつもの服は、名脇役』です。
「普段着にときめきを」なんて、求めすぎなのかもしれないけれど、買った当初はこの服にもときめいていたのだから、きっとまた好きになれるはず。
そうした希望を胸に、洋服を生業にしているスタイリストさんは、普段着の役割をどう考えているのかを聞いてみることに。今回、商品ページのスタイリングでも何度かお世話になっているスタイリストの西森萌さんに話を伺いました。
撮影現場でお会いする西森さんは、自然体という言葉がとても似合う人。普段着からも、そんな空気が滲み出ているのが印象的でした。柔らかいけれど、確かに何か理由を持って服を選んでいる気がしたのです。
西森さんはどういう理由で普段着を選んで、着続けているのでしょうか。まずはその話から伺ってみたいと思います。
定番コーデは2〜3パターン。西森さんの普段着を見せてもらいました!
西森さん:
「朝、無意識に選んでしまうコーデが、2〜3パターンあります。昨年子供が生まれてからは、今日着てきたこの上下セットには、一番お世話になっています。
ベルトいらずの紐パンツは、ゆったりシルエットで動きやすく、脱ぎ着もしやすいのが好み。それからこのトップスは、さらっと一枚で着れる厚手だから透けにくく、夏でもインナーを気にしなくていいんです。
元々モデルのフィッティング用に買ったのがきっかけでしたが、気に入ってすぐに色違いを買っちゃいました。今では半袖長袖をそれぞれ5枚ずつ持っています」
▲もう5年ほど愛用しているとのこと
もうひとつの定番コーデは、ロング丈のチュニックとデニムの組み合わせだそう。
西森さん:
「子供を産む前に一番よく着ていた組み合わせが、今も定着しています。お尻のラインが隠れる着丈だと、安心感が増すんです。
素材も薄いコットンだから温度調節もしやすくて、夏の暑い時は袖をまくったり、肌寒い時は伸ばしたりできます」
欲しいのは、ときめきよりも「これを着れば間違いない!」の安心感
西森さんが普段着に求めるのは、まず仕事や子供の抱っこ時でも「動きやすい」こと。プラスして、長めの丈感か、ゆったりシルエットかというリラックス要素があるかどうかも、大切なルールのようです。
そんな基準をクリアし、晴れて取り入れた普段着を、次は着続ける。そうして温度調節の塩梅もイメージしやすくなるとのこと。
西森さん:
「でも考えてみると、確かに私も、普段着にときめいてはないですね。代わりに、『これを着れば間違いない』という安心があるのかもしれません。
たとえば『今日、変な服できちゃった』ような日って、すごくテンションが下がるじゃないですか? なんでこんな靴下履いてるんだろう……って。その失敗が絶対にない安心感が当たり前にあるのは、すごいことだと思うんです」
西森さん:
「仕事や育児で忙しいと、朝、着る服まで頭が回らないことも往々にしてあります。だけどスタイリストという仕事柄、ある程度身だしなみをちゃんとしておかないといけない。
そういう時にも、何も考えずに迷わずパッと選べて、失敗しない安心感があることが、普段着ならではの隠れた魅力なのかもしれません」
自分のパフォーマンスを最大限に発揮してくれることが、「いつもの服」ならではのよさ……。そう思い始めていた時にふと、西森さんが「普段着って、自分だけの制服みたいなものなのかもしれませんね」と呟かれました。
(つづく)
【写真】川村恵理
西森 萌
大学卒業後、アパレルの販売員をへて、岡尾美代子氏に師事。2011年にフリーランスのスタイリストとして独立。雑誌や広告、カタログを中心に、インテリアや雑貨、ファッションなど幅広く活動中。
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