【ひとり旅の愉しみかた】初めてだと不安だらけ…。まず国内からはじめてみる「初心者向けコース」
女子ひとり旅を初めてでも楽しめる、国内のおすすめ行き先をご紹介。国内の芸術祭やリゾートは、充実した時間を過ごせる場所です。また、一人で外食するときも、気兼ねなく旅を満喫できるコツもお届け。自分の趣味を追求して旅する、東京エスカレーター主宰・田村美葉さんにお話を聞いています。
編集スタッフ 田中
一人旅って楽しそうだけど、不安も…。
「一人旅」と聞くと、海外だと不安、誰かと一緒じゃなくて寂しくない?と思いがち。
ただ、良い面もあると思います。私・田中は、2年前にヨーロッパを一人で旅しました。見たいものを見て、食べたいものを食べ、一人で交通網を駆使して街を歩いたことは、ただ旅を楽しむ以上にもちろん自信にもつながりました。
一人旅の醍醐味に気づいて、もっと旅してみたいと思うようになった私。あのときは勢いで行ったから、行き先のセレクトや便利なトラベルグッズなど失敗も多々ありました。そこで、旅慣れている方に、楽しむコツを伺いたいと企画した特集です。
まず第1話では、一人旅初心者でも楽しめるコツをご紹介します。
好きなことだけに集中できるのが、一人旅
今回、お話を聞いた田村 美葉(たむら みは)さんは、『できるだけがんばらないひとり旅』という本を書かれています。がんばらないって、どういうことなのでしょう?
田村さん:
「旅というと、短い日数でもおいしい食事や観光名所をまわって満喫しよう!と張り切ってしまいがちですが、そんなにがんばらなくていいと思っているんです。
私の考える一人旅では、『自分の好きなこと』だけに絞って行動できるところが醍醐味。
雑貨屋さんが好きなら、旅先でお店を探したり。アートが好きなら美術館巡りをしたり。興味のあることを求め、実際に目にする時間はとてもリフレッシュになります。
例えば私の趣味は、エスカレーターを見物すること。世界中の素敵なエスカレーターを探すうち、よく一人旅をするようになりました。
『あの場所は見ておかないと』という観光名所は一旦忘れて、自分なりの旅を楽しめるように、プランを組んでいます」
田村さんのお話を聞くうち、旅への期待を高くしていたかも……と、肩の荷が降りました。一人旅がラクに始められそうです。
初心者でも楽しめる
「一人旅」プラン
Idea 01. 「行き先」と「コース」を絞る方法
移動手段から宿泊まで、全部一人で決めなくちゃとプレッシャーになってしまうなら、決めるポイントを減らすのがコツだそう。
「車を使わないなら、京都、神戸、福岡など公共交通機関での移動がラクな場所に絞るといいです。コースも、ガイドブックの最初のほうのページにあるモデルプランをなぞるだけなら、決めることがどんどん減って、気持ちもラクになります。それだけでも十分楽しいです」と田村さん。
初めての場所を一人で歩いて、目的地にたどり着けると単純にうれしい。そんな達成感も味わえそうですね。
田村さん:
「出張ついでなど短い時間の行動も一人旅。『本屋』『美術館』『器』『建築』『銭湯』など、日頃好きなものを、1つピックアップしてみてください。その場所に行くだけでも満足できると思います」
そう聞いて思い返したのは、私自身の習慣でした。国内でも初めて行く場所では、パン屋を真っ先に探していました。そして美味しいパンに出会えたら、とても満ちたりた気持ちになっていたんです。
Idea 02. プランを立てる時間がないなら「芸術祭」がおすすめ
旅の直前まで仕事で忙しいなど、計画を立てる余裕がないときはリラックスできる旅がおすすめだそう。
田村さん:
「四国の『瀬戸内国際芸術祭』や新潟の『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』などの芸術祭は、バスや電車、船などが限られた本数しかないところがいいんです。
回るコースが必然的に決まってくるので、自分で効率よくまわろうと考えてプランを練る必要がありません。
一見不便ですが、いろんな場所をまわらなくては!という思い込みから離れられ、かえって移動もゆっくりでリラックスして楽しめます」
▲田村さんが実際に訪れた国内アートスポット。(長野県大町市の「北アルプス国際芸術祭」)
Idea 03. 旅慣れてきたら「好きなこと」を追求
「旅慣れてきたら、自分が好きなもの『ばっかり』を巡る旅を一度体験してほしい」と田村さん。これはIdea 01の応用編でもあるそう。
先ほども仰っていましたが、田村さんの趣味は、エスカレーター見物。メインで行きたい場所を決めて、その周辺でごはん、宿などを決めていくと選択肢が絞れて、楽に決められるのだとか。有名な観光地にいかなくても充実する体験ができて、自分なりの旅プランを作れそうです。
▲田村さんの好きなエスカレーター見物。
「ひとりご飯」は、テイクアウトでもいい
▲テイクアウトもできる台湾のヌードル。
田村さん:
「美味しいものをメインに据えているなら、目当てのお店巡りをしたらいいと思うけれど、それ以外がメインなら、一人で知らないお店に入って飲んだり食べたりするのは疲れてしまうときも。
宿に食事がついているプランをなるべく選ぶとか、外食なら、テイクアウトできる名物(駅弁など)を宿で食べてもいいですし。あと、チェーン店なら女性ひとりでも入りやすいかもしれませんね。
私は基本的に、休憩時に入ったカフェの甘味で、もしお腹が満たされたら、1日に3食きっちり食べなくてもいいと割り切っています。
ご飯も、観光地巡りも!と、がんばりすぎないことでリラックスして、いつもの自分で旅できると思うんです」
▲テイクアウトのサンドイッチとサラダでも十分。
ここまで田村さんの一人旅の捉え方やおすすめの情報をお届けしました。
私は、観光名所や土地の名物を食べなくちゃ!と予定を詰め込みすぎて、くたびれるのが常。普段から自分の好きな場所に絞るのはもったいないと思っていたので、旅への目線が変わりそうです。
さて、次回は海外に視野をひろげて、田村さんにおすすめの旅先や、海外旅行のときに気をつけることを伺います。
👉次の記事はこちら
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【写真】川村恵理(1,2,3,5枚目)
田村美葉
石川県出身。東京大学文学部卒(美術藝術学部専修)。旅の初心者のための旅行情報サイト「できるだけがんばらないひとりたび」にて、安心・安全・快適に自分らいし旅がしたい人のためのできるだけがんばらない方法を定期更新。一方、都会の景色に魅了され、エスカレーター専門サイト「東京エスカレーター」を立ち上げる。テレビ番組に取り上げられるなど、その独特の趣味に注目が集まる。世界中の素敵なエスカレーターを集めてまわる旅を中心に、毎月どこかに出かけている。
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