【あのひとの子育て】編集スタッフ・青木〈前編〉わからないから観察する。観察するからわかる。中学生になっても同じです

ライター 片田理恵

子育てに正解はないといいます。でも新米のお父さんお母さんにとって、不安はまさにそこ。自分を形作ってきたものを子どもにどう伝えるのか。正直、わかりませんよね。だって正解がないんですから。

だから私たちはさまざまなお仕事をされているお父さんお母さんに聞いてみることにしました。誰かのようにではなく、自分らしい子育てを楽しんでいる “あのひと” に。

連載第13回は、初めて「北欧、暮らしの道具店」のスタッフが登場。一児の母である編集チームの青木さんを迎えて、ライター片田が聞いた子育ての話を前後編でお届けします。

 

息子が中学生に。変わったことと変わらないこと

北欧、暮らしの道具店の立ち上げ当初からのスタッフで、クラシコム代表・青木さんの妻でもある、 “ヨシべ” さんこと青木さん。商品ページや読み物の特集を企画・取材・執筆する編集業務を担当しています。プライベートでは一児の母として、子育てにも奮闘中。息子さんは今春、中学生になりました。

ヨシべさん:
「中学生になって変わったこと、変わらないこと、もちろんいろいろあります。地元の中学ではなく私立に進学したので電車通学になり、学校生活での友達関係が一新したことは大きな変化でした。とはいえ地元の友達とつながりがなくなってしまったわけじゃない。週末にはこれまでと変わらず一緒に遊んでいます。

あ、でも、遊びにきた友達が部屋のドアを閉めるようになったんですよ!これまでは開け放して遊んでいたので、最初はちょっと驚きました。息子自身のことだけではなくて、そういう、彼を取り巻く周囲の様々な変化も少しずつ感じていますね」

中学生という多感な時期。自分自身にも覚えがある大きな心と体の変化を、子どもを通じてもう一度体験するというのはどんな気持ちなのでしょうか。

 

中学生の子育て雑誌って見たことがない

▲キッチンには息子さんが書いた詩や絵のコーナーが。動物好きのヨシべさんに買ってきてくれたキーホルダーも

ヨシべさん:
「乳幼児の頃って、子育ての情報が豊富だったなと思うんです。本や雑誌もたくさんあるし、暮らしの実践であれ、親の心構えであれ、先輩の体験談や専門家のアドバイスに触れられる機会が多い。でも中学生の子育て雑誌って見たことがないんですよね(笑)。

中学生の親になるのはもちろん初めてなので、私も日々わからないことだらけ。でもだからこそ、今改めて息子を『観察』している気持ちです。それはやっぱり、わかりたいから」

インタビュー中に何度も出てきたのが、「観察」という印象的な言葉でした。ヨシべさんは息子さんが誕生してからずっと、我が子を観察しながら育ててきたのだといいます。だからこその持論が「毎日顔を見ていれば、わかる」ということ。

 

何があったか聞きたい時は、自分の話を。

ヨシべさん:
「うちの息子はすごく話をしてくれるんですよ。喋るのが本当に好き。だから『今日はあんまり喋らないな』っていうのはすぐわかるし、何かあったのかと気になるわけです。そういう日は特に気をつけて観察しますね」

そんな時、心配でつい口を出しすぎてしまうというのが親心の悩ましいところ。どうしたのかと聞きすぎてしまったり、納得のいく説明が得られないと不安になってしまったり。ヨシべさんはどうして観察にとどめておけるんでしょうか。

ヨシべさん:
「何があったのかはもちろん聞きたいですよ。でも、正面から聞くことはないかもしれない。『今日めっちゃ疲れたわ。仕事でこんなことがあってさ』と、私から自分の話をすることが多いです。そうやって話をふると、息子が『おれもさ』と話し始めてくれたり。

うちは一人っ子で、彼は小さい頃から自分の一挙手一投足が常に注目を浴びていることを知っています。そこへ輪をかけて『どうしたの?』『何かあったの?』と逐一聞かれるのはきついかもと思って」

 

「人生の暇つぶし上手になった方がいいよ」

▲家中のあちこちにある本。ヨシべさんが自分の読んだものを置いておくと、息子さんも興味のあるものは手にとって読んでいるそう

わかりたいけれどわからないから観察する。日々観察しているから少しの変化にも気づく。子育ては確かに、その地道な繰り返しなのかもしれません。

子どもをよく見て、必要なサポートをすること。むやみやたらと何もかもを知ろうとするのではなくて、わかりたいと思いながら寄り添うこと。ヨシべさんの母としての姿勢、そのまっすぐなまなざしに私は強く引きつけられました。

ヨシべさん:
「小学校生活がちょっと苦しそうだったんです。時間を好きに使えないから暇だ暇だということをよく言っていましたね。課題が終わってしまった後とか、テストの回答を書き終えた後とか、そういう集団生活の中でのちょっとした待ち時間がとにかく苦手で」

▲リビングにある息子さんの文房具スペース。学校の支度はここでやります

ヨシべさん:
「だから進学にあたっては『他の学校も見学に行ってみる?』と、夫と私から声をかけました。当時はもう、見るに見かねるような状況だったんですよね。その時に『人生って暇な時間が結構あるよ。自分の暇つぶしが自分でできるように、暇つぶし上手になった方がいいよ』という話もして。

息子が自分でここがいいと決めて進んだ今の中学校では、一人でやる課題よりもディスカッションの時間が多いらしく、暇だと感じる時間はあまりないみたい。その意味でのストレスはずいぶん減ったらしくてよかったなと思っています。とはいえ、また新たなストレスの種があちこちからやってきてはいるみたいですけどね」

 

「観察する」のは助けるのではなく、見守るため

▲休日のおやつは家族みんなの楽しみ。コーヒーをいれて、お気に入りのお菓子を囲んで、家族そろって話す時間を大切にしています

わが子が悩み、それを乗り越えようとする時には、そばで見ている親の私たちにも当然、葛藤があります。できるなら助けてやりたい、できるだけ困難にぶつからなければいいと願ってしまう。けれどそれでは子どもが自分の足で立ってゆくことはできないことも、私たちは同時に知っています。

中学生という年齢にさしかかったわが子を、これまでと変わらず「観察する」というヨシべさんの愛情。助けるのではなく、見守る。その揺るぎない思いが、母の強さなのだと思いました。

続いての後編では、クラシコムスタッフとして働くことと子育てをどう両立してきたのか、ヨシべさん自身のストーリーを伺います。

(つづく)

【写真】神ノ川智早

 

ライター 片田理恵

編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。

 


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