【体いたわる、おうち参鶏湯】第2話:スーパーで買えるものだけ! 自宅でできる簡単参鶏湯レシピ
参鶏湯の簡単レシピを、参鶏湯研究家の脇もとこさんに教えてもらいました。スーパーの食材だけで作れるので、とっても気軽。丸鶏は使わず、手羽元や骨つきモモ肉を合わせます。疲れた身体に染み渡る美味しさは、子供から大人まで食べることができますよ。冷蔵庫で数日持ち、冷凍保存も可能です。肌寒くなり風邪もひきやすくなる季節にも重宝するはずです。
ライター 小野民
秋の始まり。夏を乗り切った体は疲れ気味で、どうしても食欲も落ちがちです。そんなときにおうちで体を整えられたらという想いから、「HOME KITCHEN PHERMACY」を主宰する、参鶏湯研究家の脇もとこさんのもとを訪ねています。
第1話では、脇さんが参鶏湯に出合ったきっかけや、参鶏湯の魅力についてうかがいました。今回はいよいよ実践編。スーパーで買える食材を用いて作る手軽な参鶏湯レシピをお届けします。
高麗人参がなくても大丈夫! 意外な食材が決め手です。
脇さん:
「参鶏湯って、実は持ち寄りやキャンプにも便利な料理なんですよ。鶏肉や具材をほとんど切らないから洗いものが少ないし、特に今回は材料もシンプルなので、挑戦してみやすいと思います。
参鶏湯の生薬の要とともいえる高麗人参を使わないので、代わりに入れるものを試してきたんですが、今回やっとこれだ!というものに出合えました。日本の身近な食材で、滋養強壮によくて、「山薬」とも言われる、「山芋」を入れることがポイントです。
参鶏湯にはこだわりがある娘も、『食べているときの滋味深い味と身体の温まり方が、薬膳の参鶏湯に似ている!』とお墨付きをくれましたよ」
材料を鍋に入れるだけ&包丁いらず!
身体ほかほか参鶏湯
材料(4〜5人分)
【a】
・骨つきモモ肉…1本
・胸肉…1枚
・手羽元…5本
・にんにく…3片
・玉ねぎ…1/2個
・長ねぎ(緑色の部分)…1本分
・しょうが(皮付きのままスライス)…3枚
・もち米…70g
・水…鍋の8分目になるくらいを目分量で
・山芋または長芋…15cm
・すりごま…大さじ2
・塩…小さじ2
・小ねぎ…4〜5本
・糸とうがらし、高菜漬け、キムチなど…適宜
※鶏肉は、お好みで合わせて600gくらいが目安。鶏の骨からいいだしが取れるので骨つきの部位はぜひ使い、その他の部位も含めて3種類くらいを組み合わせるのがおすすめです。
作り方
(下準備)
もち米は洗って30分くらい水に浸し、玉ねぎは皮をむき、ニンニクは皮をむいて潰しておきます。
STEP.1 鍋に材料を入れる
鍋に【a】の材料をすべて切らずにそのまま入れ、少しだけ隙間を開けて鍋の蓋をして、火にかけます。
STEP.2 弱火で30分煮込む
沸騰したらアクと脂を取り、時々かき混ぜながら弱火で30分くらい煮込みます。煮込む時は常に蓋の隙間を少しだけ開けておきます。
💡POINT
混ぜるのは、底にもち米がはりつかないようにするためです。好みによりますが、あっさりしたスープに仕上げるためにはアクとともに脂もきれいに取るようにしましょう。
STEP.3 山芋をすり入れる
皮をむいた山芋をおろして鍋に直接入れ、すりごま、塩も加えて、さらに20分くらい煮込みます。山芋は、最初どろっとしていますが、20分煮込むうちにトロトロになってスープになじむのでご心配なく。
STEP.4 ねぎやしょうがを取り除く
鶏のくさみ消し用のねぎ、しょうが、玉ねぎを取り出し、鍋の中で鶏肉をほぐして完成です。
小口切りにした小ねぎを散らし、あれば糸唐辛子、高菜漬、キムチなどを添えていただきます。
💡POINT
玉ねぎは食べられるので、そのまま入れておいてもOK。韓国では付け合わせにキムチが必ずつきますが、高菜漬けもよく合います。ごま油少量を垂らしても味の変化を楽しめます。
脇さん:
「薬膳では、湯気や香りも、体に作用していると言われているんですよ。料理中はたっぷりいい香りを吸い込んでくださいね」
あたりには、鶏のスープのいいにおい。たしかにこの香りを嗅ぐだけでも、食欲がわいてくるようです。
朝ごはんにも、夜食にも。いつ、誰と食べても優しい味
実際に食べてみると、肉は柔らかくてほろほろっと口の中で崩れ、スープには鶏肉のうまみが染み出しています。もち米と山芋のほどよいとろみは、食べ応えがあります。たっぷりあった参鶏湯も、最初はそのまま、次は高菜を加えて……と何度もおかわりしていました。
脇さん:
「冷蔵庫で数日持ちますし、冷凍保存もできるので、たっぷり作ってみてくださいね。消化がいいので夜食にもおすすめです。
参鶏湯は、心がゆるんで、芯から温まり、食べているうちに体が整うスープ。これから肌寒くなり風邪もひきやすくなる季節に、きっと重宝すると思います」
身近な食材での参鶏湯作りの様子、いかがでしたか?
私は、参鶏湯は手間のかかるものだと思い込んでいたので、食材を切る手間もほとんどいらず、もしかして日頃の料理よりもラクができるメニューかもしれないことに驚きました。
材料を入れるだけでおいしくて、心も体も喜ぶとびきりのスープができる。我が家の料理の切り札として頼もしいレシピが仲間入りしました。
***
次回3話では、秋に食べたい参鶏湯に合う副菜とデザートをご紹介。秋は、「うるおい」が大事だそう。そんなときにぴったりな食材は何なのでしょうか?
(つづく)
【写真】佐々木孝憲
もくじ
脇もとこ
参鶏湯研究家、スタイリスト、参鶏湯スパイスセット開発&販売など、活躍は多岐にわたる。薬に頼らず身近な食材で体調を整えられるように、という意味も込めた「HOME KITCHEN PHARMACY」というプロジェクトを掲げ、発酵食品や薬膳のワークショップを展開。https://homekitchenpharmacy.stores.jp/
ライター 小野民
編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫4匹と山梨県在住。
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