【紅茶をおいしく】ポイントはお湯の注ぎ方?「茶葉」を使って美味しく紅茶を入れるコツ
美味しい紅茶の入れ方を専門家に聞きました!カギはお湯の温度。ティーポットにベストな状態のお湯を注ぐと……。紅茶の入れ方一つで、カテキンの量にも出るのだとか。適切なお湯、茶葉の量など簡単な基本をおさえることで、より満足できるティータイムになりそうです。
編集スタッフ 岡本
「茶葉」だと、なんとなく面倒で難しそう……
体をぽかぽかと温め、心をリラックスさせてくれる紅茶。その魅力についてお届けしている、全5話の特集です。
久々に紅茶でも入れようかなと思い、缶をパカっと開ける。ふんわりとやさしい香りに包まれていい気分〜と、ここまではいいのですが、「茶葉を使うのってなんだか面倒」という先入観がむくむくと湧いてきて、なかなか飲むところまでたどり着けないんですよね。
そこで今回、紅茶専門店 Uf-fu(ウーフ)の大西 泰宏さんに、かんたんにできる「茶葉」を使った美味しい紅茶の入れ方を伺いました。
一番重要なのは、茶葉でも注ぎ方でもなく、お湯!紅茶にとって、ベストなお湯って、一体どんなお湯なのでしょうか。
ベストな「お湯」はどう沸かす?
紅茶を美味しく入れるステップ
茶葉をつかった紅茶の入れ方
STEP.1 お湯を沸かす
水はやかんを火にかける直前に入れ、火にかけてからは、できるだけ近くで適温になるまで見守る。
お湯の温度は、95~98度がベスト。水面に出てくる気泡がもっとも多くなったときが合図。
大西さん:
「美味しい紅茶をいれるカギは、お湯です。
汲みたての水は、茶葉をジャンピング*させるために不可欠な空気をたくさん含んでいます。
この空気をいかに逃さず、それでいて高温で入れられるかがポイント。
空気を含んだ高温のお湯で紅茶を入れると、茶葉が浮きます。
茶葉が浮く=紅茶のうまみがしっかりと出るということ。美味しい紅茶とベストなお湯はセットなんですね」
*ジャンピング……茶葉の上下運動のこと。美味しい紅茶を淹れるための大事な工程。
STEP.2
お湯を沸かしている間に、ポットを温める
茶葉を入れる直前に、適度に熱くなったお湯を注いで、ポットを温める。
このときのお湯は、95〜98度でなくてOK。ポットが温まったら、お湯は捨てる。
STEP.3
ポットに茶葉を入れ、勢いよくお湯を注ぐ
飲む分量に合わせて、茶葉をポットに入れる。
大西さん:
「お湯の量は、カップ一杯150〜200ccと決まっていますが、それに対する茶葉の量は、ブランドや好みで異なります。適量はパッケージなどで確認してみてくださいね。
ちなみに、ウーフで販売している茶葉は、1g で1杯分(150〜200cc)。
何度か入れているうちに、ちょうどよい量がつかめてくるはずよ」
95〜98度のベストな状態のお湯を、一気にポットへ注ぐ。
大西さん:
「空気をたくさん含んだお湯を入れることで、気泡と一緒に茶葉がぶわっと浮いているのがわかりますね。
こうなったら成功です」
STEP.4
蓋を閉めて、5分蒸らす
▲このときポットを動かさないよう注意!金属に触れると、えぐみにつながります。
大西さん:
「蒸らしていると、茶葉がゆっくりと落ちてきます。
紅茶に含まれる、カテキン(渋み)とカフェイン(苦味)が結合し、テアニンという成分になります。
結果、カテキンとカフェインが減り、やさしい甘さに繋がるんです」
入れ方を変えて、飲み比べてみました!
▲大西さんいわく「この色の差は、カテキンがしっかり出ていない証拠」だそう。
左は、お湯を沸騰させ続け、ゆるゆるとポットへ注いだ紅茶。
右は、大西さんに教えていただいた方法で入れた紅茶です。
この状態で見ても色の差がはっきりとわかりますが、入れている最中、まったく茶葉が浮かなかったことに一番驚きました。
飲み比べてみると、左は若干味が薄く、香りも弱い印象。飲んだ後は、舌にわずかなざらつきを感じました。
一方右は、カップを顔に近づけた瞬間にふわっと包まれるようないい香りが。
飲んだ後に心地よい甘さが残りました。
大西さん:
「この入れ方をすると、茶葉を入れたままにしていても渋くならないので、ぬるくなってからも美味しく飲めますよ。
紅茶は嗜好品です。こうでなきゃいけない、という決まりはありません。
ポイントだけ押さえて、自分好みの美味しさを見つけてくださいね」
紅茶を美味しく入れるには、お湯がこんなにも大切だったなんて。
新しい発見と、じっさいに飲み比べたときの感動を知り、ますます紅茶の面白さに惹かれています。
続く第3話のテーマは、ティーバッグでの美味しい入れ方。
オフィスの休憩時間に、ぐっと深みのある紅茶を入れてみませんか?
👉次の記事はこちら
ティーバッグを使った美味しい入れ方
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大西 泰宏
兵庫県出身。紅茶専門店に勤務後、中国へ留学。2002年、ウーフ創業。オリジナルティーは天然素材だけ使用し、体になじむブレンドを心がけている。現在は、芦屋と南青山の2店舗を展開中。
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