【おしゃれな人】第2話:いくつになっても、ジーンズはおしゃれに着こなせる(「call」スタッフ・小畑滋子さん)

編集スタッフ 奥村

ファッションブランド、minä perhonen(ミナ ペルホネン)が営むショップ「call」で働く、82歳の小畑滋子(おばた しげこ)さん。わたし奥村がお店で見かけ、軽やかな佇まいと、おしゃれな装いに目を奪われた女性です。

今回はそんな彼女に、昔から変わらないという定番コーディネートを見せていただきました。

 

「スポーティエレガンス」が、ずっとおしゃれのテーマなんです

▲ボーダートップス、デニム、革のポシェットはミナ ペルホネン。ネックレスはアンティークショップのもの

20代の頃からずっと、シンプルな服が好きだという小畑さん。いまも一番気持ちになじむのは、ジーンズにボーダーといったカジュアルな装いだといいます。

小畑さん:
「わたし、ジーンズが大好きなんです。トップスで少しおしゃれをしても、ジーンズでほどよくカジュアルダウンさせたり、そんなコーディネートが落ち着きます。

昔からスポーツをしていたので、動きやすい服装ばかりで、実はスカートを履いたことはほとんどありませんでした。

柄ものもあまり着ないのですが、オーソドックスなボーダーは好きで、昔からよく着ていました」

小畑さん:
「おしゃれのテーマにしてきたのは、『スポーティエレガンス』ということです。パリの女性が、ボーダーみたいなカジュアルなアイテムも上品に着こなしているのに憧れて、映画や雑誌を見てよくお手本にしていたものです。

エレガンスの要素は、小物で取り入れています。カジュアルなアイテムを、どうやったら上品に見せられるか考えるのって楽しいじゃない? シンプルな服のときほど、いろいろと工夫のしがいがあると思うんです。

昔は夫とよくゴルフに行っていて、シンプルな白いポロシャツばかり着ていたから、首元に柄もののハンカチをキュッと巻いていくのが好きでした」

 

ジーンズ歴は60年。何歳になっても着こなすコツ

ウォッシュ加工されたカジュアルなデニムがお似合いの小畑さん。ダメージのかかったものから、インディゴのものまで、さまざまなデニムを持っているそうです。

カジュアルなアイテムほど、年齢を重ねると年相応に見せるのが難しく感じがちだったわたし奥村。ジーンズやボーダー、Tシャツといったスタンダードなアイテムを、いつまでも違和感なくおしゃれに楽しむ秘訣とはどんなことでしょうか?

小畑さん:
「ジーンズは履くほどに良い風合いになるので、むしろ歳を重ねるごとにしっくりくるアイテムになると思うんです。

中でも、ディテールに気がきいたデザインで、体型にフィットしているものを選ぶことは大切にしています。

たとえばサイドにステッチが入っていたり、切り返しが変わっていたり、シンプルでも細部にこだわりのあるジーンズを選ぶのが好きです。

それと、股上が深いデザインのものを選ぶと、佇まいが上品に見える気がします」

小畑さん:
「わたしは158cmと小柄なので、ダボっとしすぎたジーンズではあまりエレガントには見えない気がするんです。なのであまり長すぎないように、必ず丈は詰めています。

今日はいているミナ ペルホネンのジーンズのほかに、特に愛用しているのは『45R』のもの。デザインが気に入っていて、長年履き続けています」

 

シンプルな装いでも「間を持たせる」には

小畑さん:
「ネックレスや指輪は、存在感のある大きめのものを合わせるようにしています。ジュエリーよりも、アクセサリーが好きなんです。

昔は華奢な宝石もつけていたけれど、歳を重ねるにつれ、だんだんにシンプルな服装とのバランスが取りづらく感じるようになって。大きくてちゃんと存在感のある方が、しっくりくるようになりました」

小畑さん:
「それと、いつも意識していることは、いつも姿勢良く歩くことでしょうか。体型が変化してきても、昔と変わらないお洋服を着られるように、できるだけ動くようにも心がけています。

お天気のいい日には、callがあるひとつ手前の駅から、歩いて出勤をするのが楽しいんですよ。

あとは、洗いざらしの服は着なくなったことかしら。自然なシワが入ったラフ感に、いまの年齢では違和感を覚えるようになって。パリッと気持ちよくシワの伸びたお洋服を選ぶようになりました」

昔もいまも大好きなボーダーやジーンズ。それを、きっと20代の頃とはまた違う着方で自然体に着こなしている小畑さんの姿には、おしゃれの壁なんてないと思わせてくれるようなパワーがありました。

次回は、そんなシンプルなコーディネートが好きだったという小畑さんが、この頃新しく挑戦しはじめたアイテムについて伺います。長年のベーシックなおしゃれに、少しだけ変化があったようです。

(つづく)

【写真】上原未嗣


もくじ

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小畑 滋子

東京・青山にあるminä perhonen(ミナ ペルホネン)のショップ「call(コール)」ショップスタッフ。現在は主にヴィンテージ売り場で、洋服や雑貨の販売、接客の仕事に携わる。

***

【call】
東京都港区南青山5-6-23(SPIRAL 5F)
TEL:03-6825-3733
営業:11:00〜20:00(カフェはL.O.19:30)
HP:http://www.mp-call.jp/
Instagram:@call.jp


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