【夏の疲れをケアするヒント】第2話:暑さ対策。プロが実践する3つのハーブの活用法

編集スタッフ 野村

夏は、コンディションを整えるのが難しい。

もっと上手に体を休ませたり、夏の疲れをうまくケアできれば、猛暑でも不調を抱えることなく健やかに過ごせそうです。

そこで今回は、日常的にハーブを用いたセルフケアを実践している「マヒナファーマシー」の中山晶子(なかやま あきこ)さんに、お話を伺ってきました。

1話目では、自分をケアすることの大切さや、1年を通しておすすめなラベンダーの活用法についてご紹介。第2話では、夏のセルフケアに役立つハーブを3つご紹介いただいきます。

 

暑気払いには、ペパーミントを嗅ぐのが一番

中山さん:
「夏の暑気払いには、ペパーミントがおすすめです。

ミントの精油の香りを、目をつぶって鼻からぐーっと深く吸い込んでみてください。鼻の粘膜に香りを吸いつけて、脳にまっすぐインプットしていくようなイメージで。

そして、ふーっと口から呼吸を吐き出す。それを何回か繰り返してみてください」

言われた通りに試してみると、鼻から頭に向けて爽快な風がスッと通り、暑さがスッキリ払われたように感じられました。

中山さん:
「香りは脳にダイレクトに働きかける有効なツール。なので、イライラやモヤモヤを感じる時や、ちょっと疲れを感じる時に、ペパーミントの香りを深く吸い込みます。

すると、ミントの清涼感と鎮静作用のある香りが呼吸と一緒に入ってくるので、暑さでモヤモヤとした気分をリフレッシュすることができます。

もしお部屋でアロマを焚けるようであれば、部屋中にミントの香りを漂わせることで、清涼感とともに部屋の温度がスーッと下がったように感じられますよ」

 


暑さで頭が働かないときは、ローズマリーを

中山さん:
「夏には、ローズマリーもいいですね。

ローズマリーにも、モヤモヤした気持ちに、スッと風を通してくれるような清涼感や鎮静作用があるので、暑さで思考がとまってしまうなと感じた時なんかにおすすめです。

ハーブの香りには、思考をクリアにしたり、殺菌作用や炎症を抑えたりするなど、たくさんの効果が期待できます。夏を快適に過ごすセルフケアアイテムとして、お守りのような感覚で使ってみてください」

 


暑さに疲れたら、「エキナセア」

中山さん:
「夏は湿度や暑さで疲れてしまいます。暑さに体が振り回されてしまうんですね。

暑さと湿度で疲労が蓄積していて、夏風邪をひきやすかったり、体のだるさが取れなかったり。冷たいものをたくさんとってしまって、胃腸が弱くなることもありますよね。

こういう調子の悪さは、口の粘膜の炎症からはじまります。口から喉へ(喉がヒリヒリする)、喉から胃腸へ(食がすすまなくなる)と、連鎖的に起こる粘膜の不調に使うのが『エキナセア』というハーブのチンキ剤です」

中山さん:
「エキナセアは、風邪予防の効果も期待される、免疫力をあげてくれるハーブ。

体の調子が悪い時は、免疫が揺らいでいます。体がだるい、食が進まない、なんだか便秘がちとか、そうしたちょっといつも通りの体調じゃないなと感じた時に、エキナセアをとると、悪化せずにスッと回復しやすいんです。

チンキ剤は、ハーブの成分が液状にぎゅっと抽出されているもの。少量のお水に入れて使えますよ」

 

アロマは「香りを吸い込む」ことが大切

中山さんにお話を伺う中で、何よりも印象的だったのが、ペパーミントの香りをしっかり吸いこむことで得られた爽快感。

鼻から香りが入り、それが頭や喉を通って、全身を包んでいく感じがして、ミントの清涼感ある香りを自分の味方につけたようでした。

中山さん:
「アロマテラピーの考え方は、部屋でアロマを焚く、お風呂に入れる、スキンケアのものに混ぜて使うなど、精油を何かと合わせて使用するというのが基本です。そうやって使用する時にも、意識して香りを吸い込むようにすれば、ハーブの効用をもっと強く実感できます。

良い香りが空間を癒してくれるという使い方もありますが、精油の香りをしっかり吸い込むことで、体が回復していく実感が得られます。そうした自分に引き寄せた使い方もおすすめです」

 

夏の不調を、秋冬まで引きずらないために

中山さん:
「夏は、不調の兆しを早めに感じ取って、手当をしてあげるのが特に大事です。

体調が悪化したままだと、そのまま秋と冬を通して、疲れを引きずってしまいやすい。なので、夏の間に感じた不調は見過ごさずに手当てをしながら、自分のペースを大切に、あまり無理しないで過ごすということを心がけるのがちょうどいいと思います」

***

夏の疲れは秋冬にも引きずってしまいやすいからこそ、見過ごすべきではないんだと、セルフケアへの気持ちを新たにしながら、中山さんのお話を伺いました。

続く3話目では、夏の体温管理やおすすめの水分補給法などについて、ご紹介頂きます。

 

【写真】鈴木静華


もくじ

中山晶子

2011年より、「マヒナファーマシー」を主宰。2015年、東京・下北沢に実店舗をオープン。実店舗では、体と心に働きかけるハーブや植物由来のアイテムを中心に、暮らしを健やかに彩る商品の販売や、ワークショップを開催している。
2020年の秋には、「月と暮らす」をテーマとした冊子の発行や商品販売、ワークショップの開催を予定している。

マヒナファーマシー:https://www.mahinapharmacy.com/


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