【家が好き】第2話:子どもが産まれてからの物選びと「今あるもの」で暮らす工夫(スタイリスト・城素穂さん)
編集スタッフ 奥村
家で過ごす時間について、これまで以上に考える時間の増えた今年。
あの人は今どんな暮らしを送られているのだろう? 今回はフードスタイリストの城素穂(じょう もとほ)さんを訪ねました。
今年の頭に、お子さんが産まれた城さん。1話では暮らしが変化した今の心境を、第2話では新たに家族が増えて意識されていることや、気になるインテリアについて聞きました。
「赤ちゃん専用」のものは、増やさない工夫
▲ベビーベッド代わりのマラウィチェア。寝返りを打つようになった最近は、落下防止で手すりにエプロンを括り付けた
もうすぐ10ヶ月になる娘さん。彼女の成長に合わせて、家具を移動したり、寝室をリビングと同じ部屋に移したりと、インテリアも変化の途中です。
大人と子供が同じ空間に暮らす上で、意識しているのは「赤ちゃん中心の部屋にはしすぎない」こと。たとえばベビーベッドが必要になった時、城さんが新調したのは、大人用の2人掛けの長椅子でした。
城さん:
「『マラウィチェア』といって、アフリカのマラウィ共和国で作られているラタンの椅子です。
座り心地がとても良く、以前から1人掛けを愛用していたのですが、かご素材なのでゆりかごのようで気持ちよさそうだと思い、この機会に2人掛けを購入しました。
中心がくぼんでいるので、心地よく体にフィットするようで落ち着いて眠ってくれています」
少しずつハイハイを始めたこの頃は、赤ちゃん専用のマットレスの代わりに、床にラグを数枚重ねて、転倒対策に。
いつか処分することを前提に「赤ちゃん専用」のものを揃えるよりは、長く使えるものを迎えたい。赤ちゃん中心の部屋にしないという気持ちからは、物に対する城さんの真摯な姿勢が感じられます。
ネットショッピングで「気に入るもの」と出合うコツ
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そんな中でも、やはり代用がきかない物もあります。例えば、ごはんを食べるときのベビーチェア。
家で過ごす時間が増えた城さんは、それまでにはなかったネットでの買い物をする機会が増え、この椅子もネットで購入したものだそう。
城さん:
「イギリスのアンティークで、立てても使えますし、下半分を手前に組み換えると手押し車のように形が変えられます。いろいろなシーンで使えそうだなと思い選びました」
とはいえ、できるだけコストも抑えたいのが正直なところ。ベビーケージなど一時的にしか使わないものは、過去に使っていた方から譲り受けられるメルカリなどのフリマサイトを利用して手に入れているそうです。
城さん:
「これまでは『すてき!』の感覚だけで手にしていたものも、子供のためとなるとそうはいかず、最低限の安全性や便利さがなければいけませんよね。そんな意味で以前より、感覚よりも理性を優先して物を選ぶようになったかもしれません」
実物が手にとれないネットショッピングで、納得したものを購入するために、どんなことを意識されているのでしょうか?
城さん:
「たとえばベビーチェアが欲しいと思ったら、まずはネットであらゆるタイプのベビーチェアを一通り見ています。
すると、だんだん『赤ちゃんが座るとしたらこんなデザインだと理にかなっているんだな』というポイントがわかってくるので……それを満たしつつ、自分が好きと思うデザインにできるだけ近い物を探すように。
欲しい物と、必要な物の、決着点を探すようなイメージです」
インテリアになじむ「おもちゃ」はなかなか見つからないから
▲動物のマスコットをひもでくくり付けた、お手製のモビール
それでも、子供が生まれて新たに買ったものは本当に少ないという城さん。必要最低限のものを除き、できるだけ「今あるもの」を活かしてきたそう。
例えばベビーケージに提げられている愛らしいモビールは、インドの動物マスコットをひもでくくりつけたもの。
ベビーベッドに置かれた動物のぬいぐるみは、履き古した靴下を使用して作った、城さんのお手製。手作りならではのほのぼのした表情に癒されます。
城さん:
「子供のおもちゃは、インテリアになじむデザインのものがなかなか見つけられないと感じていました。昔から工作は好きだったので、あるものから工夫してみることも意外と楽しくやっています」
心地よい空間でありながら、いい意味で子供との生活感がありすぎない。城さんのお宅にお邪魔したとき、そんな印象を抱きました。
そこが子供だけでなく大人にも心地いい空間になっているのは、とりあえずで買わず、じっくりと選択していった結果にあるのかもしれません。
つづく最終話では、ここ数年の暮らしと心境の変化を経て、城さんが今大切にしたいと思う「暮らしの軸」について伺います。
【写真】白石和弘
もくじ
城 素穂(じょう もとほ)
スタイリスト・chizuさんのアシスタントを経て独立。食まわりのスタイリストとして活動後、ベルギー・アントワープのレストランへ遊学。帰国後再びスタイリストとして活動。病気を機にしばらく休業し、夫と10ヶ月になる娘、愛犬と共に暮らす。
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