【うちのイヌ、うちのネコ】主婦から生地専門店オーナーへ。CHECK&STRIPE代表・在田佳代子さんを見守る3匹の犬
編集スタッフ 田中
不定期連載の「うちのイヌ、うちのネコ」では、動物と暮らす方のライフスタイルを写真とともにお届けしています。
可愛らしい仕草や表情で、言葉ではなくとも気持ちが伝わってくる愛おしい存在のイヌやネコ。ときには、人間以上に何かをわかってくれ、私たちを包みこんでくれるよう。
今回は、神戸発の生地専門店「CHECK&STRIPE」代表の在田佳代子(ありた かよこ)さん宅のネルちゃん、とこちゃんが主役です。
プロフィール
名前:ネル
性別:オス
年齢:17才
種類:ジャックラッセルテリア
名前の由来:フランネルという柔らかくて暖かい生地の名前から取った。
名前:とこ
性別:オス
年齢:6才
種類:ジャックラッセルテリア
名前の由来:ブリーダーのところへ迎えに行ったとき、トコトコ…..と歩いてきた様子が可愛くてつけた。
3匹の犬に囲まれて、20年あまりを過ごしてきました
▲ネルととこ、2匹仲良く寝床かごにて。
在田さん:
「お店を始める前後から、これまでに3匹の犬と暮らしてきました。今は、ネルととこの2匹。大きなラブラドールレトリバー・らぶ郎は数年前に16才で亡くなりました。
主婦だった私が、義父の会社で余った布を自宅のガレージで販売していたところからスタートしたのがCHECK&STRIPE。約20年前にオンラインショップを立ち上げて、実店舗のオープンや、本の出版、海外出張など色々なことにチャレンジしてきました。
その暮らしに寄り添ってくれたのは犬たちだなあと思います。どんなに忙しくても家に帰ると犬たちが待っている。
子供たちの思春期や、私の仕事が大変なときも、そばにいてくれた大事な家族。今はらぶ郎はいませんが、2匹と楽しく過ごしています」
お店の立ち上げ期から、育児も見守ってくれた「らぶ郎」
(写真立て内、撮影:加藤新作)
在田さん:
「最初のらぶ郎は、子供たちが小学生になった頃に迎えました。当時は私が子供を叱る場面も多かったので、家族のなかに親と子供以外の存在がいて、拠り所になったらいいなと思って。
ある日友人から『ラブラドールの赤ちゃんが生まれたから見に行ってみたら?』と教えてもらい、ブリーダーさんのところに行ったんです。
子犬の可愛さに家族全員の意見が一致して、飼うことに。慌てて行ったから持ち合わせがなくて、子供たちのお小遣いまで借りてにわかに集めたお代で支払いをしたことも、今ではいい思い出です。ラブラドールの『らぶ』に、男の子らしく『郎』をつけて『らぶ郎』。なかなかおもしろいネーミングになりました。
ただ、私は初めて犬を飼うので最初の夜は心配で眠れませんでしたね。親犬の大きさも見ていたし。
そんな思いは杞憂で、本当にやさしいらぶ郎は、子供たちも私も助けてくれたように思います。仕事がどんどん移り変わるときも、なぜからぶ郎がいるから大丈夫!なんて思っていたんですよ」
小さい頃はフリスビー好き、今や17才の「ネル」
在田さん:
「ネルはらぶ郎が7才くらいのころに、もう1匹育ててもいいなあと思って迎えました。その頃はもう海外出張なども行っており、パリで見かけたジャックラッセルテリアが気になっていたんです。
『夢見る子犬ウィッシュボーン』という海外ドラマでも見かけて、かわいいな〜と思っていましたし。
今は17才のおじいちゃんですが、小さな頃は活発で運動神経がよく、フリスビーが大好きでした。寒がりなのでよく私のベッドに入ってきて、冬はネルを湯たんぽ代わりに寝ていたこともあります。
目が見えなくなってからは、あまりお散歩しませんが、時折玄関先や庭に出て、草木の香りをクンクン嗅いで楽しんでいるようです」
▲2匹が大好きなプール。手前がネル、奥がとこ。犬のお世話はほとんどご主人が中心だそう。
トコトコ……と歩いていたので名前は「とこ」。6歳の元気盛りです
在田さん:
「我が家では元気盛りの6才、とこ。らぶ郎が亡くなって数ヶ月経ったころ、ネルが寂しそうににしていたこともあって迎えました。
実は当初ブリーダーさんのところで決めていた犬はとこではなかったのですが、引き取り日に出向いた際、トコトコ……と歩いてきた子犬がなんとも情けないというかおぼつかない感じの表情で、それが可愛らしくて。急遽予定を変更させてもらってとこを連れて帰ってきたんです。
あとから知ったけれど、らぶ郎が亡くなって3ヶ月後の月命日に生まれていたので、とこは生まれ変わりのような気がしてなりません。
人懐っこくて来客があるとついてまわり、食卓にもちょこんと一緒に座っています。外に出ると他の犬に吠えるのが悩ましいのですが(笑)」
▲吉祥寺の雑貨屋「cinq」で購入した寝床かごがお気に入り。
声高に主張しなくても、伝わるんだ。犬から学んだこと
▲とこお気に入りの窓辺。ここからお見送りしてくれるそう。
在田さん:
「犬との暮らしは20年以上になりますが、彼らといると安らぎを感じられ、私たちを見守ってくれる存在であるように思います。
現実には犬とお話はできないですが、家族が集まるとニコニコしているし、私たちが喧嘩をしたあとは心配そうにしている。言葉にできなくても、声高に主張しなくても通じることもあると感じます。
子供たちが小さい頃は、きっと寄り添ってくれていたでしょうね。泣いているときは隣にいて涙を拭う役だったので。
人間の世界でも同じ。声をかけなくとも、近くにいるだけで誰かのサポートになるときがある。犬から教わって、できるようになった気がします。
ネルはだいぶん高齢なので1日1日を大切に過ごしていきたいですし、とこも自由にのびのびできるように暮らしたいです」
▲家族を見送るとこ。室内から。
▲友人の車の前で、とこと一緒に。
在田さんの犬との暮らしは、あたたかな空気に包まれていました。初めて飼う犬が大型犬だったとは驚きでしたが、そんな在田さんの懐の大きな雰囲気が、3匹の犬に伝わって和やかな性格になっているのだろうと思います。
CHECK&STRIPEのすてきな世界観が、写真いっぱいにあふれていて、またお店にも訪れてみたいです。
(つづく)
うちのイヌ、うちのネコ vol.1
うちのイヌ、うちのネコ vol.2
【写真】6枚目:加藤新作、プロフィール写真:大段まちこ。その他は在田佳代子さん提供
在田佳代子
生地専門店「CHECK&STRIPE」代表。専業主婦だった時期に、生まれ育った兵庫県西脇市で生産された生地をガレージセールで販売し始める。その後お店を立ち上げ、現在では神戸、芦屋、吉祥寺、自由が丘、鎌倉に店舗を構える。来春、手芸本を出版予定。 HP→http://checkandstripe.com/ instagram→@labmi 近著に『CHECK&STRIPE SEW HAPPY 作りたくなるハッピーなソーイングブック』(2019,世界文化社)など。
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