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【スタッフコラム】野菜がおいしいのは
編集スタッフ 松田
昨年引っ越してよかったなと思うことのひとつに、近所の八百屋さんの存在があります。
八百屋のお姉さんとお母さんは、とても気さくで、しかも商売上手。必ずと言っていいほど、その日は買うつもりがなかった野菜をオススメされて、ついその通りに買ってしまうのですが、知らなかった食べ方や野菜の美味しさを知ることもできて、それが楽しいのです。
たとえば、
「このニラ、柔らかくてすっごく甘いのよ。炒めものもいいけれど、おひたしにしたほうが香りも強すぎなくて、うちの子どもたちはよく食べるのよ」
「最近寒くなったから、一段と小松菜が美味しいよ。茎の皮がむけているみたいな部分は傷んでるんじゃなくて、霜にあたってるからで、そこが甘いのよ。ぜーんぜん違うから」
「セリは鍋もいいけれど、ごま油とお塩で軽く炒めるのもオススメ」
「このカブ、クリーム煮にしたらすんごく美味しかった。白菜ときのこなんかも一緒に煮込んでさ、試してみて」
「白菜買うなら丸ごとがお得だよ。カットするんじゃなくて、使う分だけ一枚一枚剥がすようにすれば日持ちして、きっと食べ切れるから大丈夫」
という感じに。
実際、買うつもりがなかった野菜たちは、お姉さんたちがオススメしてくれた通りとても美味しいのです。
これまで餃子の具や卵とじにするイメージしかなかったニラは、おひたしにしたときのさっぱりとした食べやすさに驚いて2束をペロリと食べきり、セリのごま油炒めは味見のつもりが箸が止まらなくなり、食卓に出す前にビール片手にひとりでこっそり全部食べてしまいました。霜にあたった甘い小松菜は、子どももよく食べてくれたので、この冬何度も買い求めました。
▲ころんと可愛いそら豆。私は塩茹でにしておつまみに、子どもにはそら豆ごはんを
さて、先週あたりからオススメされるのは、スナップエンドウやそら豆、菜の花、春キャベツなどの春野菜。
▲プリプリでみずみずしいスナップエンドウ。「霜がついて見ためが白くなっても、味は変わらず美味しいのよ」と八百屋のお姉さん
八百屋のお姉さんに教えてもらって作って、個人的に大ヒットしたのが、春キャベツの春巻きです。
春キャベツを千切りにし、お塩ふって少し多めに胡椒をゴリゴリ。春巻きの皮で巻いて、水分が出ないうちに揚げるだけというもの。とても簡単なのに、その揚げたての美味しさといったら……。シンプルな味付けだからこそ、キャベツの甘みがジュワリと広がって、台所でひとり小躍りしてしまいました(ビールが進みます)
寒い季節はまだ続きそうですが、少しほろ苦くて、甘くて、やわらかい春野菜を食べたり眺めていると、それだけで気持ちが浮き立って元気が出るから、野菜のパワーってすごい。
私はこの春も、きっと買うつもりがなかった野菜を求めて、八百屋さんに通ってしまいそうです。
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