【訪ねたい部屋】第3話:キッチン、洗面所は動線が大事。使いやすく整えるには?
ライター 長谷川未緒
特集「訪ねたい部屋」は、その人らしいインテリアと居心地の良さそうな空間が素敵な方のお宅を訪問し、家づくりのヒントを教えてもらう企画。
今回、お邪魔したのはライフオーガナイザー2級の津田麻美(つだ・あさみ)さん宅です。
第1話では、予算がなくて最低限で建てたという家を理想に近づけた工夫を、第2話ではリビング・ダイニングの家具について、伺いました。
第3話では、キッチンと洗面所を中心に、使いやすくするための工夫や収納について拝見します。
吊り戸棚を外したら、キッチンが好きになった
予算がないから最低限で家を建て、DIYで納得のいく家づくりをしてきた津田さん。いちばんやってよかったDIYは?と伺ったところ、返ってきたのは意外な答えでした。
津田さん:
「キッチンのシンク上に、吊り戸棚がついていたんです。いらないっていえばよかったのですが、家を建てた頃はそこまで気が回らず、標準仕様だったんですよね。
わたしは身長が150cmと低いので上の奥のほうは手が届かず使いづらいですし、なによりリビングからの光が遮られてしまい暗くなることがいやでした。いやだな、いやだな、と思いながらよくよく見てみたら、外せそうだな、と気がつきまして」
なんと津田さん、ドライバー片手に吊り戸棚を外してしまったのでした。
津田さん:
「気になることを放置せずに、ずっと見ていると、こうすればいいかも、というアイデアが浮かびます。いろいろつくりもしましたが、このただ外すだけのDIYがいちばんやってよかったです。
キッチン内が明るくなりましたし、視線を遮らないのでリビングにいる子どもの様子がよく見えるようになりました」
吊り戸棚を外して明るくなったものの、まだ気になっていたのがシンクの背後に置いていた背の高い食器棚と、電子レンジ用の棚でした。どちらも圧迫感があり、レンジ用の棚にいたっては奥行きが深すぎて、移動のじゃまにもなっていたそう。
モヤモヤを放っておかない津田さんは、ここでもDIYに乗り出します。
▲炊飯器は板にレールをつけ、引き出せるようになっている。
津田さん:
「食器棚は2段になっていて簡単に上下を外せたので、上側を取り去りました。
電子レンジ用の棚は炊飯器と電子レンジに合わせた収納棚を自作しようと決めまして、ホームセンターでサイズに合わせたパネル材を買い、ペイントして組み立てたんです。作業台にできるように食器棚から電子レンジ用の棚まで渡せる足場板を置いて、壁には飾り棚もつけました。
広々してキッチン内で動きやすくなりましたし、作業台に調理中のものを広げたり、できあがった料理をちょっと置いたりできることで、効率があがりました」
整えることで使いやすく。維持するモチベーションにも
▲食器は白か黒を、食器棚に入る分だけ。以前は形別に分けていたが、色別にしたら直感的に分けられ、収納しやすくなったそう。
どの引き出しを開けても、すっきり片付いたキッチン。収納の基本は?
津田さん:
「ゾーンで分けて、シンク下は掃除用品、コンロ下に調理器具を入れて、料理中にすぐ手に取れるようにしています。
調理器具を入れたステンレスのラックは組み立て式で、サイズを測りぴったりのものをニトリで購入しました。
収納してみてうまくいかなったら見直して、を落ち着くまでくり返します」
鍋やフライパンは数を厳選、重ねすぎないから取り出しやすくなっています。ゴミ箱もシンク下の掃除道具の脇に置かれているため、キッチン内がほんとうにすっきり。
よく使う調味料は引き出しにぴったり並べられるフレッシュロックに入れ替え、入る分しか買わないようにしています。
津田さん:
「最初はシルバーの蓋つきの瓶を使っていたんですが、重たいし、中身が見えないから、ラベリングしても直感的に使いづらかったんです。フレッシュロックは軽いし中身が見えるので、使っている方が多いのも納得の使いやすさでした。
入れ替えるのは面倒じゃない?と聞かれることもありますが、1回は手間がかかっても、使うときに気持ちよく使えるので結局はラクですよ。
整っていると使いやすいし、これを維持していこうという気持ちにもなり、きれいをキープできると思います」
▲ポリ袋なども入れ替えて、引き出しに収納。
引き出し内をきれいに整理するコツは、ぴったりサイズのケースを用意すること。
津田さん曰く、「ぴったり運がある」そうで、もともと持っていたものが偶然ぴったりおさまったり、思いつきで買ってきたものがちょうどよかったりすることも多々あるそうですが、やはりサイズをはかって、諦めずに探すことが収納上手への近道になりそうです。
洗濯動線に合わせた工夫で、家事の効率アップに
津田さんとふたりの娘さんで、朝は混み合うという洗面所。洗面台はもともとは歯ブラシなどを置く棚が左右にあるタイプのものでしたが、取り外し、アンティークショップで求めた鏡を設置、タイルを貼りました。
タオルは奥行きのあるキャビネットに収納していましたが、洗面所が狭くなるのが気になったため、足場板で収納棚をつくったのだとか。
津田さん:
「やっぱりオープン棚のほうがタオルなどは取り出しやすいですね。タオルの幅だけあればいいのでスペースもとりませんし。
毎日洗濯するので、家族4人でバスタオルとフェイスタオルを8枚ずつ、白に統一して触り心地のいい今治タオルの薄くて乾きやすいものを使っています」
お子さんが部活をやっていたころは1日に洗濯機を複数回回すこともあったそうで、洗濯動線を考え抜きました。
津田さん:
「ドラム式洗濯機の上に設置したポールにピンチハンガーを吊るし、背面の壁にマワハンガーをいくつかかけています。
乾燥機にかけないものはそれらに干して、風呂場のドアに取りつけた鴨居フックに一時かけするんです。
干し終わったらハンガーを2階のベランダに。洗濯カゴに入れて2階に持って行ってから干すのだと、日焼けしたり、蚊に刺されたりするのがいやなので、この方法になりました」
気になるところはそのまま放って置かずに、改善に向けて行動あるのみ。うまくいけば達成感があってうれしいし、うまくいかなければまたトライすればいい、と津田さん。ひとつずつクリアした住まいは、どこを見てもすっきり、使いやすく工夫されていました。
続く第4話では、寝ることに集中できる寝室づくりと、ものの持ち方・減らし方を考え抜き、厳選されたクローゼット収納を拝見します。
【写真】MEGUMI
もくじ
津田 麻美
独学でインテリアコーディネートやDIYを学ぶ。友人宅のインテリアや整理収納を手伝ううち、趣味が高じて仕事に。ライフオーガナイザー2級。“心地よい暮らし”をテーマに日々の生活をインスタグラムなどで発信中。
Instagram: @asamiiimasa
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