【たよれるお粥】01:七草がゆにもアレンジOK。旬を味わう「春菊のシンプルリゾット」
編集スタッフ 藤波
お正月が終わって、新しい一年のはじまり。年末年始のごちそうで疲れ気味の胃腸にやさしくて、じんわり温かいものが食べたいと思ったときに浮かんだのがお粥でした。
旅行先の朝食ビュッフェや、中華料理屋さんで見つけるとうれしいお粥。けれど美味しく作るのが難しそうで、我が家では風邪をひいたときにしか食べる習慣がありませんでした。
今回お粥のレシピを教えてくださったのは、スープ作家の有賀薫(ありが かおる)さん。
有賀さんのお粥レシピはシンプルながら色々アレンジができて、朝ごはんから、夜遅くなってしまったときの夜食、胃腸が本調子ではないときなど毎日の心強い味方になってくれそうなのです。
お粥はお米のポタージュ……?
スープ作家として、シンプルな材料と工程で作れるスープレシピをたくさん発信している有賀さん。私自身、一人暮らしのときから簡単に美味しくできる有賀さんのレシピにたくさん助けられてきました。
そんな有賀さんにとって、お粥は「お米のポタージュ」という感覚なのだとか。たしかに、煮ると柔らかくなって、少しずつ具材が水に溶け出していく様子はまさしくスープと一緒です。
第1話で紹介するのは、お粥を洋風にアレンジした、春菊の鮮やかな香りを楽しめるリゾット。このレシピで七草粥を作ることもできますよ。
季節の青菜の香りをたのしむ
「春菊のシンプルリゾット」
材料(2人分)
米…3/4合(120g)
春菊…1/2束
オリーブオイル…大さじ1
塩…小さじ1/2
水…600ml
作り方
1. 春菊はきれいに洗って水切りし、根元を切り落として2〜3cm幅に刻んでおく。米は洗わなくてもよいが、気になる場合はさっと洗う。
2. 鍋を中火にかけてオリーブオイルの半量(大さじ1/2)を熱し、米を入れて2分炒める。
▲米が鍋底にはりつきやすいので、はがすようにしながら炒める
3. 水を加え、沸いたら弱火にして蓋をせず18〜20分炊く。
▲アクは取っても取らなくても大丈夫です
▲うっすらフツフツしているくらいの火加減で炊くと◎
4. ちょうどよい固さになったら火をとめ、塩で味をつける。春菊を鍋に混ぜ込んで皿に盛りつけ、残りのオリーブオイル(大さじ1/2)を回しかけたら完成。
有賀さん:
「米の固さはお好みですが、リゾットの場合は柔らかすぎず米粒がしっかりめに残っている方が美味しいですよ。
今回は手に入りやすい春菊でご紹介しましたが、我が家ではせりやクレソンなど季節の青菜でも楽しんでいます。
アクセントとして黒胡椒や粉チーズをふるのもおすすめです。ごま油で炒めてパクチーを混ぜ込んだらアジアン風になりますし、アレンジは無限大です」
七草粥を作るなら?
有賀さん:
「スズナとスズシロ(カブと大根)は細かく切って、米が炊きあがる5分ほど前に混ぜ込んで火を通すといいです。そのほかの葉類は刻んでおき、最後に混ぜ込みましょう」
***
とってもシンプルなこちらのリゾット。普通のお粥に米をオリーブオイルで炒める過程を追加しただけなのに、ものすごくコクがあって驚きました。
鼻をぬける春菊の香りは爽やかで、独特の苦味は全く気になりません。
今年はこのレシピで七草粥を作り、一味違った味わいを楽しみたいと思っています。
【写真】佐々木孝憲
もくじ
有賀さんのスープレシピはこちらから
有賀薫
スープ作家。約10年間、毎朝作り続けたスープを土台にシンプルで作りやすいスープのレシピや暮らしに根づく家庭料理の考え方を、雑誌・ウェブなど各種メディアなどで発信。著書は、最新刊『ライフ・スープ くらしが整う、わたしたちの新定番48品』(プレジデント社)のほか、2020年レシピ本大賞入賞の『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)、『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)など多数。
note:kaorun、Instagram: @arigakaoru
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