【日々のモヤモヤ考】後編:やみくもに掃除をしなくても。プロに教わる、ほこり対策の基本
編集スタッフ 糸井
洗濯物に、仕事のタスク。こなしても、次から次に溜まるようなことが生活のなかにはたくさんあります。
気がつけば部屋の隅に溜まっているほこりもそう。そんな「追われているもの」の正体を改めて認識したら、ちょっと心の衛生が保たれることもある気がします。
そんな気持ちからお届けする、特集『日々のモヤモヤ考』。株式会社ダスキン・冨田萌美(とみた・もえみ)さんに、普段あまり意識してこなかったほこりの実態や、その掃除のノウハウをたくさん教えていただきます。
後編では、掃除をするのにおすすめのタイミングやコツ、掃除道具について聞きました。
掃除のプロに聞く、
ほこり掃除のコツ。
When?
ゴールデンタイムは
「起床直後」と「帰宅直後」
まず、ほこり掃除にはゴールデンタイムがあるのだそう。
冨田さん:
「特に床の掃除をするのにおすすめなのが、なるべくほこりが積もった状態で掃除をすること。それが起床直後と、帰宅直後です。
人の動きが一定時間なかったことで、ほこりが床に落ちている割合が多いんです。この2つのタイミングがゴールデンタイムになります。
留守の間に自動のロボット掃除機で掃除をスケジューリングするのなら、家を出て直後よりも、帰宅直前くらいのほうが実はよりほこりが取れますよ」
Where?
「溜まりやすい場所は、空気の流れで見極める」
冨田さん:
「同じリビングルームでも、特にほこりが溜まりやすい場所は空気の流れが滞っている箇所です。たとえば家電の下や、巾木、ドアの裏など。生活をするなかで人の行き来が頻繁な場所で巻き上げられたほこりが、空気の流れにのり、最終的に空気の止まっている場所に集まるんですね。
普段から、ほこりの溜まりやすい場所を観察しておくことで『掃除どき』の見極めもしやすくなりますよ」
How?
「水拭きではなく、乾拭きがベスト」
次に掃除のコツについて聞いてみました。
冨田さん:
「床の掃除に限らず、基本的なほこり掃除のコツは、空気中に舞い上げずに、そっと乾拭きすること。
最初からウェットシート等で掃除をすると、ほこりが水分を吸着し、接地面に貼り付く形に。そうなると、拭い取るような掃除方法になってしまい、ちょっと手間がかかってしまいます。
ほこりが水分や油分を含み変質し、ベタベタと既に張り付いているような頑固な汚れでなければ、乾いたモップやダスター、掃除機等でほこりを取るようにしましょう」
「高さによってほこりの量が違うんです」
冨田さん:
「微細なほこりでさえも、重力に従って上から下へ落ちます。なので、高い場所→低い場所の順で掃除するのが、
棚のほこりを取った後に床の掃除をしたり、トイレなどの狭い空間であればまず換気扇のほこりから、と、段々下に向けて掃除をするように意識してみましょう」
冨田さん:
「ちなみに、高さによってほこりの溜まる量も違っていて。具体的には、床の上に溜まるほこりが約52%、テレビボードや背の低い棚などの上に溜まるほこりが約29%、比較的背の高い家具の上に溜まるほこりが約19%となっています。
頭より高い位置上は大掃除にするのでも十分ですから、床の上や腰より高い位置のほこりは、ハンディモップで定期的に取れるといいですね」
換気中の花粉は「レースカーテン」で防ぐ
ちなみに花粉については、ほこりのなかでは粒子がそこまで小さくないそう。換気がしたくて窓を開放するときは、レースカーテンをしておくだけでも部屋中に入り込むことを抑えることもできるといいます。
冨田さん:
「換気のためにベランダの窓を開けた場合、強風でない限りはレースカーテンをしているだけで、窓際1mほどの範囲に飛散が留まります。気になる場合は、換気をしたあとに窓際をモップ等でそっと掃除するのがおすすめですよ」
***
前後編でお聞きしてきた、ほこりのはなし。
溜まったら掃除をして……とひたすらに追いかけっこをしてきて、これまでなんとなく目に映ると、いい気持ちになることはなかったけれど。そんなほこりも、もとを辿れば、お気に入りの服やベッドリネンから生まれたものかもしれない。知らない生命体のように思っていたものの、基本的なカラクリがわかったことで、そう思えるゆとりが生まれる瞬間ができました。
こんな風に、生活のなかで特に意識せず、追いかけっこをしているものを見つけて、じっと観察してみると、また違った発見があるのかもしれない。それもまた、暮らしの愉しみな気がしています。
(おわり)
【写真】メグミ
もくじ
冨田萌美
株式会社ダスキン 東京多摩エリアホームサービスマネジャー。家庭用のモップをはじめとする衛生清掃用具のレンタル・販売などを行うダスキンのフランチャイズ加盟店の指導・育成を担当する。https://www.duskin.jp/
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