【冷凍庫の助っ人おかず】02:具沢山のお魚カレーも、おいしく冷凍。だし香る「タラの和風カレースープ」

編集スタッフ 吉野

料理は、毎日のこと。だからこそ、拠り所になるメニューがあると安心します。

その一つが、「冷凍ストック」。

けれど冷凍することによる味の変化や、平日を楽にするために休日の時間をストック作りに費やすことなど、いくつかのモヤモヤを抱えていました。

食べたいときに電子レンジや湯煎で解凍すればすぐに食べられて、味にも大満足の「冷凍ストック」があれば。

そこで今回は、料理家の上島 亜紀(かみしま あき)さんに4品の冷凍レシピを教えていただきました。

第2話でご紹介するのは、「タラの和風カレースープ」。だしが香る、優しいカレー味のお魚料理です。スープとはいえ片栗粉のとろみで、満足感もバッチリですよ。

その他の冷凍レシピはこちらから

 


崩れやすいお魚も、食感そのままで冷凍。
「タラの和風カレースープ」


材料(2人分)

タラ…2〜3切れ(200g)

セロリ…1/2本(70g)※玉ねぎや長ねぎでも可。分量はグラムで合わせてくださいね
にんじん…1/2本(75g)

にんにくすりおろし…小さじ1/2
しょうがすりおろし…小さじ1/2
削り節…3g
カレー粉…小さじ1と1/2~2
小麦粉…大さじ1
ごま油…大さじ1
中濃ソース…大さじ2
みりん…大さじ1と1/2
水…200ml

塩…小さじ1/2
粗びき黒こしょう…少々

 

作り方

1. セロリは縦半分に切り斜め薄切り、にんじんは細く千切りにする

▲セロリは繊維を断つように切れば、筋を取らなくてもOK。味も強く出過ぎることがありません

上島さん:
「冷凍する具材を切るときのポイントは、薄く、小さく切ること。こうすることで、解凍後に水分が出にくくなります。

タラの臭み消しのために、今回使う香味野菜は香りが比較的強めのセロリ。もちろん玉ねぎや長ねぎでも、十分役割を果たしてくれます。季節や冷蔵庫の中身で選んでくださいね」

 

2. タラはペーパータオルで水気をしっかり押さえ、2~3等分に切る。塩小さじ1/4、カレー粉小さじ1/2、小麦粉の順にまぶす

▲タラを切る大きさは、バラバラになるのを防ぐため、あまり小さくならないように。100gなら3等分が目安です

上島さん:
「カレー粉などのスパイスは、臭み消しにもなってくれて、お魚との相性がピッタリです。

小麦粉は、うま味と風味を閉じ込めてくれるので、しっかりとお魚に味をつけてから一番最後に加えます。お魚全体にしっかりとまぶしてくださいね。形も崩れにくくなります。

とはいえ、いつもより少しだけ丁寧にするだけで大丈夫ですので気負わずに」

 

3. フライパンにごま油大さじ1/2を中火で熱する。タラを片面1分半ずつ焼き、いったん取り出す

▲焼いている間は動かさず、時間を目安にしてひっくり返すことで崩れにくく

上島さん:
「タラは後の工程でしっかり火を通しますので、安心してくださいね」

 

4. ごま油、セロリ、にんじん、しょうが、にんにく、残りの塩を加え、しんなりするまで炒める

▲野菜は薄く、細く切っているので火が通るのが早い。しんなりするまで1分かからないくらいでした

 

5. 残りのカレー粉を振り入れ、全体に絡めるように炒める

▲先に魚を焼くことで、魚のうま味が野菜にも加わります

 

6. 中濃ソース、みりん、削り節、水を加える。煮立ったらタラを戻し、蓋をして弱めの中火で2~3分とろみがつくまで煮込む

▲タラは崩れやすいので、最後に戻します

 

7. 蓋を取り、強火で3分ほど煮込んでとろみをつけ、黒こしょうを振って完成

上島さん:
「とろみをしっかりつけることで、一品でも満足感のある味わいに。冷凍焼けもしにくくなり、解凍後のおいしさにもつながっています」

▲セロリの葉を少し添えて

 

冷凍・解凍の方法

ー冷凍するときー

(1)粗熱を取り、1人前ずつ冷凍用保存袋に入れる

(2)バットにのせて冷凍する(完全に凍ったら、バットから出し立てかけて冷凍できます)。2週間ほど冷凍保存が可能です

※お魚が重ならないように平らにして、空気を抜くと、解凍時の加熱ムラや霜降りを防げます

 

ー解凍するときー

(1)袋ごと耐熱皿にのせ、袋の口を開ける

(2)電子レンジで600W・3分加熱する。袋を裏返し、さらに2分加熱する

※湯煎での解凍でも大丈夫です。レンジの場合は、盛り付けるお皿で解凍すれば、洗いものが減ってさらに楽ちんですよ

作っている途中から、カレーとだしが合わさった、食欲をそそる香りが部屋いっぱいに広がります。お家ではなかなか作れないと思っていた、お店のような雰囲気です。

セロリが意外と何にでも合うことも大きな発見で、一気に距離が縮まりました。

次回は、具材がパンパンに入った「完全食」な餃子をご紹介します。

 

【写真】木村 文平


もくじ

上島 亜紀

料理研究家。食育アドバイザーやジュニア・アスリートフードマイスターの資格を持つ。神奈川県の自宅にて料理教室「Cooking Studio A’s Table」を主宰。簡単に作れる家庭料理から、おもてなし料理まで幅広く提案。著書に『頑張らなくていい仕込み1分の冷凍作りおき』(ナツメ社)、『はじめてのストウブ 毎日のおかず80』(ナツメ社)など。
Instagram:@kamisimaaki

 


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