【はじめてのスパイスカレー】01:「基本のルー」からスタート。初めてでも失敗知らずの「濃厚バターチキンカレー」
編集スタッフ 吉野
暖かく穏やかな風に背中を押され、何か新しいことを始めてみたくなる春。ずっと気になっていたことに、小さなことから挑戦してみたい気持ちが芽生えています。
その一つが「スパイスカレー」。お店で食べるたび笑顔になってしまうあのおいしさを自分で作ってみたくて、料理家の黄川田 としえ(きかわだ としえ)さんに教えていただきました。
これまでも身近な食材を使って、繰り返し作りたくなるレシピを教えてくださった黄川田さん。今回の特集でもいつもの調理器具と少しの工夫で、抜群においしいスパイスカレーを作れますよ。
第1話は「基本のルー」と、濃厚な味わいの「バターチキンカレー」。
この特集でご紹介するレシピでは、すべてこの「基本のルー」を使います。同じルーから作ったとは思えない、バリエーション豊かな4皿です◎
最初に揃えたいスパイスはこれ!
いつもの食材と作る「基本のスパイスルー」
材料(2人分)
A:ホールスパイス
クミンシード(ホール)…小さじ1
カルダモン(ホール)…6粒
B:パウダースパイス
クミンパウダー…小さじ1
コリアンダーパウダー…小さじ1
カルダモンパウダー…小さじ1
ターメリックパウダー…小さじ1
カイエンヌペッパーパウダー…小さじ1/3※
玉ねぎ…1/2個(100g)
にんにく…1片
生姜…1片
カットトマト…100g
塩…小さじ1
オリーブオイル…大さじ2
水…少々
※カイエンヌペッパーは辛みを足すスパイス。お好みで量を調整したり、抜いていただいてもOKです。召し上がる直前に入れることもできますよ
作り方
1. カルダモン(ホール)を潰す
黄川田さん:
「殻を潰すことで、中に入っている種の香りがふわっと広がります。殻も種も食べられますので、安心してそのままお使いくださいね。
殻はめん棒などで、空気が入ってぷちっとなるくらい潰せば大丈夫。油で破裂するのも防ぎます」
2. 玉ねぎを粗くみじん切りにする。にんにくと生姜はすりおろす
▲玉ねぎは粗めにみじん切りすることで、炒めた後にも少し食感が残るように。甘みも出やすくなります
黄川田さん:
「生姜は、皮付きのままきれいに洗ってすりおろすことで香りが立ちます。スパイスに馴染みやすくするためにも、すりおろしてなめらかにするのがおすすめです」
3. フライパンにオリーブオイルとAを入れて弱火にかける。スパイスから沸々と泡が出てきたら玉ねぎを加え、中火で6分ほど炒める
▲ホールスパイスの香りをじわじわと油に移していきます
黄川田さん:
「ホールスパイスは、油に香りを移すことで深みのある味わいに。市販のルーを使ってカレーを作るときにも、ホールスパイスの香りを油に移してから野菜を炒めるだけでいつもとは一味違うカレーになりますよ。
火を入れるのは、油とスパイスをフライパンに入れてから。冷たい状態からゆっくり火を入れていき、スパイスが焦げないようにします。特にサイズの小さいクミンシードは焦げやすく、焦げると苦味に変わってしまうので気をつけてくださいね」
途中、水を大さじ1程度ずつ加えて焦げ付かないように炒める。
黄川田さん:
「玉ねぎの色が変わって焦げつきそうな箇所に、その都度差し水を。『焼き色が少しついてくるまで30秒ほど触らずに待つ→差し水をして混ぜる』を繰り返して、揚げ焼き状態で炒めていきます。
こうすることで焦げつかずきれいに、早く焼き色をつけることができますよ」
4. にんにくと生姜を加えて炒め合わせ、カットトマトを加えて水分を飛ばすように全体をまとめる
▲夏は、生のみずみずしいトマトを使うのもおすすめです
5. Bを入れて炒め合わせ、塩を加えてさらに炒めたら完成
▲トマトの水分にスパイスを入れ込むように炒め合わせます
黄川田さん:
「カルダモンの殻は、食感が気になるときは抜いていただいても。もちろんそのまま召し上がっても大丈夫です」
▲「小麦粉が入っていないので、胃もたれしにくいところもポイントです」と黄川田さん
作っている間、思わず深呼吸したくなるようなスパイスの香りが部屋中に広がります。こちらのスパイスルーは、香りが飛んでしまう前にそのままお使いいただくのがおすすめです。
保存したい場合はジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いて保存が可能。冷蔵の場合は3日、冷凍なら10日ほどが目安です。解凍の際には、電子レンジで600W・2〜3分ほど加熱してからフライパンで温めてくださいね。
これからさまざまなカレーに変身していく、基本のスパイスルー。まずは、「バターチキンカレー」を作ってみませんか?
こっくり濃厚なのに、驚くほど食べやすい。
お店気分の「バターチキンカレー」
材料(2人分)
「基本のスパイスルー」…2人分
鶏もも肉…1枚
a
塩…小さじ1/3
こしょう…少々
ヨーグルト(プレーン)…大さじ3
クミンパウダー…小さじ1/2
コリアンダーパウダー…小さじ1/2
カルダモンパウダー…小さじ1/2
ターメリックパウダー…小さじ1/2
水…100ml
バター…20g
生クリーム…100ml
温かいごはん…2膳分
作り方
1. 鶏もも肉を一口大に切る。aを加えて揉み、1時間ほど漬ける
▲前の日に作って、一晩つけておいても
黄川田さん:
「塩こしょう→スパイス→ヨーグルトの順で入れると、鶏肉に味が馴染みやすくなります。
このまま焼いて食べるのもおすすめ。スパイスをアレンジしたり、にんにくと生姜を加えたりしてもいいですね」
2. 鍋にスパイスルー、手順1の鶏肉、水を入れ、ある程度馴染ませるように混ぜる
3. 蓋をし弱めの中火で7分ほど煮て、鶏肉にしっかり火を通す
途中で様子を見ながら、焦げつかないよう混ぜる。
4. バターを加えて炒め合わせ、生クリームを加えたら2分ほど弱火で火を通す
黄川田さん:
「鶏肉にバターの香りを纏わせるように混ぜてくださいね。盛り付け直前に入れることで、バターの香りを楽しめます」
温かいごはんと一緒に盛り付け、完成。
バターや生クリームが入ってしっかり濃厚な味わいなのに、カルダモンの香りや、胃もたれしにくいスパイスルーのおかげか、驚くほどあっという間に完食。もんやりとした空気を感じる春や、暑い夏にもさらりと食べられそうです。
今回使ったスパイスは?
今回基本のルーに使ったのは、どんなスパイスなのでしょうか。
黄川田さん:
「一見多く感じるかもしれませんが、今回選んだスパイスは、比較的身近なお店で手に入るかと思います。また少しでも取り入れやすく感じていただけたらと、食べやすく、スパイスらしい色を楽しめるものをセレクトしました。
クミンは、いわゆる『カレーといえば』な香りのスパイス。カルダモンはスッとする爽やかな香りが特徴です。
コリアンダーは、パクチーの種子を乾燥させたもので、香りづけに。色味や香りを整えてくれるのが、ターメリックです」
今回使ったスパイスの中でも、ターメリック・クミン・コリアンダーはカレーを作る上で基本とされることの多い3種。クミンとカルダモンは、ホールスパイスとパウダースパイスを両方使うことで香りが際立つそうですよ。
※妊娠中や体調不良時には、スパイスの摂りすぎにはご注意ください。ご自身の体調に合わせて量を調整してくださいね。
どれもカルディや大きめのスーパーなどで売っていることが多いスパイスですので、ぜひ探してみてくださいね。
最初揃えるにはちょっぴり勇気がいるかもしれませんが、どれも基本のスパイスで役割があり、取り入れやすいものばかり。ぜひはじめの一歩で手に取ってみてください◎
次回は香味野菜たっぷり、可愛らしい盛り付けもポイントの「サラダキーマカレー」をご紹介します。
【写真】メグミ
もくじ
黄川田 としえ
料理家・フードスタイリスト。雑誌やweb、広告などのメディアでレシピ開発・フードコーディネートなどを手がけるほか、子どもと一緒に作る料理教室や、子どもの心と体の成長をサポートするワークショップ、企業とコラボしたレッスンを不定期で開催する「tottorante」主宰。HP:https://toshiekikawada.com/
Instagram:@tottokikawada
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