特集|フィットする暮らしのつくり方vol.04 一田憲子さん編 第2話『暮らしと仕事の愛用道具』
ライター 大浦
本日は、第2話「仕事と暮らしの愛用道具」
ということで、
一田さんが普段の暮らしや仕事で
使っている道具たちをご紹介します。
そこには、たくさんの人やものに出会ってきた
一田さんだからこそもっている、
もの選びの視点がありました。
まずは暮らしの愛用道具から。
暮らしの道具たちは、
毎日毎日、繰り返し使い込まれている、
いわば暮らしの「スタメン」たち!
どんな顔ぶれか一緒に見ていきましょう。
暮らしの愛用道具その1「お鍋」
入れ子になっているこの鍋は、
京都の有次の鍋。
火が通りやすく煮物がおいしくできるそう。
包丁屋さんならではの、名前入れのサービスも。
「大根の煮物とか、一列に並べて
平等に火を入れることができるんです。
入れ子になっているので、しまうのに
場所もとらないんですよ。」
お鍋は、かなり使い込まれていて
醸しだしている雰囲気に
貫禄さえも感じてしまいます。
暮らしの愛用道具その2「朝食セット」
朝食は、パン、ヨーグルト、
季節のフルーツのコンポート、
文旦の手づくりジャム、ミルクティー、
というスタイルを続けているという一田さん。
そして、ちょうど1年前、
横浜にある「on the dish」の
イングリッシュマフィンに出会ってからは、
このパンが朝の食卓のスタメン入りをしたそうです。
パン皿は木工作家の三谷龍二さんの作品。
スプーンは、漆作家の赤木明登さんの作品。
どれも長く愛用しているお気に入りの道具です。
「朝食は大事なんですよね。
出張行ったりしたら、お家のごはんが
食べたいー!ってなります。
おいしくて、自分の好きなものだけが揃っているから
落ち着くんですよね。」
暮らしの愛用道具その3「お風呂セット」
シャンプーは、一田さんが通っている
美容院「tao」の手づくりシャンプー。
フムスエキスという海洋のエキスが入っていて、
デトックス効果があるそうです。
「私の髪質は多くて硬いんですけど、
このシャンプーを使ってからは
すごくまとまりやすくて、
セット力とか技術がいらない!
洗いっぱなしでもなんとなくまとまるんです。」
もともとは、美容師さんに薦められて
使い始めた一田さん。
こんな風に、人に教えてもらったことを
暮らしに取り入れては、実践するそうです。
暮らしの愛用道具その4「片口器」
「なんか口がついているとほしくなるんです。
きゅうりを叩いて塩で和えただけでも、
おいしそうに見えちゃうんですよ。」
どっしりとした器なのに、
口があるからかどこか可愛らしい。
並べてみると「なんかしゃべっているようですね」
と齋藤さんがぽつり(笑)。
片口、というと、てっきり注ぐ用の器
というイメージをもっていましたが、
日常の食卓にも、お客さま用のおもてなしにも
活躍してくれる道具なんですね。
続いては、仕事の愛用道具たち。
たくさんの人に会ったり、
複数の出版社の仕事を抱えている一田さんの
必需品とも呼べる道具たちをご紹介します。
仕事の愛用道具その1「リングノート」
取材の時のメモ用として活躍しているのが、
無印のリングノート。
「サイズを揃えてリピート書いできるもの。
遠くまで買いに行く必要がなく、手軽に入るもの。
その結果、無印のノートになりました。」
リングノートなので、立ちながら書きやすく
バッグに入って持ちやすいサイズでもあります。
ただ、一田さんが書く文字は大きいので、
一冊はすぐになくなるとのこと(!)。
仕事の愛用道具その2
「1.0㎜のボールペン」
大きな文字でサラサラ書くための、
ノートのお供がこちらのペン。
芯の太さはなんと1ミリ!
普段は、なかなか選ばない太さですよね。
ここまでくると、
いったい一田さんがどんな文字を書くのか
気になってきてしまいますね。
仕事の愛用道具その3
「クリアファイルと付箋」
仕事の案件ごとに、資料をファイルするために
いろいろ試した結果、行き着いたのがこちら。
「シンプルなクリアファイルに、
付箋で案件名を書く。
それだけです。」
おしゃれな文房具に胸が踊ったりもするけれど、
日常で生きている道具というのは、
見た目よりも、使い勝手の良さが
優先されるのかもしれませんね。
仕事の愛用道具たちは、
想像していたより、
ものすごくシンプルな顔ぶれでした。
あれもこれもと、
足し算、かけ算で揃えるのではなく、
引き算で「もの」を選ぶことも
大切だと教えてもらったような気がします。
食器棚の中身の変遷
いろいろな道具を見せていただきながらも、
一田さんのお家の中で、
ひときわ目を引くのが、大きな食器棚。
引越を機に、この空間に合うサイズの食器棚を探して
見つけてきたそうです。
この中に並べられている器が、今の状態になるまでの
変遷を教えていただきました。
「この食器棚は以前は作家物のオンパレードでした。
昔は『●●さんが作った△△』というのがステータスで
いろんな個展に行って買ってたんですけど、
4〜5年前くらいから、だんだん苦しくなっちゃって。
●●さん作じゃなくても、自分の家の肉じゃがに
似合うものでいいんじゃないかって。」
「それからは、洗いやすくて丈夫で、かつかっこよく
盛りつけられるような器になってきました。
フリーマーケットに出したり、友人に譲ったりして、
当初の2分の1くらいに減りました。
シンプル過ぎたり、シャープだったりすると合わず、
逆に重厚すぎても器の力に負けてしまったり。
この空間にフィットするには、モダンなものより
少し土くさい器が合っているように思います。」
何度も繰り返した失敗
一つの器も、家の空間を構成する一部であり、
その空間への「馴染み具合」を
一田さんは見極めているようでした。
そして、その見極める「目」を
もつことができた背景には、
何度も繰り返した失敗があったからだといいます。
「お金を使って、うちには無理!って経験したから
わかったことなんです。
ここに合うかは、買って使ってみないとわからない。
わからないから、昔は名前で選んだり、
雑誌に載っているから
買ったりしたんだと思います。」
ごはんが出来上がり、さてどの器に盛り付けようか。
食器棚の前にきて、自然と手がのびる一枚。
自分の日常に取り入れたからこそ、
自然と見えてくるものがあるようです。
その器から日常が想像できるかどうか
今はほとんど器は買わなくなったと話す一田さん。
そんな中でも、よっぽどいいなと
思えるものは買うのだとか。
決め手を聞いてみると、
「うちの肉じゃがにいいなあとか、
サラダに合うなあと感じたとき」。
つまりは、その器から日常が想像できるかどうか。
そこには、作家名も関係なく、有名無名も関係なく、
自分の家に、暮らしに、合うかどうか。
ものを選ぶときの、一番肝でありながら
ついつい見落としがちが、その視点。
そしてその「合う」「合わない」は、
正直使ってみないとわからないのかもしれません。
親に危ないよ、と言われながらも
小さな子どもが高いところに登って、
転んで泣くように、
自分で体感することでしか得られない
感覚というものが人にはきっとあります。
体感することで、ぼやけていた風景が
少しずつクリアーになっていくように、
ものを見極める「目」が育まれていくんでしょうね。
そしていくつもの経験と月日を経て、
自分だけがもつ「目」が
出来上がっていくような気がします。
明日の3日目は
「自分らしく家で過ごすためのこだわり」を
一田さんから教えていただきます。
そもそも自分らしさってなんでしょうね。
そんなことも、みなさまと一緒に
考えていければと思います。
明日の更新も、どうぞお楽しみに!
ライティング:大浦麻衣
写真:鍵岡龍門
◎一田さんの著書の一部はこちら。↓↓↓
【暮らしのおへそ vol.16】
暮らしのおへそ vol.16 (私のカントリー別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-08-30 |
【大人になったら着たい服 2014秋冬】
大人になったら、着たい服 2014秋冬 (ナチュリラ別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-10-18 |
【毎日の大人服】
毎日の大人服 (ナチュリラ別冊) Permanent Age 主婦と生活社 2013-10-30 |
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もくじ
◎第1話「編集者 一田憲子さんを訪ねました」
(12月16日公開)
◎第2話「暮らしと仕事の愛用道具」
(12月17日公開)
◎第3話「自分らしく家で過ごすためのこだわり」
(12月18日公開)
◎第4話「編集者の暮らしの素顔」
(12月19日公開)
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