特集|フィットする暮らしのつくり方vol.04 一田憲子さん編 第1話『編集者 一田憲子さんを訪ねました』
ライター 大浦
こんにちは。
ライターの大浦です。
本日より、
『フィットする暮らしのつくり方 vol.4』
を公開させていただきます。
柳沢小実さん、石井佳苗さん、平井かずみさん
に続き、今回ご登場いただくのは、
編集者の一田憲子(いちだ のりこ)さんです!
一田さんは、ご自身で
企画・編集・ライティングをされている
「暮らしのおへそ」をはじめ、
「LEE」や「和楽」など様々な女性誌で
活躍をされている編集者・ライターです。
女優、料理研究家、専業主婦など
いろいろな人物をインタビューし、
その人の「習慣=おへそ」を紹介する
「暮らしのおへそ」は
自分の暮らしを見つめ直すきっかけを
くれるようなムック本です。
もしかすると、
発行当時から読み続けているお客さまも
多いかもしれませんね。
今回は、一田さんのご自宅にお邪魔をし、
暮らしと仕事の愛用道具を見せていただきながら、
自分らしく家で過ごすこだわりなどを
お聞きしてきました。
これまでの一田さんの著書では知られていない
幼い頃の思い出話や、意外な素顔にも迫ります。
取材は、スタッフ齋藤さん、カメラマン鍵岡さん、
そして大浦の3名で行って参りました!
第1話の本日は、編集者という道を選んだ経緯を
お聞きしながら、気になるご自宅の写真を
たっぷりお届けしたいと思います。
京都の暮らしが原風景
一田さんは9年前から、都内にある木造の平屋で
パートナーの方とお二人で暮らしています。
引き戸の玄関扉、畳、木枠のガラス戸、
雀が遊びにきている庭、木の柱、
そしてたっぷりとお日さまの光が入る縁側。
古い家に惹かれたのは、幼少期に過ごした
京都の舞鶴の暮らしが原点にありました。
「友達と裏庭に椿をとりにいったり、
ホタル狩りをしたり、初雪の日には雪だるまを
つくったり、軒先のつららを眺めたり。
3~4年しかいなかったんですけど、
そのときの暮らしがすごく楽しかったんです。」
子どもたちの成長を間近で見た経験
幼い頃は、外を駆けまわるような活発な
一面をもちつつも、夜はお布団の中で
懐中電灯を持ちながら本を読むほど
文学少女の一面も。
絵本を使って、部屋をつくるような遊びもしたりと、
小学生の頃から、暮らしの空間やインテリアにも
既に興味があったといいます。
そして小学生から大学受験の頃までは、
一貫して「小学校の先生」になるのが夢。
高校生の頃からは、カトリック教会の
子ども会のお世話役をやっている中で
思春期の悩みを抱える子どもと交換日記や
文集、新聞作りをしたり。
子どもたちの裸の心に触れながら、
成長していく姿を見ていた経験は、
後に初めての著書となる
『扉をあけて。小さなギャラリー』に
繋がっていると一田さんは振り返ります。
手探りで始まった出版の世界
大学卒業後は、商社へ就職。
「仕事はきちんとこなすけど、
好きでやっているわけじゃないから、
そんな熱心ではなかったですね。
毎日ボディコンの服を着て(笑)、
5時半に仕事を終えるとディスコに行ったり。
何かが違うってずっと思ってました。」
どこか違和感をもちながら、
3年勤務した後に退職。
東京に上京し、小さな編集プロダクションで
右も左もわからない状態から、
雑誌作りを学んでいきます。
5年ほど経った頃、
自分のやりたい仕事もできないかと探し始め、
インテリア雑誌の出版社に営業へ。
提案した企画が一つ通り、
はじめて任された仕事のテーマは
“子ども部屋”。
「どこの家を取材するか、探すのは自分で、
どうやって探すのかノウハウもなくて。
原稿も全然だめで、編集長からOKもらえるまで
帰れないような時代でした。」
ちょっと遊ぶような気持ちで、寄り道を
その後も、何本も仕事を抱えながら
朝から晩まで働くような生活が続いたといいます。
好きなことをして働いている感覚や、
仕事を楽しいと感じる余裕はなく、
食べていけるかという不安と
常に戦っているような状態。
そんなある日、一田さんはふと気づいたそうです。
「帰ってくると、机の上にはホコリがたまっていて、
この間買った作家さんの器も使っていない。
私はなんのために仕事をしているんだろうって
思ったんですよね。
もっとゆっくりやらなくちゃなって思い始めて、
それからは、自宅でごはん会を開いたり、
ちょっと遊ぶような気持ちで、寄り道をしていた結果
はじめての本『扉をあけて、小さなギャラリー』
がうまれたんです。」
若者が、自分の「好き」という気持ちを信じて
ギャラリーを立ち上げている姿は、
高校生の頃に見た教会の子ども会の、
子どもたちの姿に通じるものがあるといいます。
「家賃を払い、商品を仕入れて、在庫をかかえて、
やっていけるのだろうかという不安に慄いている、
オーナーたちの震える心。
そういう葛藤を聞いていて胸が熱くなったり、
エイ!ってやっているところに、
私にない強さを見たり。
そういう人達の物語を聞くのが面白かったんです。」
「暮らしのおへそ」のきっかけは引っ越し
いつか古い家に住みたいという気持ちをもっていた
一田さんは、9年前に現在の家と出会いました。
引越を機に、「早起きをするぞ!」と
これまで苦手だった朝型の生活を試みたものの、
なかなか実践できず。
「そのとき、一つの習慣を変えるだけでも
なかなか変えられないって思ったんです。
だからこそ、その人その人がもっている習慣って、
その人らしい要素だなって。
習慣を切り口にした本を作ろうと思ったとき、
一つ一つの習慣が、背骨のように積み上がる、
その真ん中にあるものが『おへそ』だ
って思ったんです。」
そして「暮らしのおへそ」は一田さんにとって、
自分の媒体とも呼べる本となったのです。
漕ぎ方の分からないボートに
一人で乗ったかのように、
ライター、編集者、という道を
突き進んできた一田さん。
立ち止まり、地図を広げるよりも
どちらに進むべきかは
自分の身体と心が行きたい方へ。
そうした結果、
光が溢れる縁側のあるこの場所にも
辿り着いたのかもしれません。
縁側の光が、
じんわりと人を温めてくれるように、
人の心にそっと寄り添って。
それは一田さんの、
昔から変わらない姿でもあったことを、
教えてもらったような気がします。
次号「暮らしのおへそ vol.17」は
年明けの1月30日発売予定とのこと。
今回はどんな「おへそ」たちが待ってるのか、
今からとてもワクワクしますね。
そして明日は、お家の中で
毎日活躍している暮らしの道具と、
たくさんの人に会って話を聞くために
いつも持ち歩いている仕事の道具を
ご紹介します。
明日の更新もぜひお楽しみに!
ライティング:大浦麻衣
写真:鍵岡龍門
◎一田さんの著書の一部はこちら。↓↓↓
【暮らしのおへそ vol.16】
暮らしのおへそ vol.16 (私のカントリー別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-08-30 |
【大人になったら着たい服 2014秋冬】
大人になったら、着たい服 2014秋冬 (ナチュリラ別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-10-18 |
【毎日の大人服】
毎日の大人服 (ナチュリラ別冊) Permanent Age 主婦と生活社 2013-10-30 |
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もくじ
◎第1話「編集者 一田憲子さんを訪ねました」
(12月16日公開)
◎第2話「暮らしと仕事の愛用道具」
(12月17日公開)
◎第3話「自分らしく家で過ごすためのこだわり」
(12月18日公開)
◎第4話「編集者の暮らしの素顔」
(12月19日公開)
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