特集|フィットする暮らしのつくり方vol.04 一田憲子さん編 第3話『自分らしく家で過ごすためのこだわり』
ライター 大浦
本日は、第3話
「自分らしく家で過ごすためのこだわり」
をお届けします。
編集者・ライターとして
全国を飛び回っている一田さん。
忙しい日々の中、自分らしく過ごすための
こだわりを4つ教えていただきました。
「暮らしのおへそ」を通して
いろいろな人物の「習慣=おへそ」を伝えてきた
一田さんが、どんなこだわりをもっているのか
とても気になりますよね。
一田さんのお話からみえてくる
「自分らしさ」ってなんだろう、という問いも
みなさまと一緒に考えていければと思います。
その1「香りを焚く」
一田さんのご自宅へ伺ったこの日、
玄関で迎えてくれたのは、香りでした。
冷たい朝の空気と混ざり合って、
来る人を包むわけでもなく、
でも静かに迎えてくれている、
その場に佇んでいるような匂い。
「ドライのセージを焚いているんです。
この家は、似合う香りと
似合わない香りがあるんです。
たぶん甘い香りは似合わない。
だからセージのスモーキーな香りとか
白檀とかレモングラスとかを
選んでいます。」
実は、この方法
つい最近の取材で教えてもらったそうです。
「いろんなことを聞いたらすぐまねするんです。
取材終えてすぐネットで取り寄せて、
取り入れるのがはやいんです。」
でも、と一田さんは続けます。
「やらなくなるのも早い。
背伸びしてやったものの、全然無理なことも多い。
ほとんどなくなるけど、
とりあえずやってみるんです。」
木や畳のぬくもりがあって、
外気や太陽の光と距離の近いこの家に、
セージの静かな香りは
じんわりと吸い込まれているようでした。
その2「水回りの掃除」
「私、とにかくまめじゃないので、掃除が苦手。
ただ、水回りだけは気になるんです。
キッチンが清潔じゃないとイヤ。
でも根が細やかじゃないので、
忙しいときはギトギトのベトベトになって。
そういう汚れを洗ってリセットできるものが、
ステンレスとガラス製の道具。
掃除の手間を最小限にするために、
トレーにのせて、下の部分を
ふけるようにしてます。」
ステンレスやガラス製の道具たちは、
デザインの主張が強くなく、統一感もあります。
でも何より、優先すべきは掃除のしやすさ。
手間がかからずきれいになってくれるのならば、
「掃除するか!」とスイッチも入りやすそうですね。
その3「しっかり乾かす」
太陽の光がたっぷりと注がれる縁側には、
折りたたみ式のタオルかけと、
かごに入った土鍋が置かれていました。
「じめじめしているのが苦手で、
すぐ乾くように薄いものを選んでいます。
からっからに乾かせば、清潔な感じがして。
土鍋は2日間置かないと、中まで乾かないので
縁側で乾かしています。
土ものの器も、かびやすいので
夜洗ったらテーブルに置いて一晩乾かします。」
縁側に置かれた土鍋たちは、
砂浜で日光浴をしているかのように
サンサンと浴びていて気持ちが良さそうです。
ものも人と同じで、
太陽の光や新鮮な空気に触れると、
元気を取り戻していくのかもしれませんね。
その4「お風呂は1日2回」
この家に引っ越してから、朝型に切り替えようと
意気込んでいたという一田さん。
第1話でご紹介したとおり、その習慣を変えることの
難しさを痛感し、「暮らしのおへそ」がうまれる
きっかけとなりました。
しかしそんな苦戦にも終止符が打たれます。
それは朝風呂の気持ち良さを知ったから。
「5時半くらいに起きてお風呂に入ると
パチっと目が覚める。
身体が気持ちいいから続くんです。
お風呂は冷えとりのためもあって、
朝晩やるといいよって教えてもらって。
毎日、20分ずつ半身浴をしています。」
五感が気持ちいいものは続く
香りを焚いたり、朝風呂をしたり、
誰かから聞いたことを、
一田さんはぐんぐんと
日常に取り入れているように見えます。
まずは試して、体感する。
それを繰り返しながら、残っていくものはなにか、
お聞きするとこんな答えが返ってきました。
「五感が気持ちいいものは続く。」
たとえば、料理家の先生から教えてもらった
だしの取り方。
これは、大根をたくだけでも味が全然違い
美味しいから続けている、と。
朝風呂も身体が気持ちいいから続いている、
毎日決まった朝ごはんも、美味しいから続いている。
頭でいくら身体にいいとわかっていても、
美味しい、気持ちいいがないと、
それを自分の習慣に取り入れるのは難しいものです。
五感が喜んでくれないと、続けること自体が
苦痛になってしまったり。
きっと誰しも、毎日の中で、我慢してたり
無理をしていることがたくさんあります。
だからこそ、自分の五感が喜ぶものを
見つけ出すことができたら、自分を労り、癒やし、
背伸びすることも窮屈な気持ちになることもなく、
やがて自分らしく過ごせる術を
身につけることにも繋がるのではと思います。
出張後のリセット方法
取材などのために、出張も多いという一田さんは
自分をリセットする方法があると教えてくれました。
「帰ってくるとまずは、
馬の餌みたいなサラダを
作ってバリバリ食べる(笑)。
香りを焚いて寝て、朝またお風呂に入って、
いつもの朝ごはんとコーヒーを淹れる。
そうするといつもの“自分”に戻ってくるんです。」
精神的な疲れの取り方も聞いてみると、
答えは「寝る」。
「悩みは引きずるほうなので忘れませんが、
睡眠が足りていないと、嫌なことももっと大きく
感じちゃったりするじゃないですか。
だから『寝が足りる』って大事ですよね。」
「快」「不快」と「好き」「嫌い」
一田さんの、自分らしく家で過ごすこだわりや、
日常を取り戻すリセット方法をお聞きしていると、
自分の「快」「不快」を
きちんと咀嚼できているんだなあと感じます。
自分が何をすれば気持ちいいのか、
どうすれば体調が良くなるのか、を知る。
そして、どういう状態だと嫌な気持ちになるのか、
体調が崩れてしまうのか、を知る。
一田さんの「自分らしさ」は
「快」「不快」というベクトルで測っているようで、
それは「好き」「嫌い」というベクトルとは
少し違うのでは、と思います。
自分らしさというと、
自分が何が好きなのかを考えたり、
身の回りに好きなものを集めたり飾ったりすることの
ように捉えがちかもしれません。
もちろんそれも一つの自分らしさですよね。
でも自分の「快」「不快」をきちんと知って
暮らしをつくっていったのならば。
きっとそのときは、今まで見えていなかった
新しい「自分らしさ」に
出会えるような気がします。
明日の最終話は、
これまで一田さんの著書では
あまり知られていない
意外な素顔をお届けします。
そして、
取材の最後に開かれた「一田食堂」
(予想外の展開に一同大興奮!)
の様子もお届けします。
明日の更新もどうぞお楽しみに!
ライティング:大浦麻衣
写真:鍵岡龍門
◎一田さんの著書の一部はこちら。↓↓↓
【暮らしのおへそ vol.16】
暮らしのおへそ vol.16 (私のカントリー別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-08-30 |
【大人になったら着たい服 2014秋冬】
大人になったら、着たい服 2014秋冬 (ナチュリラ別冊) 主婦と生活社 主婦と生活社 2013-10-18 |
【毎日の大人服】
毎日の大人服 (ナチュリラ別冊) Permanent Age 主婦と生活社 2013-10-30 |
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もくじ
◎第1話「編集者 一田憲子さんを訪ねました」
(12月16日公開)
◎第2話「暮らしと仕事の愛用道具」
(12月17日公開)
◎第3話「自分らしく家で過ごすためのこだわり」
(12月18日公開)
◎第4話「編集者の暮らしの素顔」
(12月19日公開)
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