【はたらきかたシリーズ】デザイナーで2児の母・田中千絵さん 第2話:アイデアが生まれる、道具と暮らし

編集スタッフ 長谷川

150804ct_workstyle00035聞き手・文 スタッフ長谷川、写真 飯田えりか

デザイナー・田中千絵さんの働きかた。

さまざまな方の「仕事」や「働きかた」をお聞きする連載「その『働きかた』が知りたい」。Vol.4は、デザイナー・田中千絵さんにお話を伺っています。

表現方法を問わず、精力的に活動される田中千絵さん。中学1年生と小学3年生の息子さんを育てるお母さんでもあります。


もくじ


 

連載第2回は、デザイナーとしての顔にフォーカスして、仕事道具やアイデアを生むヒントを教えてもらいました。

 

パソコンに向かう時間を、意図的に減らしています。

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仕事をする際に心がけているのは、パソコンへの向き合い方と、時間の使い方だと言います。

田中千絵さん:
「パソコンをずっと長くやっているのは体質に合わなくて、疲れちゃうんです。

だから、打ち合わせをしていて、お話をいただいた時に9割くらいイメージが固まりつつあって、あとはもう散歩したり見たり聞いたり食べたり、人と話したりしていく間に自己形成して、家に帰って一気にパソコンにわー!っとはき出す感じ。

手を動かす時間は短いです。もちろん作業が早い方とは言われますが、どちらかといえば、作業の時間をすごく意図的に短くしています。

ひとり24時間は平等だし、出かけるのも大好きで、寝る時間は割と取りたい。そうなると、パソコンの前で長い時間、悩んでいないで、これ!と決めた作業に力を注ぐほうがいいですよね

第1回でスケジュールを紹介したように、田中千絵さんは昼間のワークタイムを10時から16時と限っています。メリハリのある働きかたと使える時間を生み出すために、パソコンの前で止まるようにしない、というわけですね。

 

親子並んで、手を動かすテーブル。

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閑静な住宅街にあるアトリエ。息子さんたちの学校も近くにあるため、学校帰りや休日などに、ここで一緒にものづくりをすることも。

その空間での時間は、参加者と先生が一緒になって、創作や表現をしたり学んだりする「ワークショップ」みたいなもの。

大人目線だけにならず、「子どものかわいい感じ」を入れ込むことで、作品への心の垣根を低くするニュアンスも生まれるそうです。

田中千絵さんは「作業がしやすい、白くて大きめの机」が好み。そこで、天板は強いけれど、脚がすっと細い机を設計。制作は、叔父であるデザイナー・田中一光さんの家具も手がけていた大工さんに依頼したのだとか。

 

「触るもの」で仕事スイッチを切り替える。

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思いついたことや気になったことはiPhoneの「メモ」にすぐ書き留めています。他にもiPhoneでは、最新の情報を得るために、Twitterでニュースなどを追っているそう。

田中千絵さん:
「人から聞いた本なんかもiPhoneにメモを残しておきます。

それから、仕事をする上で欠かせないのが、お気に入りの文房具たち。紙の工作をするのに必要なマスキングテープや両面テープは、いつも多すぎるくらいあります。

定規もたくさんあるんですけど、線を引く時に使っているかは怪しい(笑)。数字が整然と並んでいるところや、触った感じが好きなのかな。子どもも文房具、好きなんですよ。彼らにとっても、一番の仕事道具ですからね」

大好きな消しゴムを子どもに自慢するのが好き、というおちゃめな一面も。大事な仕事道具も、家族とつながっているんですね。

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最近、文房具の中でもお気に入りなのが、東京・青山の西洋民芸品を扱う「グランピエ」で買ったえんぴつ。

田中千絵さん:
「すごい持ちにくくて、粗っぽいんだけど、その粗さがいいんですよ。手を使っている、『書き出している』感じがします。文房具に触れるのが、仕事への切り替えスイッチみたいになっているかもしれません」

さらに、アイデアやインスピレーションを受けたり、家族とのコミュニケーションの場にもなっていたりするのが、長男や夫との『共有文庫』なのだとか。

トイレやリビングに、田中千絵さんが面白いと思った妹尾河童さんやさくらももこさんの文庫、SF好きな夫の本などを集めています。

田中千絵さん:
「この前、長男がさくらももこさんにハマったらしくて大人買いしてて(笑)。ちょっとした書店コーナーを自宅に設けるのはいいですよ。子どもが興味を持つ本もわかるし、自分が読まなかった本を手に取るきっかけにもなりますから」

 

仕事は「面白さを乗せて150%で提案する」から広がっていく。

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▲アトリエには、「タイムライフチェア」とも呼ばれる、イームズの椅子もありました。この椅子はチェスの世界大会でも採用されたそうで、特に集中したいときにはこちらに座ることも。

田中千絵さんが仕事でポリシーにしているのは「面白さを乗せて150%で提案する」こと。すると、依頼主も「面白い!」と応えて、考えていた着地点からさらに広がった仕事になるのです。

そして、ひとつのプロダクトを作ったら「そのプロダクトの行く末を考えてあげる」のも、自分の仕事だと思っているそう。

Instagram(※写真投稿・共有サービス)やブログなどインターネットを活用して広めたり、自分でそのプロダクトを積極的に楽しんで使い方の形を見せたりするというのです。

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その良い例が、写真の「ヒキダシノカレンダー」。紙のラックに、手折りした色とりどりの紙の箱を収め、万年カレンダーとして使えるプロダクトです。

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アトリエにあったヒキダシノカレンダーには、「友人のひきだしの中からのプレゼント」が収められていました。友人は、デザイナー、アートディレクター、料理家、研究者など多岐にわたるので、集まるものも、さまざま。

また、それらのプレゼントを収めた箱たちと共に、友人たちのオフィスやアトリエなどのデスクの引き出しを紹介する展示会も開催。田中千絵さんなりの「プロダクトの使い方」を見せる取り組みでした。

この「友人たち」は、田中千絵さんはもちろん、子どもたちにとっても大きな意味を持っているのだといいます。最近、田中千絵さんは、親交のある「楽しい大人」をゲストとしてアトリエに招き、子どもを交えてホームパーティーを開いているのだとか。なぜ、「楽しい大人」を招くホームパーティーをしているのでしょう。

その理由は、第3話にて。

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