【旅のおしゃれ】第1話:身軽な荷づくりとおしゃれの両立はできる!持ち物えらびのコツ。
編集スタッフ 田中
写真 小野田陽一
年末年始、家族旅行や帰省で泊まりがけで出かける方も多いのではないでしょうか。そんなタイミングで、少ない荷物でおしゃれも叶えるコツを3話連載でお届けしていきます。
旅行の服装や荷物は軽くてかさばらないのが一番!と思いつつ、写真にうつる機会も多く、久しぶりの親戚や両親、友人に会うときはおしゃれでいたいですよね。
以前コンディション作りの特集や、当店のリトルプレスでのエッセイでご協力いただいている文筆家・編集者の小川奈緒さんに、旅じたくとおしゃれについて聞きました。みなさんにも参考になるポイントが見つかったらうれしいです。
もくじ
旅のおしゃれを考えてみたくなった。
(photo/三村健二)
わたし・スタッフ田中は、普段の荷物も割と多め、旅行や帰省になるとさらに多めになり、毎度荷づくりが面倒になっていたんです。
そんなとき小川奈緒さんが海外旅行へいく際に、服のコーディネート表(上写真)をつくっているとブログに書かれていたのを見ました。「これはいわば絵コンテのようなもので、荷づくりが無駄なくスムーズにいく」と添えられたコメント通り、その旅では服はもちろんアクセサリーやネイルなどおしゃれに気を配っていらっしゃる姿が印象的だったのです。
どんなふうに荷づくりされているんだろう?と、旅のおしゃれについての興味はここから始まりました。折しも「おしゃれと人生。」という新刊を上梓されたばかりで、小川さん自身も以前にもましておしゃれの面白さや大切さを実感しているタイミングだったようです。
これまでの経験から培った小川さんなりの旅じたくをお聞きしました。
文筆家・編集者の小川奈緒さんに聞いた、身軽な荷づくりとおしゃれの両立。
旅行の回数自体は特別多いわけではないけれど、たまの海外旅行や夫・高弘さんの実家への帰省、そして仕事で出張するときなどに、泊まりがけの旅じたくをする小川さん。
「ある出張がきっかけで、荷物を軽くして身軽になると、快適で充実した旅になるとわかった」と話す、その出張ではスケジュールの都合上、宿に荷物を一時置きする間もなく、駅のコインロッカーに預けておいたり、持ったまま移動したりというものでした。
小川奈緒さん:
「だから荷づくりをするときに、いかにして荷物を軽く、コンパクトにできるかと考えて、同行する夫の荷物も一緒にひとつのキャリーバッグにいれることにして、化粧品も服もひとつひとつのかさを減らすことを意識したんです。」
その効果は大きく、荷物が重ければきっとあきらめていた予定までこなせたりと、「身軽であること」の大切さを痛感。「とはいえ旅行だもの、おしゃれも譲れない」と、その後の小川さんの旅じたくは身軽さとおしゃれの両立をテーマに回を重ねるごとに自分なりのルールが形成されてきたといいます。
この特集では、小川さんに、持ち物、スーツケースへのパッキング、旅当日や滞在中の服装をお聞きしました。第一回は、持ちもの選びのポイントです。
【持ちもの選びのポイント 】
服の素材えらびで荷物のかさを減らす
▲Faliero Sarti(ファリエロサルティ)/シルクレーヨンのストール。色違いでグレーも持っているそう。
寒いかもしれないからもう一枚持っていこう、この服も着たいからと荷物をつめて失敗した方もいらっしゃると思いますが、一番かさばるのが服ですよね。小川さんの服選びのポイントは「薄くて軽い、肌触りのいい素材の服」だそう。見せていただいたのは、カシミヤやシルクなどのニットやストール。
カシミヤなどは糸の太さによって服の厚みが変わりますが、薄手のものでも基本的には暖かく、防寒にも一役買ってくれます。
▲左上から時計回りに、Cruciani(クルチアーニ)のシルクカシミヤニット
・透けるほど薄いのに巻くと暖かなmatta(マッタ)のシルクコットンストール
・たたむとコンパクトなFaliero Sarti(ファリエロサルティ)のシルクレーヨンストール
・薄い生地のエンジニアドガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)シルクコットンラップスカート
小川さん:
「年齢を重ねるにつれて、普段の服えらびでは着心地と肌触りがいいことが重要になってきたのですが、その条件は旅行の服装にも向いているとわかったんです。
この水玉のスカート(エンジニアドガーメンツ)は、特に生地の質感が気に入っていてスーツケースにいれることが多いですね。」
これらの素材は、たたむとコンパクトなのに着用すると、ふわりと空気を含んであたたか。インナーなどで調節すれば、季節をとわず使えるのも旅のワードローブとして愛用する理由だとか。
▲巻くとふんわりと広がるストールは、いつもバッグにいれているそう。
滞在中はTPOにあわせつつ、親子でお揃いカラー
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トップス:Drawer /カシミヤタートルニット
ボトム:muveil /フラワープリントのスカート
靴:Church/ウイングチップシューズ
アクセサリー:rubus /淡水パールのロングネックレス
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今回旅先に設定したのは帰省先。そんなとき心がけているのは、着心地や身軽さに加えて、久しぶりに会う親戚や家族に対して失礼のない装いであることだそう。
たとえば、今回見せていただいた滞在中のコーディネートでは、小川さんはシンプルなニットにロングネックレスをあわせて、きちんと感の演出を、一方娘さんには小学校の入学式用におばあちゃんに買ってもらったという服を選び、その姿を見ることで喜んでもらいたいという気持ちが表れていました。
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アウター:小川さん手作りのコート、コサージュはla fleuer
ワンピースとカーディガン:祖母に買ってもらったもの
インナー:白いタートルネックのカットソー
靴:黒のストラップシューズ
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イエローの色づかいもポイント。娘さんのコートと小川さんのスカートの色がリンクしていますよね。「娘にとってお揃いって嬉しいらしいんです。また、白やイエローなど明るめのカラーで、子どももウキウキとした気持ちで旅や再会の場を楽しめるようにと考えました。」と小川さん。
気分転換のアクセサリーやマニキュア
▲ネイル:THREE、KESTER BLACK、ネックレス:左/MUJUS、右/メルボルンのフリーマーケットで購入
アクセサリーなどは最小限にしないと、と思ってしまいがちですが、小川さんによると旅のおしゃれのテンションを左右する大切な部分であり、アクセサリーの種類が揃っていれば服をシンプルにすることができるため、あえて我慢はせずに持っていくのだとか。
指先のおしゃれも、すこし長めの滞在だったら、マニキュアと数枚のコットン、携帯用の除光液を持っていき、塗り替えることで気分転換になるといいます。
小川さん:
「旅先でマニキュアを買うこともあります。かさばらないし、出費も大きくない、けれど簡単にテンションをアップできるものっていいなと思って。」
お気に入りのアクセサリーを失くしたり壊すかもしれないから、という場合には小川さんおすすめの持ち運び用アイテムがありますよ。次回第2話でお話ししますので、ぜひ続きをご覧くださいね。
旅のおとも、こぼれ話「リラックスウェアで、くつろぎタイムの質がアップする」
小川さんの旅じたくの中には、真似したいアイデアがたくさんありました。宿をとっての旅行などで有効なのは、パジャマと外出着の間に位置する”リラックスウェア”の用意。
トップス:MXPのTシャツ、ボトム:DANSKINのパンツ
旅では普段よりものんびりできる時間があるため、部屋でストレッチや簡単なヨガをすると、移動の疲れも回復しやすく、翌日は朝から元気に歩き回れるといいます。
そんな時間を過ごすときに愛用しているのは、小川さんが普段からヨガウェアとして使っているシンプルなデザインのスポーツウェア。近場の散歩くらいなら外出もでき、洗濯してもすぐに乾くところが旅向き、と絶賛していました。
宿に帰宅してお風呂に入る前など、いきなりパジャマを着るのも旅気分が急にダウンしてしまいそうで味気ない。リラックスウェアは、日常とは違うくつろぎの時間を作り出してくれるんですね。
ちなみにパジャマは薄手で肌触りがいいことを基準にセレクト。あえて上下を揃えないことで寝巻きっぽさを抑えるのもポイントだそうですよ。
トップス:MILFOIL、ボトム:SUNSPEL、レッグウォーマー:かぐれ
旅の荷物の中で一番かさが大きい、服の荷づくりが素材えらびによって変わる!とやや興奮し、旅の気分を存分に楽しむことって、服装やアクセサリーなどおしゃれの要素で大きくかわってくるんだなと実感した持ち物えらびでした。
次回は、実際のスーツケースにパッキングするときのコツを伺います。小川さん絶賛のアイテムが登場します。お楽しみに!
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