【はたらくを考える】後編:ワーキングマザーを助ける「ちょうどいい」の見つけ方(対談!サイボウズ中根さん×店長佐藤)

編集スタッフ 長谷川

160226sybozu_kurashicom_14写真 田所瑞穂

サイボウズが運営する “新しい価値を生み出すチーム” のためのメディア「サイボウズ式」と、私たちクラシコムの「北欧、暮らしの道具店」によるコラボレーション対談企画、「サイボウズ中根さん×店長佐藤」編をお届けします。

160226sybozu_kurashicom_28▲(左から)代表青木、サイボウズ青野さん、サイボウズ中根さん、店長佐藤

サイボウズは主にインターネットを活用して、チームで情報共有をしやすくするソフトウェア(=グループウェア)をつくっている会社です。

今回の企画は、サイボウズの社長を務める青野慶久さんの著書『チームのことだけ、考えた。』に代表青木が共感。「サイボウズさんと一緒に何かできないかな?」のひと声から実現しました。

 

160226sybozu_kurashicom_27▲サイボウズ式の記事はこちらから。私たちと違う角度から代表青木、店長佐藤の対談を取り上げています。

 

前編では青野社長と代表青木の対談から「チームワークの作り方」を考えました

今回の後編は、2児の母でありながらサイボウズ執行役員を務める中根弓佳さんと、店長佐藤の対談から「ワーキングマザーを助ける気づき」に注目してピックアップ。

ほぼ同い年のふたりは、会社の規模は違えども、子育てをしながら働くお母さんです。中根弓佳さんは執行役員、そして社員の採用や財務などを扱うポジションを務めています。現在、責任のある立場として腕を揮いながら、多くの葛藤を経てきたそう。

会社勤めをしながらの子育て。そんな日々の中で得た気づきによって、ふたりは子育てに対しての向き合い方が変わり、仕事にも役立ったことがあるのだといいます。

 

「どうするべき?」を乗り越えた、ひと言。

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私、1ヶ月ほど前に40歳になったばかりなんです。

 

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近いですね。私はもうすぐ39歳になります。

 

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今5才の長男がいますが、中根さんは2児のお母さんなんですよね。

 

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上の子が小学生、下が年長です。

 

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お母さんとしては中根さんが先輩になりますね。

今回、中根さんにお会いするということで、いろんなメディアに出られたインタビュー記事を読んだのですが、中根さんの1日に「4時から5時に起床」と書いてあったんです。

 

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仕事を本気でやるときは早く起きます。退社後に来ているメッセージを確認しようとすると、今は5時くらい。夜がだめなんです。寝ちゃう。

 

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寝かしつけで一緒に?

 

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一緒に寝ちゃう。試行錯誤して途中で起きようと試みたこともあるのですが、私には無理だとわかったので一緒に寝ることにしました。

子供が大きくなってきた今は、21時半から22時には就寝です。

 

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逆に私は朝が弱いから、夜に時間をつくりたくて、24時くらいまでに寝る感じですね。

中根さんは2001年にサイボウズさんへ入社されて、10年ぐらいの間にいろんな編纂を遂げてこられていると、社長の青野さんのご著書を拝読して知りました。

その編纂を青野さんと共に乗り越えてきながら、自分自身の担当される部門でリーダーシップを発揮して、部下を引っ張ってこられた。その立場でありながら、2回の出産と育児とはすごいなと。

 

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いえいえ、流れに身を任せた感じです。

私は2001年に入社をして、2007年と2009年に出産しました。ちょうど会社の方向性が大きく変わった怒涛の時期で、離職率が28%にも達するほど変化が激しかったころに1人目を妊娠しました。

その時の社内は「明日は誰が辞めるかな」とリアルに社員の中でささやきあっている状態なんですよ。そんなときに妊娠して思ったのは「どうしよう」でした。

 

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仕事を続けようか、どうしよう?

 

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というよりも、非常に忙しい状態でしたので「私が休んだらどうなるだろう。みんなに迷惑をかける」と思ったんです。

一筋の光になったのが、当時の上司に妊娠を報告したら「おめでとう、よかったね!」と言ってくれたんですね。それから初めて妊娠を喜べるようになりました。

産休育休で計9ヶ月間お休みをいただいたのですが、子どもが産まれたら「中根さんの赤ちゃんを見に行こう」と同僚が遊びに来てくれたんです。でも、離職率は依然高く、社内は一体感があるとは到底言えない状態で。

赤ちゃんのことはそこそこに、会社の不満や不安を話すようになっていたんです。それを聞く私はさらに不安になるわけで。

 

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自分の体調も不安定な時期ですしね……。

 

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そう、不安定な時期。同時期に転職の誘いもあったりして、「私はどうするべきだろう」と非常に悩みました。

その時に、夫から「他人からの伝聞で決めないほうがいい」と言われました。確かにその通りだと。

子どもを一時保育に預けて、青野に会って「こういう話を聞いて、私はすごく不安です。でも、他人から聞いた話で意志決定をするのはいやなので戻ろうと思います」と伝えて。

青野からも「戻ってきてほしい」といった言葉をもらい、サイボウズに戻りました。

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子育てはいかに「とらわれ」から抜けるか。

 

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プレッシャーもすごくありますよね。

お子さんを育て、保育園に預けながら、お仕事に復帰されたのだと思いますが、いちばん大変だったことって、振り返ってみるとなんでしたか?

 

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たぶん佐藤さんも一緒じゃないかなと思うんですけど、自分のとらわれた価値観を変えること

 

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子育てへの価値観ですか?

 

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そうなんですよね。

「こうでなければいけない」って自分の中で思っちゃっているんだなと気づいたのが、復帰して少し経った頃からですね。

 

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何かきっかけがあったんですか。

 

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短時間で帰らせてもらっていたんですが、それでもしんどくなっていくんですよ。帰ったら帰ったで子どもは抱っこをせがんでくるし、すぐに夕飯の支度にとりかかれるわけではない。

やっと食べさせたと思っても、やれ洗濯だ、やれ明日の保育園の準備だなんだと。仕事は時間を決めて何とか終えても、家事には終わりがない。

 

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本当にそうです。

 

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夜に洗濯物を干しながら「私、こんな状態で、続けられるんだろうか」みたいな。

 

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もうね、うん。もう、わかりすぎて泣きそう。

 

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今日もまた洗濯かぁ……って。

 

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掃除しても1週間後にはすごく汚い。

 

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いや! 1週間もたない!

 

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髪の毛も落ちるし。そんな状態から、価値観を変える瞬間があったんですね。

 

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いくつかあるんです。

たとえば、断乳。私は復帰してからも家にいる時は母乳をあげていましたが、徐々に出なくなる。

それに子どもがちょっとストレスを感じるようになってきて、どこかでおしまいにしようと思ったんですけど、育児書を読んでいたら「母乳が出るなら母乳をあげましょう」と書いてある。

 

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たしかに、そういう話もありますね。

 

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初めての育児では「そんなもんだ」と思うし、私たちの母親世代もそう言うし、極力あげたほうがいいんだろうけれど、もう出ない。

私が昼間に家にいないから出なくなっている、仕事をしていなかったらもっとあげられたかもしれないのに……と。でもそれを選択したのだから「しょうがないな」と。

もうひとつが、離乳食。子どもには手作りの食事をあげたほうがいいと思うけれど、離乳食ほど手間のかかるものはない!

 

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あぁ、わかります。製氷機とかに固めて、冷凍したり。私もしてましたけど、続かなかったなぁ…。

 

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そう、それもしんどくなってくる。すると何を食べさせるかというと、時折はレトルトに頼るんです。でも、頼りすぎると、なんとなく罪悪感が出てくる。

 

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あー、わかります、わかります……。

 

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でも、そこでも私は、「ここで私が離乳食をつくっている時間よりも、時にはレトルトに頼ったって、一緒に会話して食べる時間を大切にしたらいいんじゃないか」と思ってきて。

その後もいろいろあるんですが、最近の大きかった瞬間は上の子が小学校1年生になったとき。だからちょうど3年ぐらい前の話です。

 

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ほんとうに、ついこの間ともいえますね。

 

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1年生って、バッグとか、コップ袋とか、学校で使ういろんなものを用意するわけです。そういうのを手作りしているお母さんも多くいらっしゃるし、私の母もそうしてくれた。

作ろうと思ったら作れるのだろうけれど、3月って何かと忙しく、はっきり言って余裕はない。なので手作りという優先順位は下げて既製品に頼るんです。

もしかするとお母さんの手作りはいいかもしれないけれど、実は子供ってそれほど深く考えていないのかもしれない。だから「一緒に買いに行こうね」って、子どもが気に入るのを一緒に選んで。

「私自身がとらわれていたんだ」って確信できた瞬間ですね。いろんなイベントがあるたびに葛藤してきたけれど、「もうとらわれるのはやめよう」と気づくのに結局6年位かかったのかも。

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吹っ切れるまでに時間はかかる。

 

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佐藤さんが生活されてきた家庭環境って、どんな感じでしたか?

 

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母が専業主婦でした。

 

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うちもそうなんです。

 

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いちばん大変だったことはなんですかと聞いたら「仕事と子育ての両立です」という答えがくるかと思ったら、「既成概念や価値観にとらわれない」と聞いて、自分でも気づかなかったけれど、すごく新鮮で共感したんです、瞬間的に。

やっぱりそれは私にも似たような体験があるから。うちは母が専業主婦で、おばあちゃんも同居してたんです。

 

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うちも同じです。必ず誰かが家にいる。

 

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給食セットを洗わないとおばあちゃんがおやつの「こつぶっこ」を出してくれない!なんてのも覚えているし、帰ったら誰かがいるという安心感があったんですね。

だから今、私自身が送っているライフスタイルは、自分の育った環境で培われた「お母さん」の姿とは違うんです。

 

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そうなんですよ!

 

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「今のライフスタイルは自分の意志で選択している」と頭でわかってはいるんですよ。でも、なんだろうな……子どもを産んでから2年ぐらい、後ろ髪ひかれるような後ろめたさがあったのも正直なところです。

たとえば、うちの子どもがなかなか保育園になじめなかったんですね。他のお子さんと違って、先生に預けるために汗だくで格闘する日々が続いて。

今でもすごく覚えているんですけど、子どもをなんとかなだめて、自転車に乗って保育園を出ようとする時も、建物からうちの子の泣き声だけが、ぎゃーぎゃー聞こえる。その日は自転車をこぎながら涙が止まらなかったです。

 

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それは、泣けますね……。

 

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しばらくは吹っ切れなかったですね。子どもが1歳から2歳ぐらいまでは、子どもを預けながら働くことに思い悩んでいました。

 

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そうですよね。だから2人目の子どもって、首が座るまでは大変ですが、1人目の時よりいろんなことを受け止めやすいんですよね。

徐々に徐々に自分のなかで優先順位がつけれるようになってきて、「ここは少し手を抜いてもいいかな?」ということもわかるじゃないですか(笑)。

 

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今ではそう思えるけれど、その時は思い詰めてましたからね……子守歌を歌ってやりたいのに、ひとつも出てこないなぁと悩んだり。

中根さんのお話を聞いていても、やっぱりそういう気持ちが吹っ切れるのには6年はかかるのかなって。

 

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たぶん、既成概念にとらわれないというのと、「いかにあきらめるか」ってことなんでしょうね。

今でも悩むときがあります。忙しい時に、子どもの話をゆっくり聞くよりも、とりあえず早く寝かせるのを優先しちゃったりして、これでいいのかな、とか。他にもとらわれていることはまだまだあると思うんですけれど。

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役に立った!「働くお母さん」の経験。

 

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子育てが仕事に与えた変化って、ありますか?

 

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自分は結構「手放せない人」だったんですけれど、育休を取ると手放さざるを得ないですよね。すると、メンバーが劇的に成長したんです。「私じゃなきゃできない」と思っていたことが、決してそうじゃないんだと思って。

自分ができるようになったことを、他の人でもできるようにする。それで、今までやっていなかったことを、自分でできるようにする。そのサイクルは大事だなと。

佐藤さんは?

 

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子どもを産んだことは、マネジメントにとても役に立っていると思っています。子どもへの「母性」が開花していくに連れて、社員に対しての接し方も変わっていって。

たとえば、子どもと一緒で、社員の弱みに対してバランスの取れた見方ができるようになりました。すぐに突き放すんじゃなくて、寄り添って、その社員の成長を促してあげたいみたいな動きが、母親になってからすごく生まれてきたんです。

いろんな葛藤とか、きれいごとではいかない大変さを乗り越えて、「働くお母さんとして生きる」ということが、中根さんも私も、お互いに会社でチームを率いる上でも、いろいろと役に立っていますね。

私たちまだ途上ですけれど、ここまでを振り返ってみたら、「ひとりの人」として何を得たと思いますか?

 

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なんだろう……佐藤さんは何ですか? 質問を質問で返しちゃった(笑)

 

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えー!(笑)

何を得たかな……私は、いちばんは「覚悟」かなと思ってるんです。「まぁ、なんとかなるさ」と思えることもそうだし、どうしようもないときに「自分がなんとかできることはないか」と考える、その両方の覚悟みたいなものが、ようやく40歳になった頃合いで少しついてきたなと。

それは子育てや兄との起業も含めて、いろんなものを経験させてもらったからかなと思っています。

 

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覚悟はすごく共感します。くり返しになってしまいますが、「何をあきらめるか」という覚悟ですね。

私は、なんでしょうね……「自分は一つのパターンなんだ」と気づけたことかな。自分って地球にいる何十億分の1で、自分はその何十億分の1のパターンでしかない。

私と違う考え方、生き方をしてきた人って山ほどいる。みんな違うんだ、と。「お母さんたち」といわれても、母親にもいろいろあって、良いとか悪いとか順位をつけたりせずに、それでいいんだって。

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「わたしの、ちょうどいい」の見つけ方。

日本発のIT企業として名高いサイボウズで、責任ある立場として働く中根さん。仕事も子育てもスーパーウーマンのごとく進めているのかと思いがちですが、日々の一つひとつを手探りしながら形作っているのが印象的でした。

今回お届けした連動企画の2つの対談から、僕は「定義のむずかしさ」を感じます。

「任せる」と口にした言葉でも、捉え方が微妙にずれてしまっていたら「ほとんど違う言葉」になってしまう。「お母さんらしく」と頑張る一方で、その価値観にとらわれてばかりだと苦しくなってしまう。いかに定義するかで、仕事も暮らしも変わってくる。

だからこそ、考えぬく。だからこそ、話しあう。

そして「これだ!」と考え抜いた実感の上に、思いついたり教えてもらったりしたアイデアを積み重ねる。そのくり返しが、誰でもない「わたしの、ちょうどいい」を作ってくれるのでしょう。

 

160226sybozu_kurashicom_27▲サイボウズ式の記事はこちらから。私たちと違う角度から代表青木、店長佐藤の対談を取り上げています。ぜひ併せてお読みいただければ嬉しいです。

 

サイボウズ式×北欧、暮らしの道具店 コラボ対談

前編:家族も、仕事も。「チームワーク」ってどうやったらうまくいく?(サイボウズ青野社長×クラシコム代表青木)

後編:ワーキングマザーを助ける「ちょうどいい」の見つけ方(サイボウズ中根さん×店長佐藤)

 

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中根弓佳(なかね ゆみか)

サイボウズ株式会社執行役員・事業支援本部長。1999年慶応義塾大学卒業後、関西の大手エネルギー会社に入社。2001年サイボウズ入社。法務部長を経て、2007年、2009年と産前・産後、育児休暇を取得。2014年8月に執行役員・事業支援本部長に就任(現任)。

 (おわり)

 


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