【おしゃれは学べる】第1話:50代でようやく「自分のためにおしゃれしよう」と考えました。(主婦・金子敦子さん)

50代女性のファッションはどうすればおしゃれになれるのか。おしゃれに全力で向き合い、ブログが書籍化もされた金子敦子さんにインタビューしました。年齢を重ねれば体型も、似合うコーディネートも、映える色も変わります。 今の自分に似合うものを見つめ直して、自分を一番素敵に見せてくれるスタイルを探しましょう。

編集スタッフ 齋藤

センスって良くなるのかな。
あの人みたいになってみたいな。
こんなに体型って変化するものなのか。

…….どうしたら、おしゃれになるんだろう。

年齢とともに、おしゃれは身につくのかしらという淡い期待はあったのも事実。でも、ずっとずーっと、おしゃれは分からないまま。

さらには産後の体型変化も相まって、迷子への道をひた走る昨今。

そんなある日。本屋で雑誌をめくっていると、とびっきりの笑顔が目に入りました。よくよく見ると、プロフィール欄には「主婦」と書いてある。それが、金子敦子(かねこ あつこ)さんとの出会いです。

 

おしゃれは、学べるのかも?

自身のファッションを自撮りしたインスタグラム・ブログ「命短し恋せよ乙女 50代の毎日コーデ」をほぼ毎日アップしている金子敦子さんは現在55歳。20歳の娘をもつ母でもあり、全力でおしゃれを楽しむ女性です。

本屋で金子さんの笑顔に触れてから、そのブログを見るようになった私は、どんどん惹きつけられていきました。その理由は、等身大ながらも昨日より今日……と、確実におしゃれになっていく様子がわかったから。

目に見えて素敵になっている姿を見ているうちに、「ああ、おしゃれは学べるんだ!」と嬉しくなり、胸が高鳴ったのです。

これは、ある日のブログに掲載されたコーディネート。

金子さんは、古着屋で買ったばかりのオーバーオールを嬉々として身につけ記事をアップ。その直後、読者のかたから「もっとこうしたほうがステキですよ!」とアドバイスを受けて着なおしたものだそう。

同じアイテムでもこんなにも着こなしで変わるなんて……! アドバイスを受けてグングンと学びを体現していく金子さんに一層釘付けになってしまうわたし。

センスって磨くことができるんだ。そう確信し、「今日より明日、と自分のおしゃれを更新していきたい」と言う金子さんにお話を伺いました。

 

「40代まで、人の目を気にして『おしゃれ』に振り回されていました」

金子さん:
「20代のころは、時代の影響もあって、みんな着飾っていました。わたし自身ミーハーだったせいもあって、テーマは『周りのみんなに溶け込むための華やかスタイル』。

ばりばりにお化粧をして、スーツ。自分を自分以上に見せたかったし、今に遅れたくない思いで必死でした。浮きたくなかったんですね。

結婚をして、出産したのが35歳。産後は、綺麗におしゃれをした周りのお母さんたちと同じようにしつつも、そこに馴染めない自分に対して悶々としていました。

そんなとき、夫の転勤で沖縄へ行くことになって。そうしたらファッションや生き方への気持ちがガラリと変わってしまったんです」

▲娘さんが3歳のころ

金子さん:
「暖かくてのんびりとした沖縄の空気や、ファッションに対しても大らかな人たちに囲まれて、Tシャツにジーンズが一番!の穏やかな日々でした。

いままでキリキリと暮らして、ファッションに対しても人の目ばかり気にしていたわたしって何だったんだろうって思ってしまうくらいで。

人との関わり・子どもとの生活が大事ということをめいっぱい沖縄という地で教わって、わたしは楽しくいられてる?ということを問いながら過ごしていました。

このとき40代。そしてまた転勤が訪れ、東京に戻ることになったんです」

 

50代でやっと「自分のためにおしゃれしよう」と決めました

金子さん:
「東京に戻ってからは、それまでのような『ジーンズが一番』のスタイルを変えなきゃ、と周囲の様子をうかがいながら試行錯誤。でも、何かが違う。若々しくしようと思っても空回りで。

そうして50歳を過ぎて、自分の姿をある日ふとエレベーターの鏡ごしに見て、危機感を抱きました。これはマズイと。初めて、自分のことを客観的に見れたのかもれません。

今までしてきたつもりだった『おしゃれ』は、他人に合わせるためのもので、自分にベクトルが向いていなかったんですね。『もっと自分のためにおしゃれをしよう』とこの時に決めました。

それで、客観的に見ようと『自分の写真を撮ること』を始め、写真を撮るだけだと続かないかもと『ブログ』をスタートしたんです」

金子さん:
「今考えると笑ってしまうんですが……。年齢への危機感もあったし、ファッションをどうにかしたいと思いながらも、『わたしはそこそこオシャレ』と思っていたんです。だから、ブログという形で発信しようとしたんだと思います。

当時は看護師の仕事をしていたので、早朝に写真を撮ってブログを書いていました。

それで朝食のときに、そこで撮った写真を家族で見る習慣が生まれたんですね。そうしたら娘から『これはヒドイ』と指摘をされて。お母さんなかなかおしゃれでしょ?と思って見せた写真だったのに……!」

娘さんの言葉をきっかけに、ブログの形式から金子さんのファッション、さらには娘さんとの関係も変わっていくことになります。第2話もお楽しみに。

(つづく)

【写真】田上浩一


もくじ

  金子敦子

1962年北海道生まれ。夫と娘の3人暮らし。38歳から看護師をめざし、小児科勤務を10年しながら、日々の着こなしを自撮りで紹介するブログ『♪命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ』が話題に。ブログに登場する娘の正直なコメントが好評。母のファッションを毎日厳しくチェックしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/avare/

▼金子敦子さんの著書は、こちら。

 


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