【訪ねたい部屋】03:お気に入りを自由に飾る。元々を活かした自分らしいキッチン
編集スタッフ 藤波
特集「訪ねたい部屋」は、自分にフィットするインテリアを楽しんでいる方に家づくりのヒントを伺う企画。
3年前にリノベーションした都内のマンションに家族3人で暮らす、デザイナーの板井亜沙美(いたい あさみ)さんを訪ねています。
前回までは、簡易的なリノベーションを選んだ経緯やヴィンテージ好きの原点、ダイニングの工夫についてお聞きしました。
第3話では、グリーンのタイルが印象的な、広々としたキッチンについて詳しく伺います。
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元々の魅力ありきで、自分たちらしさを
カウンターを挟んでダイニングとひと続きの空間にある板井さん宅のキッチン。カフェのようなかわいらしい空間がとっても素敵ですが、実はリノベーションの際にはほとんど手を加えていないのだそうです。
▲中央に吊り下げているランプは『オルネ ド フォイユ』のもの。引っ越しのタイミングで購入したお気に入りだそう
板井さん:
「前に入居されていた方が残していったキッチンがとても綺麗な状態だったので、部分的に手を加えただけなんです。システムキッチンならではの大容量の収納に助かっています。
施工した場所の一つがキッチン上の戸棚。元々はよくある白い化粧板だった扉を、工務店さんに提案してもらいラワンの板に張り替えたことでぐっと雰囲気が出ましたね。空間を有効活用するために、アイアンバーの吊り棚も追加で設置してもらいました」
キッチンに足を踏み入れて真っ先に目が行くのが、青緑色のタイル。なかなか他では見ないカラーですが、どのように選ばれたのでしょうか。
板井さん:
「このシステムキッチンの面部分は、よく見ると淡いミント色をしているんです。珍しくて素敵なのですが、自分だったらまず選ばない色。どうしたら空間が締まるか……と考えて、タイルを貼ることにしました。
サンプルを取り寄せてあれこれ悩み、選んだのがこの深めの青緑色です。工務店さんからDIYをしてみては?とご提案いただきチャレンジしましたが、一枚一枚貼るのは予想以上に大変でした(笑)
でも、タイルを貼ったことで元々のキッチンの魅力と、自分たちらしさが合わさり、とても愛着のある空間に仕上がったように思います。コントロールできない部分と、自分の“好き”がかけ合わさっていく過程がすごく楽しかったです」
ちいさなスプーンは、思い出の1本
半円テーブルの上には思わずきゅんとしてしまう小さな飾り棚が。娘さんが眠ったあとこのテーブルで、ゆっくりお茶を飲みながら本を読んだりされるのかな?と想像が膨らみます。
そして、壁側のキャビネット上には食器や雑貨を並べた広めの飾り棚が。額縁に入ったちいさな木のスプーンに目が留まり、思わず声をかけてしまいました。
板井さん:
「これは娘のファーストスプーンなんです。よく見るとかじった跡があります。今はもう使っていないのですが、思い入れがあるので大切に飾って眺めています。
この他にも、キッチンには食器だけでなく大好きな古道具も並べています。
上の段にある『グランピエ』で購入した木製の蝋燭立ては、火を灯したことはなくオブジェとして。本来の使い方ではないけれど、形がユニークなものはそのまま飾るだけでも様になったりするんですよね。どこに置こう?と、考える余地がある買い物は楽しいです」
冷蔵庫だって飾れる
取材陣が興味津々だったのが冷蔵庫。磁力がなくて私たちが諦めていた扉には、紙類がかわいく飾ってありました。
板井さん:
「最近の冷蔵庫の扉は磁力がないので、好きなお店のショップカードや美術館で購入したポストカードをマスキングテープで貼っています。
重たいものをぶら下げたい時は、ECサイトでも手軽に購入できる『強力吸盤フック』が大活躍です。
冷蔵庫の上のカゴには、キッチンペーパーなどのストック品や使用頻度の低い調理道具などを収納しています」
板井さん:
「冷蔵庫の側面には海外旅行でお土産に購入したマグネットを飾っています。その土地ならではの、ユニークでラフなデザインのマグネットは、見ているだけで楽しい気持ちになります。
コロナでなかなか旅行に行けなくなってしまいましたが、見るたびに旅の思い出が蘇ってくるので嬉しいです」
忙しい毎日に少しのゆとり、抜群の動線
冷蔵庫横には、玄関に続く勝手口のようなスペースがあいています。
板井さん:
「この勝手口があることで、重い荷物を持って娘と一緒に帰ってきたときなど、とりあえず荷物をキッチンに置くことができてすごく便利です。
元々はもっと広い勝手口だったのですが、壁側の飾り棚のスペースを広くとりたかったので、人が1人通れるくらいに狭めてもらいました。
壁側のキャビネットは前の家から持ってきた唯一の大きな家具で、引っ越してきてからDIYで幅を増やしゴミ箱スペースを確保しています」
板井さん:
「広い空間を活かしたくて、半円のテーブルを設置しました。娘のおやつや自分がサクッと食事するときに使用するイメージでいたのですが、これが予想以上に大活躍。最近ではここで家族3人ぎゅっと固まって食事することも多いです。
できた料理をスムーズに運べるのはもちろん、娘がまだまだ食べこぼしてしまうので汚れたらすぐにシンクで手を洗えるのもすごく助かっています。
自分で一から間取りを検討していたらキッチンスペースをこんなに広く取らなかったと思うのですが、お陰ではじめは考えていなかったような使い方ができているので、これも出会いだなあと思っています」
▲キッチンカウンターからはリビングダイニングを見渡すことができます
お話を聞きながら、元々のキッチンに自分たちらしさを加えていった過程を想像して楽しい気持ちになりました。
必要なものだけでなく、目に入ると嬉しいものを自由に飾る板井さんのアイデアからは、“好き”を活かした家づくりのヒントをもらえそうです。
最終話である第4話では、様々なテイストの雑貨を飾るときのポイントや空間づくりの工夫について伺います。お楽しみに。
【写真】関めぐみ
もくじ
板井亜沙美
デザイン会社でデザイナーとして働く。都内の中古マンションをリノベーションした部屋に2歳になる娘と夫と暮らしている。インスタグラムは@tgwasm1116から。
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