夜ふけの絵本ラジオ
【夜ふけの絵本ラジオ】第五話:『プークマ ウークマ』

【夜ふけの絵本ラジオ】第五話:『プークマ ウークマ』

こんばんは。北欧、暮らしの道具店です。

月に1回お届けしている「よふけのえほんラジオ」の時間です。

東京・高円寺にある絵本のお店「えほんやるすばんばんするかいしゃ」を営む荒木健太さんに、あまり何も起こらないけどホッとするお話を選んでもらい、声でお届けするポッドキャストです。

せわしない毎日を心地よくしめくくる、夜じかんのおともにでもなればうれしいです。



今夜のお話は
『プークマ ウークマ』


▲佐藤義美作、脇田和絵『プークマ ウークマ』(ほるぷ出版)

今夜は、佐藤義美作、脇田和絵『プークマ ウークマ』というお話をお届けします。

『プークマ ウークマ』本編より

プークマハ、ワラフ トキ、

「プープー。」ト、イッテ ワラヒマス。

ウークマハ、ワラフ トキ、

「ウーウー。」ト、イッテ ワラヒマス。

プークマハ、リンゴガ ダイスキ デス。

「リンゴ リンゴ リンゴ。」

ウークマハ、サカナガ ダイスキ デス。

「サカナ サカナ サカナ。」

プークマガ、アサ オキテカラ、

「ウークマチャンノ ウチニ 

アソビニ イカウカナ。」と、イッテ......


荒木さん:
「この本の初版は1942年。おそらく私は、1940年代前半の本(作品)というものに少し先入観があって、読む前に少し身構えます。パッと見の第一印象が良くても、読んでみると『おお、、、こういう話ね』となることがあるからです。この本に関しては、第一印象通りというより、読むほどに印象がさらに良くなるような内容で、脇田和さんの絵も相まって読むたびにあたたかい気持ちになります。

当時の絵本は、カタカナ表記も一般的でした。この本も例外ではなく、全てカタカナ表記で現代人としてはやや読みにくいのですが、読んでいるうちに、だんだんとこのカタカナが愛おしくなってきます(もちろん、当時の読者はそんな風には感じなかったでしょう)。登場人物が人間ではなく、二匹のクマであることもうまく作用していて、カタカナ以外考えられなくなります」

荒木さん:
「大好きな本なので、この本を復刊してほしいなと思うことがあります。でも、復刊したら、きっとカタカナではなくなるでしょう。それは仕方のないことだと思いつつも、現代人には、このカタカナが持つ距離感と温度感がちょうどいいとも思っています」



荒木健太

東京・高円寺にある絵本専門の本屋「えほんやるすばんばんするかいしゃ」店主。店頭には古本・新本の絵本があり、作家の原画展示も行うほか、「果林社」の屋号で絵本も出版している。

166-0003 東京都杉並区高円寺南3-44-18
14:00-20:00 ※火・水定休

Instagram:@ehonya_rusuban