【BRAND NOTE】前編:平澤まりこさんの心を動かす、スヌーピーと小さな子どもたちの世界。
編集スタッフ 寿山
スヌーピーに共感する大人が増えている?
大人になって気になりはじめた「スヌーピー」という存在。
私は小学生の頃スヌーピーの缶ペンケースを使っていた以外、これまでずっと接点がなかったのに、なぜか最近よく目にするようになってきました。
意識したきっかけは、2013年に六本木の森アーツセンターギャラリーで開催された「スヌーピー」の原画展。周りの友人や仕事仲間の多くが展示を見に行って、声を揃えて「よかった!」と感動していたのを鮮烈に記憶しています。
「大人はスヌーピーのどんなところに感動するのだろう?」
そんな疑問が頭をよぎりました。
当店の代表青木も、以前ブログでスヌーピーが登場するコミック『PEANUTS』の下記セリフを引用して、人を育てることについて書いています。
「安心って言うのは車の後部座席で眠ることさ。前の席には両親がいて、心配事はなにもない。でもある時突然その安心は消え去ってしまうんだ。君が前の席にいかなきゃならなくなるんだよ。君が誰かを安心させる側になるために」
『ピーナッツ ジュビリー 漫画スヌーピーの25年』、チャールズ・M・シュルツ 著、p.88
今回『PEANUTS』の国内ライセンスエージェントであるソニー・クリエイティブプロダクツと BRAND NOTEでご一緒することになり、うれしいご縁を感じました。
私のように「スヌーピーのことをよく知らない」という方がいれば、その魅力を一緒に探っていけたらうれしいです。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で制作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
平澤まりこさんと「スヌーピーミュージアム」へ
2016年4月に都内にオープンした「スヌーピーミュージアム」。
場所は六本木駅と麻布十番駅の間に位置する住宅街の一角。都心と思えないほど静かなところで、豊かな緑に囲まれています。
大人が楽しむ美術館やギャラリーが多く存在する六本木に、どうしてキャラクターのミュージアム⁉︎と不思議に思いました。
その理由も含め、今回「スヌーピー」の魅力を知るべく、さっそくこちらのミュージアムを訪れることに。
ゲストとしてお招きしたのは、イラストレーターの平澤まりこさん。じつは自他ともに認める「スヌーピーファン」だといいます。
イラストレーターとしての活躍はもちろん、センスあふれる暮らしぶりは書籍にもなるほど。私たちスタッフも大好きな憧れの女性です。
BRAND NOTE前編では、そんな平澤さんが幼少期だけでなく「大人になって、もっと好きになった」と話すスヌーピーの魅力を、ミュージアム内のカフェで対談します。
お話を伺うのは、わたし寿山と「スヌーピーミュージアム」の広報を担当する徳永祥子(とくながさちこ)さんです。
徳永さんは、プライベートでは3歳になる双子の娘の育児に奮闘中。子どもとスヌーピーグッズを楽しむ、ファンでもあります。
▲うれしいことに、徳永さんは子どもを寝かしつけた後、毎日のように当サイトをご覧いただいているそう
「思春期の頃から、ずっと励まされてきました」
幼少期から30年以上の付き合いというスヌーピーのぬいぐるみを手に現れた平澤さん。お母さんがスヌーピー好きで、小さい頃からスヌーピーのある風景が自然だったそう。
平澤さん:
「このぬいぐるみが、私とスヌーピーの最初の出会いです。
3〜4歳くらいのときに母が買ってくれたものですが、いまも大切にしています。もう30年以上そばにいてくれて、お守りみたいな存在かも」
それから間もなくして、コミック『PEANUTS』の存在を知りました。
平澤さん:
「従兄弟がアメリカへ引っ越すときに、鶴書房の『PEANUTS』シリーズ全巻を譲ってくれたんです。
当時は読んでも、内容をあまり理解することができなくて。それでも表紙のビビットな色づかいや洗練されたデザインが好きで、インテリアとして飾っていました」
その後、思春期を迎えた中高生の頃にコミックを読み返して、ハッとさせられる考え方が沢山あることに気づいたそう。
壁にぶつかったときには、スヌーピーの「上を見つづける……それが人生のコツさ!」という考えに、「悩んでも仕方ない。前へ進もう!」と、何度も励まされてきました。
「本音と建前」なんて、一切なし。人間関係の描写がおもしろい。
▲左からわたし寿山、平澤さん、徳永さん
平澤さん:
「コミックに登場するスヌーピーや飼い主のチャーリー・ブラウンをはじめとした、子どもたちのストレートで人生を達観したような発言にはドキッとさせられます。
本音と建前なんて概念は一切なくて、思ったことをサラッと言ってのける。言いたいことを言い合って喧嘩になったりもするけど、喧嘩したらちょっとやさしくしたり。人間関係の描写もリアルです。
スヌーピーとチャーリー・ブラウンの、仲が良くても付かず離れず、ちょっとドライな関係にも惹かれます」
徳永さん:
「キャラクターの表情も言葉もシンプルなので、何を考えているのか想像が膨らみます。セリフの意図を掘り下げたり、自分なりの解釈をしながら読むのが好きです」
平澤さん:
「詩人の谷川俊太郎さんの日本語訳も絶妙ですよね」
寿山:
「お決まりの展開やオチみたいなパターンもあって。読めば読むほど好きになるし、キャラクターに愛着も湧いてきます。
日本でいうと、『サザエさん』に近い親しみやすさなのでしょうか」
「子育ての息ぬきに、ちょうどいいコミックです」
徳永さん:
「私には3歳になる双子の娘がいて、毎日慌ただしくて。でも仕事と育児の合間に『PEANUTS』を読むと、気持ちをリセットできるんです。
もともと新聞に毎日連載されていたコミックなので、深刻なニュースの合間に読む、息抜き的な読みものという要素もあったのではないでしょうか。
きっかけは仕事だったんですが、今は子育てのリフレッシュに欠かせない愛読書のひとつです」
スタッフ寿山:
「その気持ちすごくわかります。読んでいるうちに、いつの間にか『PEANUTS』の世界に入り込んでいって。日常を忘れて、リラックスできる気がします」
スタッフ寿山:
「私も2歳になる娘がいるのですが、チャーリー・ブラウンの『正しい答えが人生のすべてじゃないでしょう?』という考え方に勇気をもらいました。
子育てをしていると、“うちの子にとって、何が正解なんだろう?” と壁にぶつかることがよくあって。子どもと向き合い、自分でちゃんと考えて出した答えに、自信を持とうと思えました」
今回取材を担当することになって、はじめてコミック『PEANUTS』を読みました。
4コマでストーリーが完結するテンポも、ウィットに富んだストーリーも心地よく、ことのほかいい気分転換になりました。
いまでは娘を寝かしつけた後、ひとりでお酒を飲みながら『PEANUTS』を読んで、1日を締めくくる日もあります。
「今ある暮らしをもっと大切にしようと思わせてくれます」
平澤さん:
「コミックに描かれている世界はとても狭いですよね。子どもの世界だから。
そんな身近なところで起きる、他人事とは思えないエピソードに、笑ったり、共感したり、気持ちが和みますよね」
徳永さん:
「私も同感です。作者のシュルツさんが50年間描き続けたのは、なにげない日常の世界。
どこにでもある家族や友人との風景、ありふれた出来事が大切に描かれている。今ある生活や家族との時間を、もっと大切にしようと思わせてくれる気がします」
寿山:
「私はすごく久しぶりに、子どもならではの視点とか、甘酸っぱい気持ちを思い出しました。
スヌーピーや子どもたちは、子どもの気持ちも、大人の気持ちも、両方を代弁してくれている気がします」
インテリアとも相性がいい、スヌーピーグッズ
▲ミュージアムショップで平澤さんが選んだ2点。ぬいぐるみ2800円(左)とマグカップ1300円(右)
平澤さんも、徳永さんも愛用しているスヌーピーグッズ。私はキャラクターものがない暮らしをしているので、お二人がどのようにスヌーピーグッズをインテリアに馴染ませているのか聞いてみました。
徳永さん:
「もともと無機質なインテリアが好きで、キャラクターものが一切ない、白っぽい部屋で暮らしていました。
でも子どもを産んでからは、当時から愛読していた『PEANUTS』にちなんで、等身大のスヌーピーを娘たちの身長計がわりにしていて。
それから、折に触れては等身大のスヌーピーと娘を並べて撮って、成長を記録しています」
平澤さん:
「スヌーピーって、モノクロで形もシンプルだから、インテリアになじみやすいんです。
作者の絵が素晴らしくて、キャラクターに力がある。私も従兄弟にもらったコミックは、いまだに自宅の本棚に飾っています」
▲ポストカード各150円
▲フィギュア各1,000円
平澤さんと徳永さんとお話して「スヌーピー」には、大人と子どもが一緒に楽しめる魅力があると感じました。
2歳になる娘を見ていると、幼子が最初に興味をもつのは動物。なかでも犬は最も身近な存在です。街中で散歩している犬を見つけるやいなや、娘は「ワンワンだぁ!」と私に教えてくれます。
「スヌーピー」だったら、親子で持つ最初のキャラクターにちょうどいいかもしれない。子どもだけではなく、私も感情移入して楽しめそうだと感じました。
▲ファーロンのぬいぐるみ(左)3,000円(2017年4月22日から発売)
▲L.L.Beanトートバッグ(M)10,000円(2017年4月22日から発売)
さて次話では、いま大人の間で話題の「スヌーピーミュージアム」を平澤さんと一緒に見てまわります。
(つづく)
[information]
本編で紹介したスヌーピーグッズは、ミュージアム内のブラウンズストアでのみ購入出来ます(※価格は全て税抜です)。その他図録やステーショナリー、雑貨、ホームウェアにファッション、食品にいたるまで、スヌーピーミュージアムのためのに作られた、世界中でここにしかないオリジナルグッズをぜひご覧ください。
4/22(土)より開館1周年を記念した新しい展示がスタート。ミュージアムやショップ、カフェの詳細はこちら↓
http://www.snoopymuseum.tokyo/
スヌーピーミュージアム
東京都港区六本木5-6-20
10:00~20:00(入場は19:30まで)
会期中無休(12/31、1/1・2をのぞく)
Tel. 03-6328-1960(10:00-20:00)
▲2018年9月までの期間限定のミュージアムです。半年ごとに入れ替わる展示は、どれも見逃せない内容。
© Peanuts Worldwide LLC
【写真】平本泰淳(9、14枚目以外)
もくじ
平澤まりこ(イラストレーター)
雑誌や書籍などで、挿絵や装画などを描く一方、その暮らしぶりやセンスが見込まれ、自身のエッセイや単行本も手がけている。近著『しろ』(ミルブックス)は、モデルの浜島直子さんなどとの共著で、銅版画による大人の絵本。
徳永祥子(ソニー・クリエイティブプロダクツ コンテンツ事業本部 広報宣伝課 チーフ)
「PEANUTS(スヌーピー)」「きかんしゃトーマス」「ピーター
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